志度湾のかき筏を望む

瀬戸内海で採れる、冬の海産物と言えば「牡蠣(かき)」。広島の牡蠣は全国的に有名ですが、香川県東部の志度湾も牡蠣の名産地。そんな産地の港で水揚げされたばかりの牡蠣を、豪快な方法でおいしく食べられるとの情報が・・・。早速調査して参りました。



 子どもの頃、牡蠣って苦手だったような記憶があります。微妙な触感で、食べた途端、口の中に漂う海の香り。
 でも、大人になってから、これが”すんごく”美味しいということに気付き、それからというもの、フライに鍋に欠かせない大好物の一つとなりました。
 瀬戸内海の島に住んでいた頃は、海岸にはり付いている牡蠣をはぎ取って生のまま「ちゅるりん♪」と食べたことも・・・。
 いずれにせよ、冬になると、牡蠣を食べたくてウズウズしてくるのです。


 高松市屋島の工房から、東に約15分。高松市とさぬき市の境に、今日の目的地である志度湾の漁港があります。
 最近、その取れたての牡蠣を、「海賊焼き」とか「浜焼き」と呼ばれる方法で、そのまま焼いて食べさせてくれる食堂が志度の漁港のあちこちに増えているとの事。
 こりゃ一度その焼き牡蠣を経験しておかないと、人様に自称「四国の道先案内人」を語ることができん・・・
 
 この焼き牡蠣、食べるには予約が要ります。朝の10時から2時間の入れ替え制らしいのですが、休みやお昼時は結構込み合いますので要注意。
 もちろん食べ放題なんで、「朝食は軽めに」しておきました。



 お店の名前は「かき焼き かまくら」。ローカル私鉄、コトデン志度線「原駅」のすぐ近くにお店(牡蠣を剥いている小屋?)があります。
 約束の時間ちょっと前に着いて、お店の近くで”うろちょろ”していると、白馬に跨ったオヤジが突然登場。そのウエスタンな格好に身を固めたオヤジと馬にびっくりしていると、「予約頂いていたオ・ハ・ラさん?」と声をかけられたのでした。どうやらこの方は店主、白馬は店主のペットだそうな。
 「相席ですが、どうぞどうぞ。」と促され、店の中へ。

 席に着くやいなや、テーブルの中央に掛けられていたフタが開けられ、煙がモクモクと立ち上ったのでした。

ウオ〜、いきなり立ち上る煙。牡蠣焼きの豪快な雰囲気に少々興奮気味なのでした。

 各テーブルには、火箸を持ったおばさんが一人ずつ付いていて、焼き上がった牡蠣を、目の前に火箸で掴んで目の前に置いていってくれます。
 さぁて、ナイフを片手に持ち、軍手を付けて、おばさんの「よーいドン!」の合図で牡蠣を食べ始めます(地元OL風の皆様と相席でした)
 牡蠣の殻は鋭くなっている部分があるし、熱々なんで、軍手は必需品(お店が支給してくれます)


いよいよ戦闘開始。

 牡蠣の一番先にナイフを入れて、殻をこじ開けて、レモンをかけて、「ふ〜ふ〜」やって冷ませば、ハイ出来上がり。


身はプリプリで甘くて、噛めば潮の香りのするエキスが口の中に広がってくる。ウンメェ。

 目の前に座るOLさんたちも、牡蠣をバクバク食べて、あっという間に1回戦目が終了。引き続き2回戦目に。




ちょっと一息(工房短信)
昨年から、姫路のタンナーといろいろやり取りして、少量ながら手に入れたカーフ。生後6ヶ月ほどの小さな牛革です。赤ん坊ならではのきめ細やかで、スベスベな手触りが魅力。キップほど厚みこそないのですが、良いグローブができそうな気配が・・・。





店のおばさんがスコップで追加の牡蠣を投入します。
投入された牡蠣を、お客さん総出の共同作業でひっくり返します。
大きな鉄板で作られたフタを被せて、蒸し焼きにします。

 都合3回戦ほどたべたら、お腹がいっぱいになりました。3〜40個ほど食べたのでしょう。「ビールがあったら、もっとおいしかったのになぁ・・・」。
 今日は、これから工房で仕事。飲めないのがとっても残念なのでした。(一日二輪旅でも何でもないのでした。)

 おばさんに「もう、食べられない・・・」旨を伝えると、牡蠣焼きは終了。テーブルが片づけられた後に、牡蠣メシと汁が出てきます。


通常、これだけでも十分メイン料理に成り得る牡蠣メシ。しかもおかわり自由。締めには丁度良かったのでした。


 さてこのお店は、牡蠣の加工小屋にもなっていて、裏では、お兄さんたちが採れたばかりの牡蠣を剥いています。



 ”とれたてが食べられる・・・”。どんなに味付けしようとも、瀬戸内の海の物は鮮度こそ一番。ここの”さっきまで海に浸かっていた”プリプリの牡蠣を食べて、改めて実感いたしました。

 ところで、途中ビールの話になりましたが、この店では、
 ぬぁんと、飲み物の持ち込みが自由!!
 別に、飲み物なんかで儲けようとしていない姿勢が偉い・・・。
 
仮に飲み物を忘れても、コンビニ並の値段で飲み物を売ってくれます。
 
 値段は、2時間以内で、いくら食べようが2500円(2008年1月現在)

 あと、いい服は着ていかない方が良いですね。牡蠣焼きのニオイがいつまでもほんのりと漂います。(洗わないと取れないのだ)

 お店は、牡蠣の採れる11月〜3月に開いていますので、讃岐ツーリングに来られる皆さん・・・「うどん」だけじゃなくて「牡蠣焼き」もおすすめしておきます。
 
かき焼き かまくら TEL087-845-2444






おまけ
食べた後は、体験乗馬ができるそうです。オヤジさんの趣味の世界でしょうな。




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