革製造の工場見学(その1)

 私たちの仕事には、革が欠かせません。
 四国手袋工房のグローブは、ほとんどの部分に革が大きく使われているので、革の仕上がり方如何(いかん)によって、製品のクオリティは大きく左右されてしまいます。
 それゆえ、良い皮革を仕入れることは、私たちの生命線なのです。

 革は香川県東かがわ市の対岸に位置する、兵庫県姫路市からやってきます。バイクで2時間程度の距離なので、二月に1回程度、打ち合わせを兼ねて工場にお邪魔しています。


工場のすぐ近くには世界文化遺産の国宝姫路城が・・・。
姫路に来るたびに、ここを見ていかないのは
もったいない・・・と、いつもお城の見える処で一服。

 いつも訪問している工房は、革の風合いや表面を整える最終仕上げの工房なのですが、今回は特別に仲間(ほぼ隣接する工場にて、原皮から革が作られていきます)の工房も訪問できるとの事。(一般の方に・・・いや、我々皮革を用いる製造業でも、皮革製造の過程を見れることは希でしょう。)


これが牛革の原料皮。毛も付いています。
たっぷりと塩がまぶされ、塩蔵状態で腐らない
ようにして、主に北米などから輸入されます。

 塩蔵された"皮"を水戻しし、石灰にて脱毛します。原料皮に付いた肉片や脂肪を取り除いた後、皮にクロム塩が加えられます。
 元々、皮は生物の一部なので、いずれバクテリアなどが繁殖して、腐ったり朽ちていくものなのですが、クロム塩はそれらの反応を抑え、皮のコラーゲン層に働き、皮の繊維構造を強化していきます。

 この行程を鞣(なめ)しと呼ぶのですが、鞣される前の物が「皮」であるのに対し、鞣された後の物を「革」と呼ぶようになります(使う漢字も変わるほど大きく変わるのです)。鞣しは、一番上の写真のように、大きなドラムの中で行われていきます。

 

鞣された後がコレ。
クロム塩による、淡い青色をしているため
「青」とも「ウエットブルー」とも呼ばれています。




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