手袋づくりの多くの作業は、機械による自動化が困難な産業で、労働者の賃金が生産コストを大きく左右します。1980年代から始まった、工場の海外移転は、地場産業全体に影響を及ぼし、今ではほとんどの会社がほぼ100%海外にて生産するという事態になっています。当然、地元で働いていた職人は、「コストが見合わない」という理由で仕事が無くなり、転職や廃業を余儀なくされます。
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ミリ単位の精度が要求される縫製の世界。しかも均一ではない皮革を扱うのだから、とても自動化などはできるものではない仕事です。 |
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もし、仮に日本製でも海外製でも同じ材料であれば、全く同じ物ができるとするならば、それはわざわざコスト高の日本で作る意味は無いのですが、「本当に惚れ惚れするような手袋を作るなら、まだ実力差がある・・・」「誇るべき技術が地元には残っている・・・」というのが海外製・日本製の両方の手袋を見てきた僕の考えです。それゆえ、永年手袋づくりに携わってきたベテランが作る「純国産」のグローブを残す意味があるのだと思います。 |