第六回 菩提<ボダイ>の道場編 その1 一日目
二輪で遍路旅は、発心の阿波(徳島)、修業の土佐(高知)の旅を終え、菩提の道場である伊予(愛媛)へと進もうとしています。今回は、最もウチから遠い、足摺岬から旅が始まるのでした。
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四国を長方形に例えてみると、そう・・・僕らの住む高松や工房のある東かがわは、ちょうど右側の上の角、そして今回訪れる足摺岬は、左側の下の角にあたります。その対角線を高速道路を使って進んでいくのですが、高速も途中で未完成でして、一般道を使ってのんびり行くことになります。
足摺岬までウチから300kmぐらいの距離ですが、休み無しで走って5時間ほどかかるのですから、新幹線で東京へ行くより、時間距離はこちらの方が遠くなり、当然ながらこちら方面へ行くときは、必ず「泊まり」の計画が必要になってきます。
今回最初の札所は、38番金剛福寺。ここは足摺岬灯台のすぐ近く。この38番と次の39番で、修業の道場である土佐路を終えることになります。
なぜ「修業の道場」と言われるのか? 終わりに近づいて、なんとなく二輪の旅でもわかったような気がしてきました。
それは、札所と札所の間は、阿波路とは比べものにならないほど開いていること。今回の37〜38番間は、なんと100kmもの距離。しかも大半の札所が小高い山にあって、着いたと思えばお寺まで登るのが、これまた大変。
でも、つらくてくじけそうになる気持ちを、土佐の青い空と海、そしてお遍路さんに優しい地元の人が癒してくれるのだ、ということなのでした。歩き遍路なら、この修業で煩悩を立ちきり、仏の道へと進む、菩提の道に入るのですが・・・「そんな心境には未だ至らず」。(当然ながらというか残念ながら二輪遍路では煩悩など立ちきれる訳がないということです。)
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