2024年6月14日 送信

戦国時代の武器の主流は弓・槍・刀であった。しかし織田信長は1543年に伝わった種子島(鉄砲)を駆使し、数々の戦果を挙げている。当時の火縄式の種子島に対して、頑丈に作ったはずの「鎧」で防御できたかどうかは定かでない。


 ヒョウドウプロダクツ本社会議室にて、全日本ロードレース最高峰クラス「JSB 1000」のレーシングライダー、関口太郎選手が登場。彼はHYODレーシングスーツの契約ライダーなのだからヒョウドウ陣営の助っ人にほかならず、もう言うまでもなくエアブーストに対するだ大賛成派だろう。なんといってもサーキットという戦場での実戦(転倒?)経験が豊富なのだから。
 さて、関口氏から話を聞いてみよう。なにかボロがでてくるかもしれない、かな?




語るレーシングライダー

 静かな会議室で一人笑顔の関口氏。どんな質問でも答えま〜〜〜す、といった表情で、初対面にも関わらずなんだか余裕しゃくしゃくである。下手な質問をすれば返り討ちに合うやもしれないので、ここは慎重に話を進めてみよう。
 本題に入る前に、氏の出身地を尋ねた、、、
「なんですと〜、東京都の府中ですと〜!」。府中と言えば幕末に名を上げた新選組の近藤勇や土方歳三(ひじかたとしぞう)の故郷でもある。ちなみに私は新選組に関心はないが、土方歳三という男の生き方に感動を覚える。義を重んじ、誠の武士として函館で世を去ったのである。

旧幕府軍の最後の砦、函館五稜郭


土方歳三、イケメンである:五稜郭タワーにて


新選組とは何ら関係ないが、レース前の関口選手……真剣な表情である。


こ、こんなに寝かせるんだ……あ然!























 世界最高峰の二輪レース“Moto GP”では2018年からレーシングスーツのエアバッグ装着が義務化されていた。そして日本国内のレースでも義務化は徐々に進められている。そんな中で関口氏はエアバックベストを装着しているのだが、、、。

 そこで私と八重洲出版の五十嵐氏が敵陣の城内(会議室だが)で容赦なく質問をぶつける。
「率直にお聞きします。関口さん、エアバッグって、うっとうしくない?」
関口選手:「どのライダーも同じ思いだけど、コンマ1秒でも速く走りたいわけで、それには少しでも軽快なスーツがいいわけで、、、」
「ということは、うっとうしいと」
関口選手:「そうなんですよ、最初は邪魔!な思いでした。 でもですよ、通常なら大ケガしてるだろう転倒でも無事でした。それを経験するとエアバッグを装着しないほうが怖い。こないだも転けたけど、胸も背中も無事。ところが自分のヒジが脇のあばら骨に当たって損傷。脇だけは防御できないようですぅ」
「自分で自分にヒジ打ちってわけですな。それにしてもよく転けるんですねえ(笑)」
関口選手:「安心感で、より攻めちゃうのかなあ……(笑)」
(新選組のように)

 通常のエアバッグベストは1回の膨張でメンテナンスに出さなければならないが、HYOD製のは5回まで自分で交換が可能。なので5回は転けられるが、、、。

「ところで何度もサーキットで転けてるでしょうが、エアバッグはちゃんと機能してますか? ……正直にお答えをねっ」
関口選手:「4〜5年前は不安ありましたよ。でも凄いんですよ、転けるとちゃんと瞬時に膨らむんですよ。それとですね、立ち転け程度で膨らまないのも凄い!」
レーサーも立ち転けするんだ!、、、?
関口選手:「ついうっかり(笑)。ついでに話せば、コースアウトしてグリーン(砂利や砂の場合も)に低速で突っ込んで、お〜っとっとでバッタンと転んでも膨らまないんですよ。」

 HYODエアブーストの機能性は分かったような気がする。なんといっても複数の転倒の実体験をされているのだから説得力がある。しかし気になる点がもう一つあるわけで、、、。

「多少うっとうしいとしても安全性に関しては分かりました。でもねえ、夏は暑いでしょう。耐えられますかぁ?」
関口選手:「正直、暑いです。ここだけの話だけど(会議室には大勢のスタッフはいるが)、数年前の鈴鹿の8時間耐久レースで、練習走行ではエアバッグを着けて走るんですが、決勝では外してたんですよ(笑)。分かりますよね、夏の鈴鹿の暑さ。でも今はどのレースでもエアバッグを着けてます。暑さより安心安全!ですよ」

 やはり暑さは我慢、安全性が優先だろう。レース中の緊張感で暑さは忘れてしまうのかもしれないし。
 では今までに「転けた」「転倒」「転んだ」と失礼ながら何度も書いているが、実際にサーキットでどんな転び方をしているのか、みなさまに動画を見て頂こう。

主役:転倒者 関口太郎氏
 しかしですなあ、あんなハイサイド転倒で、すぐに立ち上がってバイクを気にしてる、、、な〜んて、プロですなあ。。。



関口選手:豪快な転倒シーン
※サーキット内の写真と動画提供:敵 (じゃなくてヒョウドウプロダクツさん)


HYOD エアブーストはアプリで「ストリート(ツーリング)」「トラック(サーキット)」「アドベンチャー(オフロード)を選択する」。レースではもちろん「トラック」である。


インフレーター(ガスボンベ)はエアバッグの膨張後、自分で交換が可能。5回まで交換ができるので、1日に5回転けても復帰できるが、サーキットにせよツーリングにせよ、5回も転けたら、バイクは無事ではなかろう。手足も。
なお、「夏は汗臭くなるんじゃないの?」と担当者に聞いたら、このエアブーストは洗えるそうでなにより。



笑みを浮かべる担当責任者のK氏と関口選手。それにしてもHYOD製品には多くの自社キャップがあるのに、どうしてノースフェイスをかぶってるのだろうか、K君!……あとで社長に叱られるにちがいない。


 なかなかボロがでませんな、関口氏の口から。それ以上に、「してやったり!」と勝ち誇ったような笑顔の担当K氏と関口氏の表情はいったいなんだ。
 確かにHYODエアブーストの安全性能は理解できた(ような気がする)。しかしそれは強力な助っ人、レーシングライダー関口選手による実体験の話と、氏の転倒動画まで見せるといった、敵陣がいささか卑劣な戦法を使ったから。いや、卑劣ではないだろう。勝ったレースや表彰台での名誉ある写真は一つもなく、本来は言いたくはない、見せたくもない、転倒のことばかりを取り上げているのだから、むしろアッパレだ。関口さんのようなレーシングライダーがおられたから、HYODエアブーストの開発が成り立った……といっても過言ではなかろう。今後も氏を大事にしてくださいよ、ヒョウドウさん!

 ……と感心ばかりしている場合ではない。今回の話はサーキットでのこと。安全性は分かるが、ツーリングに置き換えたらどうなんだろうか。着用感は? 違和感は?

 さてさて、どう評価してよいのやら。私はエアブースト装着の革ジャンを着たのは本年(2024年)の1月と4月、2回ある。1回目は装着してちょこっとだけバイクで走った。2回目は瞬間膨張も経験した。しかし転倒しての膨張は経験していない。いやいや、経験などしたくはないが、、、。





[ご案内] HYODエアブーストは2024年6月、HYODショップで発売されました。やはり好評で、早々に在庫は少なくなっているようです。
第4話までで、写真や動画を入れて敵のヨロイをご紹介しましたが、でもしか〜し、、、
ペアスロープの店舗で「実物を見たい」「試着したい」「瞬間膨張を見たい」「興味がある」「購入したいかも」と思う方がおられましたら、下記にメールをお送りください。
ご希望人数によっては、エアブーストに詳しい敵の兵(ヒョウドウさんとこのスタッフ氏)を、我が城(本店・京都伏見店)に招いて、皆さまにじかにご案内することができるかもしれません。
※メール件名に エアバッグ とご記載ください
(開催可能な場合、イベント日をこのコラムサイトのメニューページでお知らせします)
第4話 おしまい







敵陣の会議室での熱い戦いはひとまず終えた。しゃべりすぎて「のどが渇いた」「アルコールが呼んでいる」「さてビールだ、生ビールだ(ワイワイ)」、、、ということで敵の大将と家臣を交えて居酒屋に移動。
飲めば敵対心など薄れて世間話。「僕のオヤジはペアスロープさんの革ジャン着てんですよぉ、ハハッ」と言う敵の若い兵。「そりゃあデキのよい革ジャンですからねえ、ではあなたもペアスロープ製を買って?」、「いやウチ(HYOD)にもローマンブラックというイイ革ジャンがありますからぁ」、「あっそう、じゃあ今度は革ジャン勝負! だね」、、、こんな具合で酒が進むわけでして。
・・・戦国の世でも戦い終わればビール?で乾杯! ヨロイをつけてカタナ差して、、、ほんとかいな


[第5話は、、、夏休み >>]


<< メニューページに戻る




shop products touring blog