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文:三橋弘行 写真:坂上修造 取材日:2014年11月5・6日
[ モーターサイクリスト誌連載 第4湯 ]
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富士川沿いの国道から県道に入り、およそ40分少々で白根館。その間、信号は学校の前に一つしかない。しかも押しボタン式だから、登下校時以外はノンストップといえる。渓谷が続く景色は良く、宿に着く前から癒やされてしまうだろう。
写真は宿の部屋からの眺め。目の前にあるのは清流と山々、ほかには何もない奈良田の小さな集落。なんたって、この早川町は全国で最も人口が少ない町だから。
しかしここには素晴らしい自然のオモテナシがある。十分過ぎるほどの。。。 |
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山の中にある宿の食事は、どこも似ているのだが、ここはちょっと違う。
メイン食材は宿の主人が銃で捕らえた山の幸。鹿肉、時にはイノシシや熊肉もあるという。
川魚にもひと工夫あり。アメ色に輝いたニジマスの燻製だ。これがまた旨い。そして酒はもちろんイワナの骨酒だ。
・・・嗚呼、ニッポンの山の料理も、捨てたもんじゃあございません。 |
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主人の猟犬、天然記念物の甲斐犬(かいけん)である。これは1歳の「クッキー」、甘ったるい名前だが、精悍な顔つき。 |
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この湯に、泉質がどうのこうのの説明は不要だろう。とにかく気持ちがよい。あえて感覚を表現するなら「トロリン〜ンとしてツルッ」、これほどの湯は、そう簡単には行き当たりませんな。人生あるうちに浸かっておかなければ「損」します・・・ほんと。
[でもちょっと追加解説] 季節によって湯の色が変わる。ブルー系、白濁、透明と。さらに日によっても変化する。今日と明日は違うという感じ。なので、日帰り入浴より、宿泊がぜったいお薦め。 |
[ 白根館の湯] |
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泉質:含硫黄-ナトリウム-塩化物泉
源泉本数:1本 掘削ポンプ式(ダムによる移転前は自然湧出)
湧出湯温:約50℃ ペーハー8.5 アルカリ性
無色or有色透明etc 硫化水素臭(いわゆる硫黄臭)あり
湧出量:63〜70リットル以上/分 自家源泉
加温・加水なし 源泉掛け流し 飲泉あり
浴室:内湯x2、露天x2 (共に男女別) |
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設備に多くを望む必要がない。ここには感動すら覚える素晴らしい湯、そして自然がある。家庭的で身も心も温まる宿である。
料金は一人¥12,570〜16,890(2名1室諸税込)とタイプ別。(3泊以上の湯治宿泊は¥99,870)
客室:13
※2020年現在、宿泊は休止中
日帰り入浴:¥1000 (13:00〜17:00) |
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“日本源泉湯宿を守る会”の会長である主人、温泉話には嬉しそうに笑顔で応える温厚なお人柄だ。しかしこの主人が猟犬を伴い、銃をもって狩猟に出かけるその姿は別人のよう。どちらもお客に対するオモテナシに違いはないが。 |
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[追伸]
白根館サイトでは「団体様のご利用はご遠慮願っております」と書かれているが、例外中の例外で、温泉好きのバイク乗りの為に宿貸切を行った。そして夕食後の主人と筆者の温泉トークライブは、誌面でもサイトでも書けない裏話
。参加した皆さまは、さぞ「徳」をしたことでしょう。 |
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当館のホームページのビジュアルはショボい。しかしそれにだまされてはいけない。真実は、、、浸かれば分かる。
※2020年現在、残念ながら宿泊は休止中
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白根館 公式HP >> |
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さて、
主人が薦める次の宿は・・・福島県 大丸あすなろ荘 |
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