山口県下関市角島

2016年春と2016年夏のツーリングは、おもいっきり距離を伸ばした「思えば遠くへ来たもんだ・ツーリング」を企画。春は、初めての泊まりとなった山口県角島へのツーリング。夏は、工房から四国内で最も遠い足摺岬へ行くツーリングと、ただひたすら目的地に向けて距離を稼ぐ、修行のようなツーリングになりました。


2016年 春のツーリング 目的地 山口県角島 (2016.5.7〜8)



 屋島工房ツーリングは、今回が22回目の開催となりました。

 いずれも主催の僕が、週末に店を開けなきゃならない都合上、二日も閉めてしまうのは営業上苦しく(汗)・・・これまで日帰りツーリングばかりだったのですが、何回も参加してくださる常連さんからは、「いつかは泊まりでツーリング行きたいなぁ・・・」なんてご要望も寄せられることがありました。

 それなら、一度は行かなきゃね! というわけで、泊まりツーリングを企画することになりました。

 目的地は、どこにしようと思案していたのですが、最近オートバイの雑誌やWeb上でよく見かけるのが、山口県下関市の角島。青い海と長い橋のコントラストが魅力の場所です。

 実は、親戚宅が角島の近くにありまして、現在は空き家になっているんです・・・。
 ツーリングで立ち寄っても、泊まれるかどうか近くに住む親戚に確認したところ、「いつでも大丈夫だよ」とのお返事。
 そうなると行くしかないですよね、はるばる角島へ。

 ツーリングの常連さんに聞いてみると、「行きたい!」という声が多数。そんなわけで春のツーリングに角島へ行くことが決まったのでした。


 春のツーリングは、GW連休の最後の土日に計画しました。

 比較的、連休なので行楽客が多いでしょうけど、翌日からの仕事を控えて、連休最後は意外と混んでない・・・そんなことを考えて計画しました。

 山口県には、高松から瀬戸大橋を渡って、ただひたすら山陽道を西に向かいます。

 山陽道は、山口県内で中国道と合流し、まださらに九州を目指して西に向かいます。途中の美祢東JCTから小郡萩道路を経由して、ようやく一般道に降りることができます。

 途中のSAなどで、愛媛や広島からの参加者と合流しながら、ツーリング一行の台数が増えていきます。

 毎度毎度のことなんですが、なんだかんだで待ち合わせがうまく行かず、合流が遅れることもよくあります。
 今では、携帯電話で連絡が取れるので、話ができなくても、メッセージを残しておくと「会えない・・・」という最悪な事態は避けられるので、良いのですが。

 そういや昔は、よくありました。待ち合わせで出会えないこと。

 携帯も無い時代。何度か仲間と目的地で出会えることを願って、一人寂しくツーリングにでかけたこともありました(もちろん、集合時間に行かない僕が悪いんですけどね)。

 最初の目的地は、山口県の秋吉台。秋芳洞という洞窟が有名なのですが、その洞窟の上のカルスト台地も、結構な見ものです。
 墓石のような白い石がニョキニョキと散らばっている草原を走るのも格別ですね。気分爽快になりますよ。


 途中待ち合わせで遅れたため、ここまで休むことなく、ほぼ300kmを延々と走り続けた後の、初めての休憩となりました。
 当初秋芳洞も見学する予定でしたが、行ったことある人も多かったですし、後々の行程を考えるとパスいたしました。

 ツーリング主催者としては、参加を予定していた方と合流しつつ、目的地に近いインターから降りることで、ようやく「ほっ!」と一息つけます。

 あとはね、ご一行様とともにツーリングを楽しむだけなんですが・・・。

中国地方の日本海側でよく見かける、赤褐色の瓦。石州瓦というらしいです。
この瓦の景色を見ると、「はるばる遠くに来たなぁ」と感じさせてくれます。

一行は、秋吉台からさらに北へ。日本海に面する長門市仙崎港へ向かいます。
目指すは、海の幸が食べられる食堂へ。

本日ようやくありついたのが、こちら。生イカにウニに、生卵まで乗せてくれた丼です。見ているだけで鼻血が出そうな、元気回復メニューです。

このあたりjは、日本海で取れるイカが名物。もちろん生簀で泳いでいるヤツを食べられるのですから、味は保証されたようなもの。もちろん大満足でした。


仙崎港で、お腹を満たした一行は、さらに日本海側を西に。

 日本海側は、冬場の季節風や波によって、侵食された奇岩や絶壁といった独特の景色が多いところです。ここ長門市付近も、青海島といった名所が多く、せっかくだからそんな景色の所に立ち寄ってみることにしました。

 今回訪問するのが「竜宮の潮吹き」という、ある条件を満たすと、波が高く吹き上げるという場所です。

 ここに、最近話題の神社があるということを聞きつけて行くことになりました。

 赤い鳥居が立ち並ぶ元乃隅稲荷神社が、最近パワースポットとして有名に。こちらは、米CNNで日本で最も美しい場所31選に選ばれたそうです。

 TV番組「なるほど珍百景」にも出てきた、日本一入れにくい賽銭箱。鳥居の上にある賽銭箱に、お金を投げ入れることができたなら願いが叶うそうな。
 もちろん僕は、一発で入ったことは言うまでもないでしょう・・・。

 冬場になると、こちらの岩に当たる波が垂直方向に30mも上がることがあるそうです・・・。
 もちろん訪れた日は、波も穏やかでそんな気配は微塵もなかったのでした。

 
 一行は、夕暮れが近づき、写真が撮れる時間までに角島に着けるよう、さらに西へ向いました。


このあたりの国道191号は、交通量が少なく、日本海を見ながら快走できる道路ですね。


 朝早く屋島工房を出て、夕方になってようやく角島にたどり付くことができました。写真を撮ったのは、角島大橋が一望できる絶景ポイント。広島のWさんが、ここを教えてくださいました。

 この景色を見ると頑張って走ってきた甲斐があるというものです。夕方なので、海のキレイさはそんなにわからないでしょうけど、日中なら、青い海と白い浜のコントラストが最高ですよね、たぶん。

 一行は早速、この絶景ポイントにて、記念撮影を始めました。
 

 この場所の惜しむらくは、ガードレールですね。
 夕暮れの角島を背景にシャッターをパシャリ。方向的に逆光なんで、写真が黒くなるのは、いたしかたないです。

 橋上では、「遠くまでやってきたなぁ」という開放感にひたりました。
 テンション高めのMさんの写真もパシャリ。

 角島は、とても小さな島ですが、バイクでぐるりと一周することができます。突端には角島灯台があります。

 角島からほど近い、特牛(こっとい)港に、親戚の家があり、ツーリング一行は、そこに泊まることになりました。

 なお、翌日仕事でどうしても帰らなきゃならない・・・というWさんとOさんは、高松からだと、すでに500km以上走っているにもかかわらず、家路までの来た道を折り返して帰ることになりました。
 別れの段階でOさんは疲労のあまり、ヨレヨレだったのですが・・・。(深夜無事帰着されたそうです。)


特牛港に泊まった一行は、美味しい物を食べ、しっかり寝て元気を取り戻しました。
翌朝は、早くから目覚めて行動開始。


国道191号を南下し、関門海峡を目指しました。
写真は、下関側にある海峡ゆめタワーから撮ったものです。
左が本州、右が九州。奥に見えるのが関門橋ですね。

 二日目は、観光は午前中だけです。残り400〜500kmの道のりがあるのですから、少しパワーを残しておいておかないと、帰りが辛くなりますからね。


 下関の名物といえばフグでしょう。こちらでは「フク」と濁らないのが正解です。
 今回は、フグのセリで有名な唐戸市場におじゃましました。

 高いものなので、そんなにいっぱいは食べられないものですが、小皿を買ってフグ刺しを頂きました。
 あっさりとした淡白なお味でしたね。みなさん海産物の土産を買い込んで行きました。

さて名残惜しいですが、翌日からの仕事もありますので、昼食前に山口を離れることに。

帰りは、GW最終日で山陽道の交通量も多かったですので、
あえて広島まで中国道を行くことにしました。

  で、ちょっとしたトラブル発生。中国道って、SAにガソリンスタンドが無い所が多いのです・・・。Mさんのバイクは、SA手前でガス欠のため息絶えることに。何とか押してSAにたどり着いたのですが、どうすることもできずJAFの応援をえることになりました。

 こちら方面の高速道路って、SAのスタンド撤退が進んでいます。燃料の残り具合には気をつけましょうね。

 そんなこんなしつつ一行は、なんとか無事に家までたどり着きました。

 今回の屋島工房ツーリングは、初めての泊まりのツーリング。
 宿で、飲みながら知らない者どうし、今日あったことを話して盛り上がるのは、楽しいものですね。
 また、いずれ近いうちに泊まりも企画しようと思っています。




2017年 夏のツーリング 目的地 足摺岬 (2016.7.18)


 夏のツーリングは、今年は7月18日の海の日。四国では、毎年梅雨明けと時季的に重なります。

 今年も、前日まで鬱陶しい梅雨空が続いていたのですが、ものの見事にツーリングの日は、快晴に恵まれたのでした。雨が降るよりかは、全然良いのですが、逆に日差しが痛いぐらい。バイクで動いている時は良いのですが、動きが遅くなると、暑さのあまりクラクラしそうな天気になりました。

 今回の目的地は、四国でも高松から全く遠い所にある、足摺岬。高速道路の終点からも、まだ先に2時間ほど走らなければならない場所にあります。

 屋島工房の第一回のツーリングでも、足摺岬に行ったのですが、家にたどり着いたのが夜の9時10時だったのですから、小さな四国内といえども、足摺岬までなかなかの距離があるんですね。

 今回は予定では、足摺岬の他に欲張って、四国南西部のもう一つの突端、柏島まで行こうと考えていました。



 当日の当日の参加は7台。

 屋島工房の出発が朝7時ですので、関西方面からご参加の方は、高松に前泊で入って頂きました。
 遠い所わざわざこのためにありがたいことです。

 屋島工房を出発してから、SA等で合流しながら、高松道→高知道へ。高知道終点の四万十中央ICまで向かいます。


 高松では、ところどころ、雲の多い天気だったのですが、高知に入ってからは、雲一つない快晴になりました。気温は30℃をすでに越え、止まると、汗が噴き出してきそうです。

 高速道を四万十中央で降りてからは、延々と国道56号を南西に向かいます。もちろん車線は一つの対面交通。のんびり行くしかありませんね。


四万十市中村からは、四万十川に沿って足摺岬に向かって、南へ向かいます。
ここまで来ると交通量も次第に減って、走りやすくなりますね。


 中村から足摺岬に向かう道は、次第と南国らしい雰囲気に変わってきて、心なしかワクワクしてきます。植生なんかも、高松とは基本的に違うのでしょう。

 それと同時に感じられるのが「暑さ」。僕のバイクのタンク下に抱える、1200ccの油冷エンジンの熱風は、太ももに痛いぐらい突き刺さって来ます。ヘルメットの中は、ベンチレーションを利かしても、モワッとして頭の中がボーっとしてくるぐらい。

 途中休憩時に、ネットニュースを見ると、「四国地方が梅雨明け」したそうな。

 道理で暑いわけです。前日まで梅雨空でしたので、体も厚さに慣れていないですしね。

 そんなわけで、道中の行程が予定より遅れてはいたのですが、度々水分補給と涼みに休みを取ることにしました。「身の危険を感じるぐらい」の暑さだったのです(汗)。


一般道では、隊列を組んで行儀よく参ります。
ようやく足摺岬の目前までやってきました


写真は、旧足摺スカイライン。現在は県道348号線。
20年ほど前に無料開放されて、現在に至っています。
かつては、岬に向かうメインルートだったのですが、
海沿いの道にバイパスができて、バスや車はそちらに行くようになりました。
バイクでは、スカイラインの方が快走できて楽しいですね。

スカイラインを降りると、そこは足摺岬。
四国最南端の灯台がある岬です。

 足摺岬は、断崖絶壁の上に遊歩道があり、灯台の近くまで行くことができます。足摺岬灯台は、1914年に点灯されてから今日までずっと、沖をいきかう船の安全のために光り続けています。

 後ろ姿が見えるのは、ジョン万次郎像。地元土佐清水市の輩出した幕末の偉人ですね。


 足摺岬に向かう道は、椿のトンネルが続きます。さぞかし花の咲く時期は、キレイなんでしょうが、酷暑のため、それどころではなく、みなさん無口に・・・。

暑さのあまり足摺岬は、早々に引き上げて、
早く昼食を取らないと元気が出ないという結論に。


食堂を探して、また来た道を、土佐清水へ戻りました。

 足摺黒潮市場という所で、昼食となりました。
 そりゃ・・・高知に来たら定番のカツオのタタキでしょう。高松で食べるタタキとこちらで食べるのでは、味の何かが違うのです。もちろん美味いです。

暑さによる疲労困憊のため、みなさん無口で頬張り続けます。顔に生気が戻ったのは、食べ終えて一息ついてからでした。

 美味しい物を食べ、冷房の効いた所で一服した後、家族への土産物なんかも買い込んでいくと、さらに走ろうか・・・という意欲も湧いてくるものです。

 この段階でお昼も2時過ぎ。足摺岬もタッチしたので、一応の目的も達することができました。もちろん、引き返してもよかったのですが、もう一つ寄り道をしようと、一行の同意を得て国道321号をさらに西へ向かうことにしました。

 四国南西端をつなぐ国道321号は、別名サニーロード。名前の通り、太陽が照って暑さのあまりにひっくり返りそうでしたが。


次なる目的地は、足摺海底館。
子どもの頃、ここに来た記憶がかすかにあります。
海の中を見ることができる建物です。

海底館の窓からは、大きな魚がユラユラと泳いでいました。サンゴ礁なども見えますね。

 なるほど昭和に作られたB級観光施設なんですが、
これはこれで、意外と楽しいかも。海の中の魚になれる気がします。
暑い時には、気分的にも涼しくなれて良かったです。

 時間的にも、午後3時近くになり、そろそろ帰らなきゃならない時間に。
来た道を戻るのも良かったのですが、せっかくなのでサニーロードを走破して、
宿毛経由で戻ることにしました。



宿毛からは、部分的に高速が出来ていて、比較的早く中村に戻って来れました。
もう一泊四万十のライダーズインに泊まる、Bさんご夫妻とここでお別れです。

 中村からは、来た道を戻って、日没までには高松へ戻ることができました。

 予期せぬ梅雨明けで、暑さのあまりに過酷なツーリングとなりましたが、今回も無事終えることができました。
 足摺岬は屋島工房ツーリングで2回目だったのですが、瀬戸内の風景と太平洋側の風景は異なり、いつも非日常的な感じがして、何回来ても楽しい所ですね。



 さて、春と夏のツーリング、無事に終わりました。

 今年は、距離をおもいっきり伸ばした「思えば遠くへ来たもんだ」ツーリングを2本行いました。

 正味、目的地にタッチして帰ってくるようなツーリングでもありますが、それはそれで結構楽しいものですね。
 主催者としては、時間の設定が結構難しく、予定通り動けなくて、途中で目的地を省略したりすることもありますが、臨機応変に行くのも、主催者の技量? というか、ツーリングの醍醐味かと思っています。



 屋島工房ツーリングは、今後も年四回のペースで続けていきます。

 行く先は、基本その時々の店主の思いつき・・・。日帰りベースですが、今年のように時には遠出もしようと思います。毎回毎回、新しいメンバーの方が加わって、楽しいツーリングになっています。ご希望の方は遠慮なくご参加ください。ツーリングの予定については、時々屋島工房のHPをチェックして下さいね。


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