なるほどぉ、なるほど花田さん! どぉ〜りで課長を連れて来たわけだぁ。神妙な顔つきで会話などなく、いつものような冷酷な、かつ冷静なるドでかい態度もまるでなし。今まで思っていた氏のイメージ“職人気質”はこの場で消えうせようとしていた。そしてなお、第一試作は見た目だけでなく、足入れ感覚もダメ。木型(靴型:立体の形を決める、靴にはもっとも重要な型)から根本的に考え直すことに。
しかしここで湯気を上げるわけにはゆかない。二輪業界では“ホトケのミツハシ”と呼ばれている私である(勝手にそう思っているだけだが)、すぐに頭を冷やして次の策を考える。もうその場で第二試作を打ち合わせる。このぶんだと第三試作までゆかないと、ある程度納得のゆくブーツにならないのかと不安もよぎる。
でもねえ、“ホトケの顔も三度まで”って言葉もあるのだよ、花田さんっ! |
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紙の靴?はR-01ファスナータイプのデザインサンプル。右は“リーガル”ブランドの市販品。第二試作に向けて思案中。 |
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