|
文:三橋弘行 写真:坂上修造 取材日:2015年7月6・7日
[ モーターサイクリスト誌連載 第10湯 ]
|
|
|
|
|
福島県から山形県へと向かう国道13号と別れ、県道を経て山道を標高を上げながらグングン進む。その道はマイクロバスが曲がり切れない急カーブ、そして急勾配の連続、初心者の大型バイクやスーパースポーツなら苦戦するだろう。その行き止まりに姥湯温泉がある。
写真は宿の手前、谷の中央やや右上にポツンと建物が見える。よくもまあ、こんな山奥で温泉を見つけたものだ。そして古くは道なき道を湯治客がたくさん訪れていたのだから驚きだ・・・その魅力ある湯を求めて、現在も。 |
|
|
クルマも、馬車ですら通れぬ道がなかった頃は、奥羽本線の最寄り駅から、食材等を運ぶ人たちがいたそうだ。
桝形屋の食事は、もちろん山の幸。地元の食材を多く使っている。シンプルだが、その味付けにはセンスあり。山奥の温泉宿に来てるんだなあ、という満足感もあり。
|
こういうのを「露天風呂」というのだろう。山の斜面から湧き出る温泉を、石でせき止めたような湯船は野手満天、かつ豪快。そしてその湯に浸かれば、ペーハー2.5という強酸性でカラダはキリッとしてシャキッ、身も心も癒やされる。・・・その昔、ここまでの山道を苦労して歩き、浸かりに来ていた人々の気持ちも分かる。 |
[ 姥湯温泉の湯] |
|
|
単純酸性硫黄温泉 ペーハー2.5 酸性
源泉1ヶ所 51℃ わずかに硫化水素臭漂う
青みある白濁色、コバルトブルー系と日によって変化
加温なし、加水なし、源泉掛け流し
湧出量320リットル/分 自家源泉
浴槽:内湯x2(男女別) 露天風呂x3(混浴+女性専用) |
|
|
宿までの道のりはスリルがあり、大自然を満喫できる。そしてこれぞ秘湯といえる露天風呂は素晴らしいのひと言。ドコモ以外はケイタイ不通。
料金はひとり1万3542円〜(2名1室諸税込。※1名泊要相談)。全13室。冬期は休業。
日帰り入浴は税込600円(9:30〜15:30)。 |
|
|
開湯1533年と伝えられる桝形屋の18代目主人が言う、「厳しい環境と付き合うのは大変ですが、そんな自然をお客さんに楽しんでもらうのに、我々がどこまで踏ん張れるか、でしょうね・・・」。
歴史ある温泉宿の主人だ。少々近寄りがたいだろうと思っていたら、意外にも柔らかい人柄で、安心して話を伺えた。 |
|
|
露天風呂好きなら、ここは訪れておかなきゃならんでしょうね。なかなかありませんよ、この自然環境の中で浸かれるのは。でも道中は気をつけて。。。
|
姥湯温泉 桝形屋 公式HP >> |
さて、主人が薦める次の宿は |
・・・栃木県 塩原温泉元湯 大出館 おおいでかん |
|
|