第九回 涅槃(ねはん)の道場編 その一
二輪で遍路旅は、いよいよ最後の讃岐路に入りました。ここまでくれば勝手知ったる地元の道。88番大窪寺に向け、66番の雲辺寺から香川県を西から東へ移動することになります。
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涅槃とは「さとり(悟り)」を意味します。
二輪で・・・遍路旅では、悟りが生まれるほど修業していないので、そんな涅槃に達する心境には至らないでしょうが、それでも苦労しながら旅を続けていると、何となくその「さとり」に近い、何かしら感じる物は誰でもあると思います。
香川県を旅する讃岐路は、そんなことを感じながら、心穏やかに参拝する「涅槃の道場」と言われています。道のりも66番の雲辺寺を越えると、寺の間が短くなり、山登りも少なくなって、途端に優しくなっていきます。
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