吉野川市阿波川島付近



僕の所もそうですが、たぶんこれをご覧の皆様も、バイク道楽は家族の理解が無いと、難しいものです。とくに奥方の機嫌の善し悪しというのは、道楽を続ける上で、とっても大切な要素。だからこそたまには、奥方をツーリングに誘ってみましょうよ。

 ウチのヨメは、僕がバイク関係の仕事をしているにもかかわらず、バイクへの興味関心は、ゼロ。

 もちろん2輪の免許なども持つはずもなく、後ろのシートに座って出かけたことも生涯1回きりのみ。
 

 休みの日に、僕がひとりでバイクに乗り、出かけて帰ってくると、大抵機嫌悪いものです(同感! とうなずく方も多いのでは・・・?)
 ですから時には、ヨメに僕のバイク道楽への理解を得るべく、仕掛けが必要なのです。

 そういえば、作ったばかりの新しいレディスグローブがウチにあったっけ・・・。レディスのMサイズってヨメの手のサイズにちょうど良かったんだよなぁ。
 それをプレゼントして、ツーリングにでも誘ってみようか???


 行き先・・・それはもちろん峠? じゃなくて、最近流行の「マクロビオティック」ってどうでしょう。何だか意味がわからないのですが、「おいしい」とか「きれいになる!」っていう説明書きが・・・。いいんじゃない?

 ヨメに聞くと「もちろん行きたいわ ! ! ! 」と。
 でも、返す刀で「子どもどうすんの?」と。
 子どもを放置して、出かけるワケにもいかず、今回も「車」で行くことになったのです。
 「でもこのページ、ツーリングのページなんですけど・・・」とヨメに聞くと、返す刀で「後で勝手にいけばいいじゃない」と。
 もっともなお答えなのでした。


 さて、目指すは徳島県吉野川市美郷。ここはほたるの里として有名で、夏前の蒸し暑い日は、天然のホタルが乱舞することで有名なところです。

 その美郷には「ほたる館」というのがあるのですが、さらに上流にさかのぼること10分ぐらい。細い道を上がっていくと1軒の民家にたどりつきます。
 そこでマクロビオティック料理を出しているとの事です。

林道のような道に入り、目も眩むような急坂を下ります。

 お店の名は「きのこの里」。美郷流マクロビオティック料理が自慢の農家レストランとして昨年オープンしたばかりのお店です。
 「予約していた者です。」と外にいたおじさんに声をかけると、「どうぞ・・・」と納屋の一室に通されたのでした。
 
 お店にはテーブルが一つきり。他にお客さんがいる様子もないので、恐る恐る「僕らだけなんですか?」と聞くと、「そう、昼も夜も一組だけなんですよ・・・」とのお返事。「いろんなお客さんとおしゃべりしながら、もてなしたいんで、、、」という意向だけど、僕らにしてみれば、もったいないというか贅沢というか、ちょっとびっくりしたのでした。


 
肝心のマクロビオティックなんですが、いろんな定義や考え方があって、一言で言い尽くせないのですが、「健康のため考えた食事」ともいうべきでしょうか、精進料理やスローフードの考え方に近い物なのでしょう。

 今年41歳の僕。油物や化学調味料にまみれた物も依然大好きなのですが、あっさりとしていて健康に良い物も「美味い」と感じるようになってきた今日この頃です。


そばときゅうり、菜の花など季節の野菜が入った生春巻き。

こんにゃくいもから作った、自家製こんにゃく。ユズ味噌で味わいます。

玄米で作ったおにぎり。前の晩から水につけ仕込んでおく手間が必要です。梅干しも自家製。

たらの目や周辺で採れる野菜の天ぷら。梅塩を付けて食べます。

そば米汁。しいたけと昆布出汁で味付けたものです。素材そのものの味が生きています。

干し柿を使ったデザート。甘さ控えめで、健康的です。

 どれを食べても美味い!
 何というか素材の味が生きている感じがします。野菜にしても何にしても、味というか甘みが濃いですねぇ。

 料理を担当する川村里子さんによると、「マクロビオティックって、あの食材はいい、あれは使っちゃダメ・・・なんてのがあって、厳密にいうとその定義からウチのは少し外れているのかもしれんのよ。」
 「でも、そこは美味しく食べてもらって、楽しいひとときをすごしてもらったらええなぁ、という意味で『美郷流』なんですよ・・・」と。

 

 決して便利とは言えない急斜面の山間部での暮らし。ほんの数十年前までは、すべての食べ物を自分たちで手に入れないといけない暮らしだったはず。だから、小さな土地にいろんな種類の野菜などを植え、大事に育てていたんでしょうねぇ。自分たちが食べるものだから、絶対においしいはずなのです。

 同行したヨメも大満足。「ええもん食べたら、気分もよおなったわぁ・・・」と。「毎日こんなん食べたいわぁ」。
 ・・・僕「じゃ作ってよ」。 ヨメ「無理」。


 食後はご主人さんと、タンポポコーヒーづくりをして楽しいひとときを過ごしました。タンポポの根を乾かして煎るだけ・・・。目をつぶって飲むと、絶対にわからないぐらい、コーヒーそっくりな飲み物ができるんですねぇ。このほかにこんにゃくを作ったり、そば打ちや椎茸取りの体験ができるそうです。(1000円〜 有料)

お昼の食事は2000円〜
一日一組10人ぐらいまでです。
必ず予約が必要です。




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