島根県・三瓶山

2011年から始めた屋島工房ツーリングも、今回で二桁となる第十回・第十一回を迎えることができました。雨で中止とか、小さなトラブルとかあったものの、今日まで続けることができました。そして今年の春は、徳島県の祖谷・剣山方面に、夏は島根県の三瓶山へ行ってきました。その模様をレポートします。


2013年 春のツーリング 目的地 徳島県の祖谷・剣山 (2013.5.6)


 屋島工房では、春夏秋冬、年四回のツーリングを企画しています。

 春のツーリングは、ここ数年ゴールデンウイークの最終日に行っています。それは、連休の途中だといろいろ家族サービスとか行事が重なって、大変だから。最後の一日ぐらいは、自分の愉しみに使わせてもらいたいものです。

 今回の目的地は、徳島県の祖谷・剣山方面。四国第二の高峰でもある剣山周辺は、狭路が多く、バイクで走り回るのに向いていると思います。俗にいう、ワインディングの宝庫。

 ツーリングの距離は、大したことないですが、道路改良が進んでいる今でも、剣山周辺を走破するには、かなりの時間がかかります。

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 さて旅は、高松からまっすぐ南へ、JR徳島線の穴吹駅の前での待ち合わせから始まります。

 事前にご連絡を頂いていた8名の方とは別に、ここから飛び入りで2名の方が急遽飛び入り参加されました。まぁ、料理の予約とか無い限り、基本的には飛び入り歓迎でやってますので、人数が増えるのは嬉しいですね。

 当初、穴吹の駅からまっすぐ南のR492を使って剣山へ登る予定だったのですが、どうやら剣山東側の国道が災害で崩壊しているみたいなのです。この周辺の山道ではよくあることなのですが、通行止めではどうしようもないので、道を西のR438に変更し、剣山を登ることにしました。


 ツーリングの台数は、今回の10台ぐらいが、全体を把握しやすくて良いですね。これ以上、多かったら把握しにくいし、少ないと寂しいですもんね。

 ただ、スムーズに移動するために先頭とシンガリに、インカムがあった方がいいです。現代のマスツーリングの必需品です。

 
 徳島県を東西に流れる吉野川周辺は、比較的なだらかな田園地帯を走るのですが、道の進路を南に向けた瞬間から急坂・狭路が始まります。昔とくらべて道路がよくなっていると言えども、多くはセンターライン無しの道路。ときどき出会わす対向車にはびっくりするのですが、そこそこのペースで安全確認しながら走ると、気持ちいい道路です。


集落では、何が出てくるかわからないので、少しペースダウンします。
新緑の気持ちいい季節でした。



バイクのメーカーや排気量も、まちまちなんですが、
なんとなく皆さんの技量が同じぐらいなので、
楽しいペースで行くことができます。



集落を抜けると、さらに道は細くなります。
延々とクネクネ道が続くのですが、そこは焦らずじっくりと。

タイヤが、端から減っていく感じがします。


真ん中の山が剣山。頂上付近はなだらかな草原になっています。
山頂に登るリフト乗り場が、R438・439で一番高い峠「見ノ越」の1410m。

もちろん冬季閉鎖の難所なんですが、春〜夏時期は、登山客で賑わいます。


見ノ越から、R439を東に降りること約20分ぐらいに
奥祖谷二重かづら橋があります。

平家の落人伝説でも有名な橋。敵が来たら、切って逃げれるよう、
かづらで編んで作った、という橋です。
西祖谷の橋は、観光地化されて人も多いのですが、
奥祖谷のここは、訪れる人もわずかです。


野猿と呼ばれる、手動ロープウエイ。
昔はこうやって峡谷を渡っていたのでしょう。
もちろん我々も挑戦しました。


 剣山の見ノ越には、お昼ちょっと前にに到着しました。

 少し休憩の後、ちょっと西に降り、奥祖谷二重かずら橋で遊んだ後、お腹も空いたので昼食に。ここ祖谷は、山深く水田を開く土地も無いため、山間の勾配のある畑でそばづくりが盛んなのでした。そこで名物の祖谷そばを食べることになりました。

 道中の売店で、お団子を食べました。少し甘辛い味噌が付いていて、それが焦げてなんとも言えず美味しいのでした。

 祖谷そばは、つなぎの無い(少ない)、少しボソボソな食感と粉の香り高いのが特徴です。ただ、今回食べた蕎麦のように、つなぎが入った方がツルツルと食感が良いですね。

食後には蕎麦がきを食べました。蕎麦粉で作った団子のことです。もともと蕎麦はこんな団子にして食べていたそうな・・・。麺で食べるようになったのは江戸時代かららしいです。

剣山をさらに西に下り、西祖谷かずら橋近くにある土産物屋でアメゴの塩焼きを食べました。アユと選べるのですが、ここではアメゴをチョイス。

かなり長時間、炭火で炙っているので、身だけじゃなく骨もパリパリになっています。頭の一部を除いて、ほとんど食べることができます。いろんな川魚を食べる所があるのですが、個人的にはここが一番(写真は岡山のTさん)。

なんだかんだで今回も食を満喫しました・・・。

 西祖谷まで降りてきたところで、これまで散々クネクネ道を走り回ってきたのですが、まだ皆さん元気が有り余っている模様・・・。

 「そうですか・・・それなら、禁断のあの峠へ行きますか・・・。」(と心の中の悪魔の囁きが、つい口に出てしまいました。)
 あの道の概要を知っている人は「苦笑い」ですが、知らない人は「はぁ・・・?」。安全第一のツーリングを考えるなら、通らない方が良い道です。

 でもね、男の子は冒険しなきゃ・・・、ということでルートを変更して、R439の京柱峠へ。

 こちら国道なんですが、北側に道の良い元有料道路や県道があるために、改良が進まず、相変わらずの酷い道が残っています。酷道439号と呼ばれる理由を知りたいならココか、中村の方の439の峠ですね。


鬱蒼とした木々に覆われ、見通しもきかない道路が続きます。
もちろん葉っぱや苔で、路面コンディションは相当悪いです。
完全舗装ですが、路面はひび割れ、砂利が浮いています。
いつしかバイクは泥だらけに・・・。

先頭を走っていたため、これしか写真が無いのでした。


見晴らしが良いなら、行く価値もあるのですが、眺望が広がるのは峠付近だけ。
でもね、ここで一服すると標高1130mまで登ってきた甲斐があるというものです。
なお、峠付近には茶屋があり、「熊出没注意」の看板もあります。
四国でも、こんだけ山深いとツキノワグマが住んでるんですね。

「これでもか〜」という国道とは思えない狭路・悪路を走ってきたため
峠での休憩は、心も体もホッとさせてくれます。

(ホッとするのも束の間、下りも同じような道が延々と続きます。)


 無事、京柱峠を抜け、国道33号に戻り、近くの道の駅で解散しました。

 祖谷・剣山は、決して走りやすい道路が続くわけじゃないのですが、四輪じゃ持て余すような細い道を、二輪ならではの機動力で、走り抜けるのが魅力。あと秘境ならではの景色や食べ物も良いですね。

 一同、クタクタになって別れましたが、とっても楽しいGW最終日になったことと思います。




2013年 夏のツーリング 目的地 島根県の三瓶山 (2013.7.15)

 夏のツーリングは、四国の旅もいよいよネタ切れ・・・ということで、思いきって本州方面に進出しました。今回の目的地は島根県の三瓶山。九州の阿蘇山のようなカルデラ式火山で、外輪山に沿ってワインディングが連なります。

 ここを選んだもう一つの理由が、松江道の開通のため。広島県三次と松江・出雲付近を結ぶ高速が開通したのでアクセスが飛躍的に改善したからです。「これは行ってみないと・・・。」


より大きな地図で 三瓶山ツーリング を表示
 朝早く屋島工房を出発してから、高松道→瀬戸大橋→岡山道→中国道→松江道と、階段状に北へ東へ進路を変えながら向かいます。

 高松からのおおよその距離が300kmなので、目的地まで4時間もあれば着くかな・・・。なんて甘い計算をしていたのです。

 今年の梅雨明けは、ずいぶん早くツーリングの一週間には開けていたのです。それから連日うだるような暑さが続いていました。

 しかしです・・・。 


瀬戸大橋の途中にある与島PAにて待ち合わせをしました。
この時点で気象レーダーを確認すると、われわれの向かう
方向にだけ雨雲が広がっているのでした。



愛媛から参加連絡を頂いているWさんとは、現地集合の予定。
気分的には雨雲を回避して、高知ツーリングに変更しようか・・・
とも考えたのですが、Wさんの携帯はすでに運転モードでつながらず。
一同雨降りを覚悟して、北へ向かうことにしたのです。


当然気象レーダーのとおり、岡山へ入るやいなや
「ボタボタ」と大粒の雨が降ってきました。




 すぐさま最寄りのSAで着替えることに。屋島工房ツーリング皆勤賞のK藤青年からは、「出た・・・雨男!」呼ばわりされる始末(T_T)。

 ここから目的地に着くまで、ずうっと雨模様。ときどき雨が強くなって、メッシュグローブの穴から入り込んで来る雨粒が痛いほどに・・・。
 道路の轍は、うっすらと水がたまり、進路変更するたびに「ニュル」っとした感じに。ブレーキはしばらく握っていないと冷えていつものように効かないのでした。僕を含めて全員、完全ビビリモードでペースが上がらず、200km強のとっても辛い移動になりました。もちろん目的地でWさんを待たせているため、SAで休んでいる場合じゃないですしね。

 実は、この雨こそが、今年頻発した「ゲリラ豪雨」の始まりだったのです。

 さて、苦行のような豪雨の中を走り抜け、三瓶山に着く頃には、雨が上がりました。レーダーを確認すると、雨雲は東に去り、幸いにも濡れたカッパを再び着るようなサイテーな事態はとりあえず避ける事ができました。



三瓶山の西の原にて。草原が広がる三瓶山で最もお気に入りのポイントです。
気温も下界とは、5〜10℃ぐらい違う感じです。


山の北側に回り、三瓶自然館サヒメルに。
周辺の自然について学習できる施設です。
一同大変興味深そう???に見学させてもらいました(T_T)。


 島根県産牛肉を使い、地元の野菜を挟んだ、ご当地名物のハンバーガー。祭日だったので、食事にありつけるまで1時間ほどかかってしまいました・・・。

 道中の豪雨で、いつもより体力を使ったので、ガッツリと食らいついたのでした。
 パンやハンバーグも、大手ファーストフードとは違い、個性ある味わいでした。こちらは、ドゥカに乗るOさん。

 さらに、ハンバーガーだけでは足りなかったので、三瓶温泉近くの食堂で三瓶そばを食べました。
 こちらも、米作に適さない火山灰地ならではの名物です。
 

道の駅たたらば壱番地で食べた、オロチの爪ソフトクリーム。オロチの爪とは、ご当地名物の唐辛子。甘さの中にピリッとした辛さが残る変わり種ソフトクリームです。
 

今回も半分雨だったにもかかわらず、食を満喫しました・・・。

 お腹もいっぱいになったところで、疲れた体を癒やしたくなり温泉へ。そう、三瓶山周辺は、温泉の宝庫。古くからその効能が知られ、湯治場としても有名なのです。


立ち寄ったのが、三瓶温泉鶴の湯。当然源泉かけ流しです。
少しぬるめの茶色の湯が、効能ありそうです。
雨で冷えた体をあっためるのにちょうど良いのでした。
ここは基本無人状態で、自動販売機で券を買って入場します。


 温泉は、少しぬるめだったのですが、逆に暑さ盛りのこの時期には、汗を流すのにちょうどよいぐらいでした。でも、風呂を出てから、いつまでもポカポカと体が温まり、気持ちいいのでした。

 雨の疲れから、完全にリフレッシュしてから帰路へ。ツーリング途中の温泉は、緊張した筋肉をほぐしてくれて、気持ちいいものですね。

 もちろん、行きと違って路面はほぼドライ。時々現れる水たまりだけ気をつければ、気持よく走れるのでした。行きの雨でみなさん、積もり積もったストレスをここで発散!? いつもよりアクセルが大きめに開いたことと思います。
 交通量の多い国道では、ツーリングの基本である千鳥走行。
 標高が下がっていくたびに、「ムッ」とした気温に変わっていきます。下界の気温は35℃付近。涼しい三瓶山が天国に感じてしまいます。

 帰りのルートは、愛媛から参加のWさんと山陽道のしまなみ海道の分岐まで行くために、三次から一般道で世羅方面へ。ここから尾道道に乗って、山陽道を経由して高松に戻りました。帰りは相当ペースアップ・・・。気持ちの良い速度で家路につきました。


帰りの天気は、問題無し。ウソのような青空が広がっていたのでした。

 さて、家に帰ってからびっくり。

 ニュースによると、午前中の雨は、鳥取・島根地方で災害を引き起こしていたらしいのです。映像では、土砂崩れがあったり、家が水につかったり・・・。

 確かに、僕の30年近いツーリング経験でも、今回の雨はナンバーワンでした。まあ、家に着いたメンバーから、帰着のメールが入ってホッとしたのですが、ホント何にもなくて良かったです。

 でもこれで、僕の雨男伝説は、また一つステージが上がったように・・・(T_T)。だって、この前1週間と、この後1週間雨降っていないんだから・・・。しかも降られた雨は、ゲリラ豪雨クラス。僕とツーリング同行される方は、雨ガッパのご持参を・・・。オススメはこれです(屋島工房で購入可)。



 さて、屋島工房ツーリングは、年四回のペースで今後も続けていきます。年齢は、20代から60代まで。車種もスーパースポーツから、250のスクーターまで健康な社会人なら誰でも・何でもOK。

 「ぜひ参加したい・・・」って声、最近よく伺います。ぜひぜひご一緒に走りませんか。新しいメンバーを歓迎しています。

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