サメ革グローブ???

 最近はいつも牛革と向き合って仕事をしているのですが、別に他の革が嫌いなわけではありません。いい素材だったら、いつでもグローブを仕立てる用意があります。
 これまでも鹿(ディア)、羊(シープ)、山羊(ゴート)、カンガルーなどを使ってグローブを作ったことがありますし(素材に適したパターンを使うことで、いずれも良いライディンググローブができます。)、今まさに工房では馬革のグローブを作っています(近々ご紹介できると思います)。
 特殊な革は、ハ虫類系(ヘビ)などをグローブの一部として使ったこともあります(これは工房の奥さんに嫌がられました)。

 で、最近出会ったのがサメ革。海の物だから水に強いでしょうし、触ってみると意外や、肉厚があって柔らかくて「手袋向き」。これは面白いかも・・・ということで早速グローブにしてみました。

小さい革なので、全面サメ革にするのはかなり困難です。ですから牛革とのコンビ使いになりました。両手で一匹分を使いました。

 手をはめてみても、床の感じ(裏側の毛)も滑らかで、個人的にも使ってみたくなるような出来になってしまいました。

 ところでサメ革というと、「サメ肌」という言葉があったり、ワサビのおろし金になったりというイメージがあるのですが、聞くところによるとこの硬い部分は、酸で落とされるそうで、それから他の革と同様に鞣されるようです。
 財布などの小さな物に使われることが多く、戦時中から牛革などの代用品として靴などに使われていたそうです。

たぶん日本近海のヨシキリザメと思われます。フカヒレや肝臓を使った後の副産物が革なのでしょう。網目状の凸凹が有ります。

 かくしてサンプルグローブは出来上がったのですが、いざ商品になるためには課題がいっぱいあります。ですから「ハイ売りましょう!」というわけにはいきません。
 でも、新しい素材を見つけてきてグローブを作ってみることは、とっても楽しい仕事です(良い物ができた時もそうでない時も)。




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