文:三橋弘行 写真:坂上修造 取材日:2015年6月3〜5日
[ モーターサイクリスト誌連載 第8湯 ]




東京方面からなら関越自動車道の月夜野インターを降り、国道17号を新潟県に向かって走り、県道261号線に道を変えて、その行き止まりにあるのが長寿館、自然豊かな一軒宿である。
それぞれの建物は風情があり、特に明治時代に建てられた趣きのある棟には、数多くの文豪が好んで泊まりに来ていたようだ。立寄り入浴も可能だが、ここには小説の1冊でも持参して、読み終えたい・・・そんな静かな宿である。もちろん温泉も感動的。



写真はその前菜的な料理。そのほかにも限りなく地元食材を使った夕食は、肉あり魚あり山菜あり(秋はキノコ)で、日本酒との相性もバツグンだ。その上、酒の種類も豊富にあるものだから、おかげでグイグイと進む。(その晩は宿の主人とガンガン飲んで、まったく取材にならず反省)
宿泊の楽しみは食事もその一つだが、筆者の場合は酒に合う料理かどうか。この宿の夕食・・・合うのですよ!






なんといっても築100年を越えた法師乃湯(左写真)が素晴らしい。湯船の足元から湧き出る湯(足元湧出)が、それはそれは気持ちがいいのだ。ほかにも大きな内湯と露天風呂があり(宿泊者用)、温泉ファンには堪えられない。
※法師乃湯は混浴(宿泊では女性タイムあり)。

[ 法師温泉の湯]
法師乃湯/長寿乃湯:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 42.2℃
加温・加水なし 足元湧出 (長寿乃湯は季節で加温の場合あり)
無色透明ほぼ無味無臭 ペーハー8.4 弱アルカリ性
玉城乃湯(内湯):上記カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉と単純温泉(27.8℃)の混合湯 加温あり・加水なし 無色透明ほぼ無味無臭 ペーハー8.3〜8.4 弱アルカリ性
玉城乃湯(露天):単純温泉(27.8℃) 加温あり・加水なし 無色透明ほぼ無味無臭 ペーハー8.3〜8.4 弱アルカリ性
湧出量 合計433リットル/分 源泉掛け流し 自家源泉
※玉城乃湯は湯温保持のための循環加温あり

法師乃湯:混浴/宿泊は女性タイムあり
長寿乃湯:立寄り入浴時間は女性タイム
玉城乃湯:男女交代制(宿泊者用)



人気の湯なので土・休日の立ち寄り入浴は混雑覚悟。やはり宿泊してゆったりと湯に浸かりたい。できれば小説持参を。
料金はひとり1万6350円〜3万390円(2名1室の場合、諸税込)。全33室。
日帰り入浴は税込1000円(10:30〜13:30 ※水曜休、他に不定休)



毎月、モーターサイクリスト誌が発売されるたびに、「今回もいいねえ!」「写真が素晴らしい!」「面白い文章だねえ!」と筆者に電話を掛けてくれる宿の主人である。取材中、いつも笑顔で質問に応えてもらい感謝。今度は仕事抜きで、小説を持って、泊まりに行きたいものだ。
なお以前、法師乃湯は国鉄(JRの前身)の「フルムーン」CMでおなじみ。近年は邦画「テルマエロマエ」の舞台にもなっていた・・・それほど魅力的な湯である。



法師温泉長寿館は「日本秘湯を守る会」の初代会長の宿で、会のシンボルであるチョウチンは、宿の火を灯しつづける、という意味があるそうだ。その火が、この宿の囲炉裏からだと、次の会長である「大丸あすなろ荘」の主人から聞いた。その囲炉裏で沸かした湯のお茶が・・・美味かった。


法師温泉 長寿館 公式HP >>

さて、
主人が薦める次の宿は・・・秋田県
鶴の湯温泉


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