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世界最高峰の二輪レース“Moto GP”では2018年からレーシングスーツのエアバッグ装着が義務化されていた。そして日本国内のレースでも義務化は徐々に進められている。そんな中で関口氏はエアバックベストを装着しているのだが、、、。
そこで私と八重洲出版の五十嵐氏が敵陣の城内(会議室だが)で容赦なく質問をぶつける。
「率直にお聞きします。関口さん、エアバッグって、うっとうしくない?」
関口選手:「どのライダーも同じ思いだけど、コンマ1秒でも速く走りたいわけで、それには少しでも軽快なスーツがいいわけで、、、」
「ということは、うっとうしいと」
関口選手:「そうなんですよ、最初は邪魔!な思いでした。 でもですよ、通常なら大ケガしてるだろう転倒でも無事でした。それを経験するとエアバッグを装着しないほうが怖い。こないだも転けたけど、胸も背中も無事。ところが自分のヒジが脇のあばら骨に当たって損傷。脇だけは防御できないようですぅ」
「自分で自分にヒジ打ちってわけですな。それにしてもよく転けるんですねえ(笑)」
関口選手:「安心感で、より攻めちゃうのかなあ……(笑)」
(新選組のように)
通常のエアバッグベストは1回の膨張でメンテナンスに出さなければならないが、HYOD製のは5回まで自分で交換が可能。なので5回は転けられるが、、、。
「ところで何度もサーキットで転けてるでしょうが、エアバッグはちゃんと機能してますか? ……正直にお答えをねっ」
関口選手:「4〜5年前は不安ありましたよ。でも凄いんですよ、転けるとちゃんと瞬時に膨らむんですよ。それとですね、立ち転け程度で膨らまないのも凄い!」
「レーサーも立ち転けするんだ!、、、?」
関口選手:「ついうっかり(笑)。ついでに話せば、コースアウトしてグリーン(砂利や砂の場合も)に低速で突っ込んで、お〜っとっとでバッタンと転んでも膨らまないんですよ。」
HYODエアブーストの機能性は分かったような気がする。なんといっても複数の転倒の実体験をされているのだから説得力がある。しかし気になる点がもう一つあるわけで、、、。
「多少うっとうしいとしても安全性に関しては分かりました。でもねえ、夏は暑いでしょう。耐えられますかぁ?」
関口選手:「正直、暑いです。ここだけの話だけど(会議室には大勢のスタッフはいるが)、数年前の鈴鹿の8時間耐久レースで、練習走行ではエアバッグを着けて走るんですが、決勝では外してたんですよ(笑)。分かりますよね、夏の鈴鹿の暑さ。でも今はどのレースでもエアバッグを着けてます。暑さより安心安全!ですよ」
やはり暑さは我慢、安全性が優先だろう。レース中の緊張感で暑さは忘れてしまうのかもしれないし。
では今までに「転けた」「転倒」「転んだ」と失礼ながら何度も書いているが、実際にサーキットでどんな転び方をしているのか、みなさまに動画を見て頂こう。
主役:転倒者 関口太郎氏
しかしですなあ、あんなハイサイド転倒で、すぐに立ち上がってバイクを気にしてる、、、な〜んて、プロですなあ。。。 |