高知県 早明浦ダム

四国では、今年も水不足です。たびたび地元ばかりか全国のニュースでも水不足が報道されています。果たして四国の水瓶とされる早明浦ダムはどんな様子なのか? 早速調べてまいりました。
(えっ・・・あんたが調べなくっていいって!)

 本当なら梅雨で、毎日ジメジメとしたうっとうしい天気が続いているのでしょうが、今年は、雨の少ない6月でした。気象庁のデータでも、6月の降水量は高松で平年比約47%。早明浦周辺で約54%と、今のところ空梅雨なのでした。

 元より今年は、それ以前の冬からの雨が少なくて、早くから早明浦ダムの水は少なかったのでしたが、それに加えてこの空模様。ですから、早明浦ダムの貯水量に合わせて、香川県内では現在3段階目の取水制限が行われています(2007/7/8現在)。

 とはいえ、「渇水は、もはや年中行事・・・」とある意味報道慣れしているのですが、本当は、忍び寄る「断水」の事態が怖いのでして、そんな事態をおそれてか、少しずつ市民生活にも影響が出始めています。

役場には「節水」のスローガン。高松の公園は、池が干上がっているし、街の噴水は止められ、学校のプールは中止へと。ちょっと公のヒステリックな対応に批判もチラホラと。
 
 上の写真のような公共の場だけじゃなくて、例えばバイクの洗車や、庭木の散水も大手を振ってはできなくなってきました。

 ところで「水が少ない」と話題の早明浦ダムは、四国で最も長い吉野川の上流にあります。香川県の水事情は、このダムの貯水率に右往左往させられるのですが、実は香川県は、吉野川の水が全く流れていないのです(ほんとに小さな小川を除いて)。僕らの飲んでいる水の大部分は、遠く高知県や徳島県からやってきたというわけです。その訳は・・・


 もともと香川県や愛媛県は、瀬戸内式気候と言って(ほら、小学校の社会科で習ったでしょう)、雨の少ない地域。それに対して高知側は、太平洋側の多雨地域。だから多雨地域に降る雨をダムで堰き止めて、山にトンネルを掘って通して、水に困る香川県に送ろうというのが、香川用水なのであります。

 この用水によって、香川県の水事情というのは劇的に改善されたのですが、何年かに一度やってくる、早明浦ダムの水位低下に県民はヒヤヒヤしてしまうということになります。

 四国の生命線ともいえる吉野川の水ですが、この水に大きく依存するのが徳島と香川。高知と愛媛にも分水され、一部の水が利用されているのですが、量的にはほんの少しです。

 渇水時には吉野川の水を両県が分け合うのですが、香川は徳島に水を頂く立場なんで、やはり先に水に困る事態が起きるというわけです。


(上)池田ダム近くの香川用水取水口。(中)トンネルを越えて香川県側の出口。(下)香川用水幹線。三面をコンクリートで固められた人工的な小川です。

 さて、高知道大豊インターから30分ほどで、早明浦ダムに着くのですが、貯水率20数%のダムは、いったいどんな様子になっているのでしょうか。

満水時には、緑の所まで水があったのでしょう。地肌が痛々しく感じられます。

上流部では、湖底があらわになっています。

渇水のシンボルである、旧大川村役場。長い間渇水なので斜面に草も生え始めています。

 この原稿を書いている今日現在(2007/7/8)、早明浦ダム付近には梅雨前線による、まとまった雨が降って、貯水率は40%付近まで改善する見込みということです。

 でも怖いのはこれからで、梅雨明けすると四国は、9月の台風時期までまともに雨など降らないので、梅雨のウチにどれだけ貯水率が回復するかにかかっています。 

 四国へ夏旅行を考えている皆さん、行かれる場所の水事情もチェックする必要がありそうです。

追伸 2007年7月14日、四国太平洋岸をかすめていった台風4号によって、前日まで50%台だった早明浦ダムの貯水率が、集中豪雨により一気に回復。同日中に満水となり、この夏の渇水は、乗り越えることができそうです。


湖畔は、ワインディングの宝庫。といっても、1時間も2時間も続くようだと、腕も上がり、うんざりしてくるのも事実。絶えず傾けているので、タイヤも端から減ってくる気がします。





おまけ・・・
(工房の近況)新しく入れた鹿革は、とにかく柔らかく、床(裏)の毛が長くスベスベなのが魅力。グローブに最も適した素材の一つといわれるのも解る気がします。詳細は、秋のカタログを待ってね・・・。





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