にごり湯の中で、黄褐色の湯は少数派だが全国には点在する。それらは温泉施設によって赤湯とも黄金色とも言われている。そもそも源泉は無色透明なのだが、鉄分を含む成分が酸化されてそのような色に変色されるのだ。
そんな黄褐色でも、天狗温泉の湯の色は際立っている。全国でもこのような鮮やかなオレンジ色は他にないような気がする。
なお、この湯船は完全な源泉かけ流しではない。いや、かけ流しにできない理由がある。温泉成分の沈殿物が湯船にたまることで、循環してかき回さなければならないのだ、と聞く。それを別な言い方をすれば、「源泉かけ流してかき回し温泉」とでも言おうか。
また、活火山の浅間山が隣りにあるのに、湯温8.4℃という冷鉱泉なのが不思議だ。高温のマグマが近いのに。
いずれにせよ、カラダに良い泉質であることは間違いなく、浸かって気持ちいい温泉である。 |