明石海峡(明石大橋)
数年前に明石大橋が完成してからは、淡路島は関西と四国を結ぶ大動脈に。そういえば年に何回も淡路島を通っていることになります。でも、淡路島で観たり・食べたりした記憶ってあんまりないんですよねぇ。そんな島の薄い印象を払拭すべく、淡路へ出かけてきました。目指す獲物は名物の「タコ」。


 淡路島のイメージって、言い方は悪いかもしれないですが、最近は「橋桁の島」。明石大橋と大鳴門橋をつないでいて、大阪方面へ出かける時は、岡山よりも淡路島経由が多くなりました。でも淡路島では、高速のSAに立ち寄るぐらい。下道に降りることはほとんど無かったですねぇ。

 最近は少し事情が変わって、明石大橋の高い通行料金を敬遠して、橋の下を通る「たこフェリー」を愛用するように。SAに立ち寄る感覚で船に乗ると、あっという間に本州に到着。子どもも一緒だと、船いっぱいに描かれたタコの絵に大興奮。しかも安い。


 でも、何で「たこフェリー」なの? と素朴な疑問を嫁にぶつけてみると、「タコが名物なんでしょ」とのつれないお答え(全く興味関心が無いご様子)

 きっと淡路島のまわりの海には、「うじゃうじゃタコがいて、おいしいタコ料理があるはずに違いない・・・」という妄想が僕の中で膨らみ、タコを探し求めて島へ独りでツーリングに出かけることにしたのです。

 嫁からは「タコはいいけど、絶対に生きたタコなんかお土産に買ってこないでね、一体誰が料理すると思っているの・・・」と厳しいお達しが。この段階で生タコ購入は却下となっておりました。



 さて、当日は絶好のツーリング日和。梅雨入り前の貴重な晴天の日でした。
 家を出て高速を1時間ほど走ると、大鳴門橋を渡ることができます。橋を渡って最初のICで高速を降りて、ほど近い福良の港へ到着。

 港では「練物屋」という看板を見つけたのでした。聞いてみると、水揚げされた魚を練り物にしている工場直営の店らしいのです。
 店内で、タコの天ぷら(関西ではさつま揚げのことを天ぷらと言う)を発見。注文すると店の姉さんがその場で揚げてくれました。
 天ぷらを片手に、町へぶらりと出かけてみると・・・。橋が架かる前は、この福良が淡路の南の玄関口。昔は大勢の人が行き交う立派な町だったんだろうなぁと感じさせる商店街や建物がいたるところに。ちょっと”昭和”が匂ってくる町なんです。


お土産に「たこ蒲鉾」もゲット。



 さて、朝飯代わりの天ぷらも食べたところで、次はどこへ行こうかとガイドブックをペラペラとめくっていると、洲本の町に「タコ天丼」のお店があるらしい・・・との情報をGET。

 元々タコを求めて、島を一周しようという計画だったので、福良を起点に反時計に回ることに決めたでした。

 ところで、淡路島は西海岸と東海岸とでは、海岸の雰囲気が異なります。西は瀬戸内海特有の穏やかな海。東は外洋に近い荒々しい海。でも、どちらの海も近いので内海と外洋、両方のおいしい魚が食べられるのが淡路の魅力らしいのです。




噂の名所「ナゾのパラダイス」は、福良と洲本の間に。何が「3倍おもしろい」のだろうか?




 海岸沿いをのんびり走って、お昼前に、洲本の町へ到着。洲本は城跡が残る城下町。島の他の街並みとは、少し風情が異なります。
 そのお堀の近くに、タコ天丼を出す「魚増」さんがありました。


タコ天丼 ¥800 みそ汁付き 

 
衣はサクサク、タコはコリコリ・・・口に入れた瞬間は、そんな感じの第一印象。でもタコを噛むたびに旨味がどんどん口の中にあふれてくるのです。上手く説明できないですが、これは美味い。「淡路のタコ、最高ー!」とでも叫びたくなるひとときでした。



ちょっと一息(工房短信)

MG-7の甲に縫い付けられる革にある穴は、こんなポンチを並べた道具を使って一つずつ開けています。もちろんこれは、真っ直ぐ並んだ穴を開けるために用意した特注品。バネはポンチが転げないよう仕掛けてあります。こんな小さなパーツだけのためだけに、特殊な道具が用意されているんです。写真はMG-7



 昼食を終えて、洲本からさらに北上して、明石海峡に近い東浦の町へ。東浦ターミナルパークというバス停の売店では、とれたてのタコを丸ごとプレスして焼いてくれるということです。

 早速、売店でタコの姿焼きをお願いすると、店のお姉さんが、”むんず”と調味液に浸かった生タコを引っ張り出して、熱々の鉄板の上に乗せるのでした。そして間髪入れずに、プレス用の上の鉄板で挟むと、タコは「ジュー」と音を立てながら平らになっていきます。そして数分後、タコはぺったんこになって出てきます。


 熱々のタコの外側は、カリカリになっていてこれまた美味し〜い。これで生ビールがあったなら最高だったんだけど(もちろん自粛)。さきほどタコ天丼を食べたところだったので、タコ丸ごと全部は食べきれないので、半分は店のお姉さんに持ち帰り用にしてもらいました。一匹¥1050也。

 

明石大橋は今回の旅の折り返し点


 明石海峡の近くの漁港で、お土産を買ったり、写真を撮ったりしていると時間は夕方近くに。さっきまでさんざんタコを食べていたのですが、食べ忘れた物が一つ。それはご当地の対岸の名前が付いた「明石焼」。

 地元のタコを使った本場の明石焼を求めて、淡路島でもタコの水揚げが多いとされる富島港近くの明石焼専門店「志田」へ。

 海からの風が流れる、とっても落ち着いた店内のカウンターで、明石焼を注文。
 

 

 明石焼ってタコ焼きの仲間やと勘違いしていたんですが、どちらかというと卵焼きに近い、上品な食べ物。出汁につけて食べると、フワフワの生地が出汁と絡まって、これもまた美味かったのでした。
 タコ焼きが駄菓子に近い物だとするならば、明石焼はタコの風味を生かす料理の領域。また食べに行きたくなる味です。10個で¥600也。



 結局一日中、タコを食べてばかりの旅となりました。しかも約¥1000以下のB級グルメばかり・・・。
 探してみると、いろんなタコの食べ方があるんですねぇ。そしていずれもおいしくて飽きない。また、タコ三昧をしに来たくなりそうです。

 さて、お腹も満たされたので、家路につくことにしました。
 帰りの淡路島西側の道は、別名「サンセットライン」。瀬戸内ののどかな景色に夕日が良く映えます。



 
のんびりと夕暮れの道を走り、日暮れまでに福良へ到着。ちょうど一周したことになります。バイクに乗って島をぐるりと回ると5時間ぐらい、あれこれ立ち寄ると、一日じゃ足りないほど。

 もちろんタコだけじゃなくて、海産物や農作物・観光名所など、いろいろあって淡路島は、とってもイイ所なんですね。
 僕の冒頭の「橋桁の島」発言・・・もちろん認識不足だったのでした。





おまけ まだまだあるよ、タコのお土産

その1
タコの唐揚げせんべい。煎餅を製造・直売している「たこせんべいの里」で購入。¥800也。ビールのおつまみに最適。

その2
ウチの子のおもちゃと成り下がった、タコの干物。育波港近くの藤本水産で購入。¥800也。後日タコ飯の材料となりました。






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