文:三橋弘行 写真:坂上修造 取材日:2016年4月5・6日
[ モーターサイクリスト誌連載 2016年 6月号]



温泉旅館と温泉ソムリエ協会、その二足のわらじを履く遠間氏。とはいえどちらも温泉の仕事に変わりはないが。
遠間旅館に着いてまもなく、打ち合わせを始める・・・ビールから始まり、日本酒をたっぷりと補給しながら。
そんな酒を交わしながらお願いしたことは、、、

 ・筆者の誌面の監修をしていただくこと。
 ・どこのどんな温泉を巡るか、いっしょに考えていただくこと。
 ・誌面の巻末で遠間氏nにコメントを書いていただくこと。

以上、あつかましいお願いに了承をいただいたのである。

温泉にはさまざまな種類がある。筆者なりに分ければ、「にごり湯と透明な湯」「美人美肌の湯」「酸性・中性・アルカリ性」「泉質名別」「建築と温泉」・・・そして「魅惑の混浴」や「特徴あるキャラクターを持つ主人の宿」なんてのも。
その中から選んだのが「にごり湯」。まずは色でインパクトを与えようという寸法である。
 ・・・とはいえ、遠間旅館の湯は無色透明だけど。




赤倉温泉には隣接した複数のスキー場がある。冬から早春まで、温泉とスキーを同時に楽しめるのだ。また、近くには乳白系の燕温泉や茶褐色の関温泉があり、温泉巡りも楽しい。
遠間旅館は、赤倉温泉街のほぼ真ん中にある小規模な宿。ここを基点に日本海側を走るも良し、長野県や新潟県のワインディングを楽しむも良し。温泉に浸かって、癒やしの旅ができるにちがいない。
(写真は遠間旅館の部屋からの妙高山)




赤倉温泉は長野県との県境近くにある高原の地。なので山の幸ばかりと思ったら、海の幸もあり。ここは新潟県なのだ、日本海まで約1時間という距離なのだ。
一般的に宿の料理のレベルは、宿泊料金に比例する。高ければ高額な食材となるわけだ。
しかし筆者はそんな味を望まない。やはりその地の旬な食材がなによりの御馳走だ。遠間旅館は地元の食材を活かした家族でまかなう料理。これが温泉とともに癒やされるのだ。




宿の主人(温泉ソムリエ家元)と内湯に浸かる。主人と、というのはそうあるものではない。過去には熊本県の「湯楽亭」だけだ(コミカルでありながら芯の強い主人)。湯に浸かりながらも、ず〜っと温泉話がつづく。
なお、遠間旅館は男女別の内風呂のみ。露天風呂にはこだわらない、という考え方があるようだ。まあ、どうしても露天風呂に浸かりたいのなら、歩いて5分の赤倉温泉日帰り入浴施設「滝の湯」に行けばよいのだ。

[ 遠間旅館の湯]
カルシウム・マグネシウム・ナトリウム−硫酸塩・炭酸水素塩温泉
「硫酸塩泉」と「炭酸水素塩泉」の混合泉
ペーハー6.6 中性 無色透明 
源泉温度50.2℃ 湯船温度 42℃赤倉温泉湧出量3400リットル/分より分湯 自然湧出自噴
加温なし加水なし 源泉掛け流し
浴室:内風呂2
取材日:2016年4月5・6日




[温泉ソムリエセミナー]
遠間旅館の主人としてではなく、温泉ソムリエの家元としてセミナーの講師を務めているのが遠間氏。受講者は2016年春で1万人を超えた。その楽しくて知的な講習を終えれば温泉ソムリエの講習認定証をもらえるが、「温泉ソムリエ」と名のるには、渡された難しいテキストを全て習得する覚悟がいる。化学用語、豊富にあり。

温泉ソムリエ協会公式サイト >>




家族で営む旅館。その建物は一般的だが、主人が普通ではないのがお分かりいただけたであろう。遠間氏は温泉ソムリエセミナー等で不在がちだが、おられたならラッキー。バイクは2〜3台なら宿の前、それ以上は駐車場に。

料金はひとり1万950円〜1万6350円(2名1室諸税込)。平日は1名宿泊可。全9室。日帰り入浴プラン3290円より(食事付・諸税込・予約制)

温泉ソムリエセミナーで全国を巡る家元の遠間氏だが、それが温泉地ならば、時間の余裕がある限り、その地の温泉を巡り、そして浸かる。それは自らの勉強でもあるだろうが、いやいや、とことん好きなんでしょうねえ、温泉が。

遠間旅館 公式HP >>

さて、「にごり湯編」の1湯目は・・・

 長野県の 
エメラルドグリーン !


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