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鹿革って、「軽くて、柔軟で、美しくて、強くて・・・」本当にグローブ向きの良い素材だと思うのですが、グローブを作る作業は、実はいつも以上に大変なのです。それは、裁断前の「伸ばし」作業が大変だから・・・。時には指の皮がめくれることもあるほどです。
工房では、裁断前に徹底的に革を伸ばしていきます。タテにヨコに、時には体重をかけたりすることも。「伸ばし」の作業をしながら、革と対話していきます。強いところはどこなのか? どんな繊維の状態なのか? 当然生き物なので一頭一頭異なるわけです。
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一頭分の鹿革。上が頭で、下が尻。左右の出っ張っている部分が足。矢印が革の伸びる方向。革の上に置いているのは裁断用抜き型で片手分。手の左右に革が広がるよう、矢印に対して垂直に型を置き、抜いていく。 |
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鹿革の繊維にそって伸ばしていくことで、革の伸びが止まる所が出来てきます。こうなるまで「伸ばし」を続けます。
革の伸びの止まる方向を手の上下方向に、まだ伸びる方向を手の左右方向に裁断します。こうすることで、手をいれて拳を握ると革の繊維が「ぐにっ」と広がるようなグローブになるのです。仮に逆だと、手の甲がきついばかりか、指ばかり伸びるグローブになってしまいます。
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鹿屋島 |
革の繊維を読んでグローブを作るのは、基本中の基本なのですが、こんな「伸ばし」作業をして、グローブを作っているところは少数派になったのかもしれません。だって、革に裏地を貼ったり、いろんな革をつなぎあわせたら、もう革の伸びなんかあまり関係ないんだから・・・(ほら伸ばしてばかりじゃ、人件費もかかるでしょ)。
まだまだ、ウチは伝統的な作り方でグローブを作っていきます。
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