2012年4月9日午後

 男が甘味好きでどこが悪い! と初めに言っておこう。
 私はマンジュウをツマミに酒を飲むこともある。特に甘さを抑えた大福ならば酒に合うのである。それの何が悪い! とまた言っておこう。でないと、このページはヘンだ。


 伏見の醍醐寺から、つまらぬ府道をノンベンダラリンと20分弱走って宇治に着く。まずは昼飯。


宇治は茶処。

 府道沿いに伊藤久右衛門(本店)という店がある。宇治の観光中心街から500m以上離れており、しかも平日だから混んではいないだろうと選んだが駐車場は満車で駐車待ちのクルマ多数。とはいえバイクだから店の前の空いたスペースにちょいとバイクを停めて店内へ。食事処前には10数名後の順番待ちだったが20分ほどで着席する。あの醍醐寺のオバちゃんたちだったらどんな行動をとるだろうか、、、思い出してしまった。


温かい茶蕎麦。 茶蕎麦のざる。(共に577円)


 カミさんは温かい茶蕎麦を、私はざるの茶蕎麦を注文。腹が減っていたために、ほんの30秒(感覚的に)でススッと食ってしまったので、それが旨かったかどうかは忘れてしまった。
 で、食い終わってさっさと外に出る、なんてことはぜったいない。ここ宇治は“抹茶パフェ”が有名なのだ。それを食わずして何のために宇治に来たのか分からないからである。


二人とも宇治抹茶パフェを注文。 私は“わらび餅”付のセット。


 私は幼い頃からの甘味好きで、その頃はめったに食えるわけではなく、特にパフェは憧れだった、希望だった、夢だった。あのダ円形をした皿に盛り付けられていた“プリンアラモード”が目の前にあろうものなら「世界一の幸せ者」だったように記憶している。
 だいぶ時が過ぎ、現在プリンアラモードに興味は薄れ、代わりに抹茶パフェやクリームあんみつ、わらび餅が好物となる。大人になると“和”の方向に進むものなのだろう。
 おっと、肝心のここで食った抹茶パフェの感想をお伝えしなければ・・・案外あっさりした味。もうちょっと抹茶のあと味がノド越しに残っていたらよかったかな。カミさんも同じような感想だった。

 宇治はいたるところに甘味処があるので、いずれ食べ比べてみようと思う。





宇治川。

 茶蕎麦とパフェがほどよく腹に納まったところで平等院へと向かう。が、駐輪場にアテがないので、適当に進路をとる。

すぐ先の宇治川を渡って左が平等院。

人通りの少ない桜並木を先へ進む。

歩行者専用の橋を渡る。


しかし宇治橋を渡らずに左折してみる。

平等院の対岸にほどよいバイク置き場?が。

宇治川の水量は多く、流れも速い。


 平等院の裏手に駐車場があるのは知っていた。しかし二輪用があるかどうかは定かでない。ならばと宇治川を渡らず道を曲がれば、ちょうど平等院の対岸にあたるところにほどよい空き地があり、数台のバイクとチャリンコが停まっていたので我らもそこに。そして目の前には歩行者専用の橋があり、平等院まですぐ、という立地のよい駐輪場?である。

 一つ目の橋を渡れば宇治川の中州があり、満開に近い桜が美しい。午前中の醍醐寺とはちがい、人がさほど多いわけでなく、まったりとした花見ができる。橋の上で座っていたワンちゃんの表情も、なんだか笑顔に見えるのは気のせいか。。。


中州の平等院側では、花見の舟がゆったりと進んでゆく。





修学旅行以来の平等院。

平等院の拝観料は600円である。




 私の中学校卒業アルバムによれば、平等院には修学旅行で訪れている。だがまったく記憶にない。まあその頃の私のようなガキは、寺社仏閣に興味あるわけがなく、おそらくはセーラー服の可愛い子ばかりを見ていたからであろう。(皆さんも同じか)
 さてあらためて見学する世界遺産の平等院。1053年に建てられた鳳凰堂(ほうおうどう)と大きな池のある庭は実に優雅ですなあ。10円玉の絵柄に起用されただけのことはある。
 鳳凰堂の奥には2001年に作られた“平等院ミュージアム鳳凰館”がある。入ってみれば、それはそれは見事な数々の国宝が展示されている。近代的な建物の中、その国宝の展示物が美しくライティングされ、見る者を圧倒する。なかでも“木造雲中供養菩薩像”という、筋斗雲(きんとうん)に乗った孫悟空ならぬ菩薩像は圧巻。


10円玉と鳳凰堂。だれでも撮りそうな写真ですな。 屋根の左右にある鳳凰は、1万円札の絵柄。



 さらに拝観料300円を支払い、鳳凰堂内部を見学する。建物自体が国宝なので、時間を区切った人数制限制である。
 さきほど平等院ミュージアム鳳凰館で見た“木造雲中供養菩薩像”が鳳凰堂中心部の高い壁に飛んで?いた。いやはや千年ほど前のその粋な作り、お見事というしか言葉がない。
 しかし、、、その入り口の大きな木の扉に、、、落書き発見。 仏像の目の前に自分の苗字なんて書きやがって、馬鹿がぁ! 国宝になんてことしやがるんだぁ、このクソ大馬鹿野郎めがぁ! と、自分の持ち物ではないが、けっこう腹が立ったのである。 





















鳳凰堂の屋根の上の“鳳凰”である。







参道でまったり。

 平等院を出ると数百メートルの参道があり、宇治茶がらみの店が立ち並んでいる。こういった道をぷらぷら歩くのもよいものである。
 初めは左右の店を覗いてみたが、周りの観光客を見ると何か食い歩きしているのに気づく。抹茶ソフトクリームだ。・・・スイーツその2、やっぱ食わなきゃいかんだろう、と中村藤吉 平等院店に。
 それにしても昼の伊藤久右衛門といい中村藤吉といい、京都は創業者のフルネーム社名が多い。これ、歴史の重みを感じていいですな。“ペアスロープ”という社名のなんと軽いことか。

中村藤吉平等院店で“うじきんソフト”350円を。
白玉とアンコの中央に抹茶ソフトクリーム。

 では“うじきんソフト”の感想・・・ソフトクリームは抹茶の味が口の中に漂い、ノド越しにも残る。直後に白玉とアンコを同時にほうばる。わずかに残った口の中の抹茶味が絶妙なスパイスとなって、幸せを感じる350円である。


さらに買い物を続けるカミさん。関東では聞いたことのない“冷し飴”である。 私はキュウリとナスのヌカ漬をチョイス。甘いものばかりだったので急に食いたくなった。


紫式部・・・だそうな。




 我らはまたさらに団子や饅頭を買い、京都伏見店に戻るべくバイク置き場へと歩いた。
 これで今日午後の宇治巡りは終えた。といっても平等院を堪能しただけである。宇治には宇治上神社(世界遺産)もあるし、源氏物語ミュージアムってのもある。それに加えて甘味処はまだまだ豊富にある。また訪れる価値はありそうだ。。。




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