[2011年4月5日]

例年ならば、どこに桜を見に行こうかとうずうずしているのが3月中旬。
しかし2011年の今年はそれどころではなかった。
あきらめようと考えた・・・あの震災があったから。自粛ってやつか。
そして半月少々が過ぎた4月初め、東京の桜は咲いていた。
その花びらを見て・・・やはり桜巡りを決心。
花見に行きたくても行けない方々がおおぜいいる。
ならば行けない方々に、せめて画像だけでも見せてあげられるのではないか。
そう思ったら、自粛ってヤツが吹き飛んだのである。


それにしても、なぜ人々は桜に魅了されるのだろうか。
もう何十年も前から見てきたけれど、全国の桜を追いかけ走り回ってきたけれど、
いまだにその答えは分からない。きっとこの先も分からんだろうなぁ。
いや、分からなくてもいいんだろうなあ・・・。

ではお贈りしましょう。
途中、脱線もあるけれど、長〜い2850km桜巡りの旅。
桜好きで、ものすご〜く ヒマな人は、どうぞご覧を。



西の桜を求めて・・・

我が家を出るCB750。向こう側のホンダフォルツァ250は収納スペース抜群(しかも防水)だが、スク〜タ〜じゃあね「男の桜巡り」に演出が足りない。




 2010年の大井川桜巡りは一人旅だった。そして今回は・・・やはり一人旅。カミさんは行かない。理由は仕事であったり、長距離であったり、寒かったり。
 今回の桜巡りを決定したのは出発の2日前。途中、京都でひと仕事のビジネスホテル以外は、まったく宿を決めていない。まあ今夜の宿は、四国高松:屋島工房の尾原んちでも泊まろうか、とそんな具合。
 さて旅の相棒はCB750、最高速度200km/h弱という欠点以外は実に良いバイクだ。
 リアシートの左右振り分けバッグとタンクバッグを装着し、振り分けバッグの片側はカラにしておく。それはお土産持ち帰りスペースだ。本来はそれらバッグに加えて、カメラバッグをリアシートに載せるが、それはできない。理由はずっと先にお伝えしよう。
 ということでカメラはキヤノンEOS 5DMark2と、24〜105mmズームと広角レンズを収納。望遠レンズ、三脚、ストロボ機材は断念した。
 快晴の朝9時45分、東京都大田区の自宅を出発。東名高速東京インター(用賀)から高速道路で四国に向かう。土休日千円乗り放題高速ではない平日ETC定価料金で。 

東名高速 大井松田あたりにドカ〜ンと顔を出す富士山。この時期がいちばん美しいかな。

御殿場に向かう東名高速右ルート線。富士を見ながら軽快に走れるが、あのフクメンには要注意。

沼津の先、愛鷹PAの桜の下で小休止。7分咲きといった感じだろうか。

走行写真:片手でも撮れるが、両手でカメラを持ったほうがブレが少ない。バイクは両手を離しても真っ直ぐ走り、ニーグリップで曲がってくれるんですなあ・・・って、時々ヒヤッとする時あり(汗!)。


御殿場を過ぎた裾野IC付近の桜並木。まだほとんどがツボミ状態。

由比:東名高速の海沿いは唯一ここだけ。いちばん気持ち良い場所かな。

浜松通過:ヒョウドウさんとこは、ここを降りて10分以内なのだが、先を急ぐので失礼。


 旅道具の愛用品のひとつにリーガルコーポレーション製のR-01ブーツがある。北海道から九州まで、3年間でもう2万キロは走り回っているが、まだまだくたびれた気配はない。そうとうな回数、チェンジレバーをかき上げているのだけどねえ、パッドにその形跡は少ないのだ。
 もちろん、しっかり手入れをしているのだが、良い材質にしっかりとした作りが現状を証明・・・・・これ、さりげない自慢です。(買ってくださいと遠まわしに申し上げているのです。では こちらへ >> )


浜名湖SA:桜は開花したばかり。イメージ的には東京より暖かく、満開が早いと思っていたが。この風景、なんだか秋のようだ。

東名高速豊田ジャンクションから伊勢湾自動車道へ。橋を通過しているとついパチリ。


東名阪自動車道から新名神高速道路を通過中。快適に空いている。


SAで給油。262kmで14.1L。リッター18.5km。カミさんと走れば20kmを切ったことがないのだけれど。なおここのラーメンは、なぜ旨くないのだろうか?

青空に真っ赤なつり橋のコントラストは素晴らしいので、ついついまた。


京都通過:ここを降りて10分ほどでペアスロープ出張所があるRSタイチ京都店。でも失礼をして。


中国自動車道 兵庫県西宮名塩SA:自動販売機に「水」が売られている。普通なら珍しくもないが、4月5日現在の東京者には目に留まる。


やっぱり橋は魅力的である。

 関西圏に入り、名神高速から中国自動車道、山陽自動車道、そして神戸淡路鳴門自動車道とめまぐるしく道路を変えて明石海峡大橋を通過中。例のごとくシャッターを押す。ミラーの自分も写して。
 一人走行写真は、両手離し60〜70km/hが安定して撮れる。しかし高速道路の場合、そんなにゆっくり走れば、後ろから追突される危険性があり、速度アップ。すると揺れてブレる。しかも橋の上は横風が強く、時には1車線分バイクが流される。だから前後確認して、ニーグリップして、しっかりカメラ構えて、よい構図考えて・・・パチリッ!




明石海峡大橋は横から見ても素晴らしい:淡路SAにて


 淡路SAでのんびりしていたら陽が傾いてきた。先を急ごうと本線に入ると猛烈な勢いで走る徳島ナンバーのドイツのクルマ。こういった無謀な速度で走る地元系のクルマを追うと速いのである。
 しかしなんですなあ、、、追うとますます速度を上げて、我がCBを振り切ろうとする。スロットルはカツッと下までそのまんま。非力なCBはストレートで離されるが、バイク乗りの意地で高速コーナーで追いつく。「なめんじゃねえCBを」って感じか。
 淡路島を南北に走るその距離約60kmだが、おかげさまですぐに四国上陸。カウル無しのため、風圧で首が痛くなったけどね。

大鳴門橋:対岸は四国徳島県。

 四国に上陸すると、ほとんど片側1車線の高松自動車道を西へとのんびり走る。正面に沈んでゆくオレンジ色の太陽を見ながら。高松まであと少しである。


陽が沈む直前の高松。やっと着いたのだ。



屋島の尾原んち到着。

 香川県高松市の屋島工房店主、尾原んちに到着したのは夕方6時22分。東京大田区の自宅を出たのが朝9時45分だから、690kmを8時間37分。平均速度はジャスト80km/h。まあたいした速度ではないが、ガソリン補給したり、昼飯食ったり、一服小休止したりの時間を含めての平均速度なので、まあ頑張って走ってきたと言えようか。
 尾原んちに荷物を置いて、さっそくメシ屋へと向かう。もちろんアルコール補給ではあるが。

 そうそう、ついでといってはなんだけど、屋島工房の宣伝をしなければならない。
 6畳程度の広くない(狭い)店内に、セレクトされたペアスロープ製品が並ぶ。基本的な営業日は金・土・日曜日。その他の日は、グローブ製作に専念。そう、屋島工房はグローブが得意なのである。

詳しくは、屋島工房HPへ >>


 今日は高速道路をひたすら走っただけ。さていよいよ明日からが桜巡りの本番である。
 「俺も行きたいんやけど・・・」 尾原が言う。野郎二人で桜を見に出かけるなんて、なんか勘違いされるんじゃないかと思うが、まあ四国案内人として役に立つかもしれないので了承。尾原邸で酒を飲みながら、明日の宿、高知のビジネスホテルを予約する。
 「朝、何時に出はりますぅ?」
 「起きてから考えよ〜」 ・・・こんな具合。



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