第七回 菩提の道場編 その二
二輪で遍路旅は、愛媛県の南西部を終え、松山市内へ入ろうとしています。梅雨明けすぐの七月末日、待望の夏空に浮かれて巡礼に出かけた僕は、ちょっと無謀な「修業」に挑んだのでした。
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今から思い起こせば、巡礼の日の朝、ちょっと微熱があったのかもしれません。ただ、あまりの暑さのせいか、気が付かなかったのかも。
そう・・・実は、その前の週に、息子が「りんご病」(小さい子どもに流行る病気、頬や手足に発疹が出来る)と診断され、僕も息子と同じく風邪のような症状で、いまいち調子が悪かったのですが、待ちに待った「梅雨明け」が四国地方にも発表され、夏がやってきた嬉しさのあまり、遍路旅に出かけることにしてしまったのでした。
今回から、旅の針路は西へ。高松から高速を200kmほど走った松山の近くから始まります。目的地は巡礼の旅折り返しの44番大宝寺から。この日ものんびりしたスケジュールで、朝遅く出発。そして「何番まで行く」というノルマも設定しなかったのでした(時間にあせるばっかりで、面白くないですよ)。
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