文:三橋弘行 写真:坂上修造 取材日:2015年12月2・4日
[ モーターサイクリスト誌連載 2016年 3月号]





 JR山手線の目黒から東急目黒線で二つ目に武蔵小山駅がある。全長約800mという長いアーケードの武蔵小山商店街は東京ではよく知られている。その近くにあるのが清水湯だ。温泉とはいえ銭湯なので・・・460円!(2017年現在)なのだ。

弊社ペアスロープからバイクで6〜7分にある清水湯なのだから、すぐに行って、ひとっ風呂、とゆきたいところだが、この銭湯は良いか悪いかひじょ〜に人気があり、曜日と時間帯によっては原付1台も止めることができないし、当然、湯船も混んでいる。ではいつ頃がよいのか・・・あとでお伝えしよう。


「昔ながらの銭湯」ではない清水湯。







東京の銭湯と言えば、古い木造建築で、湯船の上には富士山のペンキ絵を思い浮かぶが、清水湯はご覧のようにまったく違う。それは浴室だけでなく、湯も。
黒褐色の黒湯、そして黄褐色の黄金の湯のほうは、なんと源泉掛け流しなのだ。しかも温泉の濃さを表す溶存物質量は18,610mg・・・といってもピンとこないだろうから、全国に多い単純温泉との比較をすれば、その数値は18倍以上! (単純温泉は1,000mg未満だが、温泉として優劣をつける数字ではない。豊富な物質量は、個人的にはマニアックな湯といった感覚かな)
また、別料金400円でサウナもあり。そして女性専用ではあるが、入浴料込み1350円で岩盤浴ルームもある。

[ 清水湯の湯]
黒湯……重炭酸ソーダ泉
 ペーハー8.3 弱アルカリ性 琥珀色
 源泉温度18.6℃ 加温あり加水なし
 湧出量10トン/日 掘削動力ポンプ式
 源泉掛け流し循環ろ過併用 自家源泉
黄金の湯……ナトリウム−塩化物強塩温泉
 ペーハー7.8 弱アルカリ性 薄めの黄土色
 源泉温度38℃ 加温あり加水なし
 湧出量260リットル/分(資源保護のため湧出制御)
 源泉掛け流し 自家源泉
浴室:内風呂2、半露天風呂2(各男女別)
取材日:2015年12月2・4日




風呂上がりのコーヒー牛乳は銭湯の定番と言える。かしかし、、、編集部のオガワ君は電車で来たから生ビールだ。本物の温泉玉子をツマミにして、さぞ美味かったであろう。清水湯には、さまざまな飲料、そしてツマミがあり、入浴料を含めても千円札一枚で楽しめる。また、二階には休憩室もあり。





清水湯の3代目主人である。
モーターサイクリスト誌面の原稿を書くために主人をいろいろと調べさせていただくと、今までに波乱の人生を歩んでおり、それは自伝的な小説「俺の銭湯」で書かれている。今ある立派な銭湯「清水湯」は、なりゆきでできたわけではないことがわかる。
ところで初めてお会いした時から「カッコいい男だ」と思っていた。そして2度の銭湯貸切り取材をさせていただいたあと、こうお願いした。
「ペアスロープの革ジャンモデルになってくれませんか?」と。
これはダメモトではなかった。本気でお願いすることに対して、主人は断るような人ではない、と彼の文章から感じ取っていた。

・・・そして撮影をさせていただいた。やはり私の目にくるいはなかった。以下は弊社2016年カタログ用の写真、いい表情してますなあ。






































大人気の銭湯なので、癒やされたいなら平日がお勧め。12時ジャストに入ればゆったりできよう。土・日・祝日は混むが、開店直後か夜遅め、または雨の日が比較的空いている。
駐車場・駐輪場はあるが、大型バイクは遠慮しよう。電車がベスト。

入浴料は460円(2017年現在)。サウナ400円、岩盤浴1350円(女性専用・入浴料含む)。
手ぶらセット120円、飲み物も豊富。
12:00〜24:00(日曜は8:00〜24:00)
平日月曜定休

武蔵小山温泉 清水湯 公式HP >>

次回は、「建築編」・・・


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