2014年3月1日 担当 屋島工房 尾原

10年ほど前から販売している馬鹿(うましか)グローブ。本体にしなやかな鹿革、アテ革に軽快で丈夫な馬革を使った人気モデルです。今回さらなる魅力向上のため、素材から見直す改良を施しました。新しくなったこの馬鹿を、ぜひお試し下さい。



 今回のマイナーチェンジで、見た目上変わったのが、この写真のアテ革。手の甲パッドのアテ革の楕円のくり抜き部分を大きくしました。
 これまで、馬革を拳部分に付けることで、使う方に安心感を与えていたパッドですが、本来の鹿革の柔軟な伸びを止めてしまうこともあり、手の甲回りが、標準サイズ以上の方になると、どうしても手を握ると、手の甲が突っ張った感じになったものです。

 楕円のくり抜きを大きくすることで、鹿革の伸びが広がり、指を曲げた時でもスムーズに屈曲できるようになりました。
 更に、ロングタイプは裾丈を延長し、ジャケットのカフスを覆いやすくしています。

 それと、最も変わったのが本体に使われる革素材。これまで北米産の鹿革を使っていたのですが、鹿革の産地を変更しました。新旧どちらも優劣のつけがたい素材なのですが、北米産はもともと野生の鹿であるために、需給バランスが悪く、安定した素材でグローブを作るのが困難になりつつあったからです。
 新しい素材は、「鹿屋島」で定評のニュージーランド産。しなやかでふんわりと包まれる感じは、これまで通りです。

 1.4ミリ厚で革漉きをし、さらにオイル分でふんわりとさせた、ニュージーランド生まれの鹿革を新採用しています。強靭さ、耐久性も牛革以上に仕上がっています。  

ロングタイプの手口部分は、2センチ弱延長しています。これにより、ジャケットのカフスを覆いやすくなっています。春・秋の風の冷たい時期、袖口からの不快な冷風の侵入を防いでくれます。

手を握った時に出てくる拳の圧力を、楕円のくり抜きが逃してくれます。操作性も従来モデルより向上しています。 

 馬鹿グローブは、その特徴的な馬革パッドに目がいきがちですが、元々は、外縫いグローブの弱点である擦過による糸切れ、つまり、万が一の時に手をつきがちな、小指や親指の縫製箇所を強靭な馬革で覆い強化することが企画のスタートだったのです。
 レーシングまでもいかないものの、よりスポーティーなバイクでも十分使えるモデルとして、人気のあったグローブですが、さらなるバージョンアップでその魅力が増したことと思います。

 見た目の美しい、馬革と鹿革のコンビネーションと、着けていることを忘れてしまうような操作性をぜひお試し下さい。

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