四国カルスト

2017年春と夏のツーリングは、題して「四国の秘境を訪ねて」ツーリングを企画しました。春は、四国西部の秘境カルスト台地に、秋は四国東部の剣山に行きました。まあ・・・秘境訪問というよりは、単純にワインディングを走りたかっただけかもしれませんが。


2017年 春のツーリング 目的地 四国カルスト (2017.5.7)




 屋島工房ツーリングは、今回が26回目の開催となりました。

 実は四国カルストへは、第六回ツーリングで行っていますので、工房主催のツーリングとしては二度目の訪問になります。正直、四国の山間部はワインディングこそいっぱいありますが、どこもうっそうとした樹木に囲まれた、低速で走るクネクネ道ばかり。空の景色が映り込む、ある意味痛快なワインディングらしい写真が撮れるのは、このカルストだけじゃないかもしれませんね。

 そういった意味で、ここカルストは、四国ツーリングの聖地でもあります。高松から行くとなると、結構な山を越えなきゃなりませんので、到着するまでに相当な走りごたえのある、ある意味秘境地帯なのであります。

 今回は、ベテランライダー揃いの少数精鋭、6台で行くことになりました。


 ツーリングは、屋島工房から西へ、高松道のSAで仲間を増やしながら、高知方面へ向います。山間部のトンネルを何本も抜けてから、高知県の大豊インターで下道に降ります。

 大豊インターからは、吉野川沿いに西の上流方面へ。単純にカルストへ向かうには、高知道の終点まで行ってから、カルストへアプローチする山道を登るのが早いと思いますが、意外や意外快適なのがこのあたりの国道439号。国道33号と合流するまでは、走りやすい山間部の道が続きます。

最初の目的地は、四国の水瓶「早明浦ダム」。毎年水不足で大騒ぎする、あのダムですね。

ダムに着いたは良いですが、皆さんそんなにダムに興味なく・・・、ダムを見学するまでもなくバイク談義に花が咲いておりました。そんなこんなで、「ダムらしい」肝心の写真を忘れたじゃないですか。

 早々にダムをあとにして、先を急ぐことにしました。ちなみに早明浦のダムサイトは、うんざりするほど低速コーナーの続くクネクネ道の宝庫。昔は良く走っていたものですが。

 でもね、最近jは寄る年波には勝てず・・・、できればそんな疲れる道は避けたくなってきたのも事実。ギアをトップに固定して「のんびり行きましょう!」。

まあGW期間中といえど、国道439号にいたっては、いつもと変わらず静かな道ですね。
しばらく走ったのですが、カルストはまだまだ遠く、途中で休憩することに。

訪問したのは、池川茶園。高知県の仁淀川町は、知る人ぞ知るお茶の産地。その摘みたての茶葉を使ったスイーツが有名なところです。

「茶畑プリン」なるものをみんなで頂いたのですが、一人川辺で佇む男。どうやら甘いものに興味が無いらしい・・・。

ここの地域で摘まれるお茶ですが、ほとんどが地元の名を付けて販売されることがなく、
荒茶(製品前段階のお茶)として、静岡方面に出荷されるそう・・・。
せっかくの良いお茶が、「高知」ブランドじゃなく「静岡茶」になるのはもったいない。
そんな意味で、スイーツを足がかりに名物となるべく頑張っているんですね。



甘いもので小腹を満たした一行は、さらに西へ。

 途中の小さなドライブインで、宇和島のMさんと合流するためにまたまた小休止。

ドライブインで見かけた、この手の食べ物を見るとつい手を出してしまいます。アメゴかアユを選べます。遠赤で炙っているので、皮までパリパリ。

甘いものはシカトしていたKさんですが、どうやらこちらは食べるみたい・・・。

 
 スクーターで参加の女性ライダーMさんと合流して、国道439号を離れ国道33号、そして、カルストに登る国道440号方面へ。道はだんだんと細くなっていきます。


四国第二の大きさ、仁淀川水系の大渡ダム湖畔。


国道440号のカルスト直下を抜けるトンネルから脇にそれて、
山道をひたすら登ります。
いつしか樹木が無くなり、カルストらしい風景に出会います。


そして・・・ようやくたどり着いた四国カルスト。


はるばるやってきました四国カルスト。地表に露出した白い石灰岩が特徴です。


もちろんここは、放牧地。牛も間近で見えます。


幸いにも好天にめぐまれ、心地いい景色が続きます。
尾根の上に立つと、北側には愛媛県側。
南側には高知県側が一望できます。


多くは無いですが、ライダーも集まってきています。

 今回ツーリングに集まった皆さんは、四国ツーリングのベテラン揃い。もう何度となくここへ来たことがあるのでしょう。バイクを停めることなく、カルストの風景を味わう風でももなく、西から東へ「シュ〜」って移動。
 まぁ、味気ないですが、見慣れるとこんなもんですね。次は「カルストへ初めて来る」って方を案内したいものです。あぁ誰かとこの景色を見て、感動を共有したい。
 

天狗高原の東の端のレストランで昼食となりました。絶景の場所で一息入れることに。

ちょっと贅沢して土佐牛のステーキ丼を注文しました。小腹も空いていたので、満足です。

 四国カルストからは、南の高知方面へ。
定番の舗装林道を使って山を降りました。


 宇和島のMさんと別れ、国道197号を須崎方面へ行きます。


須崎から高速に乗り、帰路につきました。

 まぁ・・・GW最終日ですので、皆さん明日から仕事なのでしょう。疲れ果てて家路に着くよりかは、程よく体力を残して家に帰るぐらいがベストかと。今回もトラブル無く楽しいツーリングになりました。
 四国カルスト・・・何度行ってもその雄大な風景に圧倒される場所です。四国ツーリングで、ベストな場所を選ぶとするなら、カルストは候補の一つであることには間違いないでしょうね。




2017年 夏のツーリング 目的地 剣山 (2017.7.17)


 夏のツーリングは、今年は7月17日の海の日。四国では、毎年梅雨明けと時季的に重なります。

 今年も、ほぼほぼ四国地方は梅雨明けでと重なったのですが、梅雨前線がやや北の中国地方でウロチョロ。困ったことに、目的地は当初岡山県・鳥取県の蒜山・大山に設定しておりまして、数日前から、週間予報を見て、雨が降るかどうか内心ヤキモキしていたのです。


 そしていざ当日。高松は晴れていました。

 しかし、降水レーダーを見ると、岡山鳥取は雨雲が貼り付いている模様。
 ふと想い出すのが数年前の三瓶山ツーリング。降水レーダーを確認すると行き先に雨が降っているのが、あらかじめわかっていたのですが、目的地にて合流される方が、すでに家を出られているらしいので、僕らも何が何でも行かなきゃならない。

 しかもその雨が半端じゃなかったのです。大雨洪水警報は当たり前のこと、中国道の轍が川のようになっていて、轍を越えるたびに、後輪がニュルニュル変な挙動をするほど。ほぼ土砂降りの雨が続いたことを覚えています。

 今回のツーリングは、皆さんそんな梅雨明け前後の不安定な天気を案じてか、今回の参加者は僕を含めてたった3台。幸いなことに岡山方面での待ち合わせの約束も無く、「行き先どうしようか・・・」と僕の心は揺れ動いていたのでした。

 そして、府中湖PAで集合した3台で、行き先の会議を持つことに。
 「雨は嫌!」という僕の提案に、みなさん同意して頂いて、行き先を変えることにしたのです。「南へ行こう」と。

 そうして「蒜山・大山」ツーリングは、「剣山」ツーリングに変わったのです。


 作戦会議の開かれた府中湖PAは、ETC出口がありますので、
早速一行は、高速から下道へ脱出。


県道17号から、国道438号へ。雨の心配が無くなって一安心です。


国道438号で、讃岐山脈を越えて、吉野川も渡ります。


吉野川からは、ただひたすら山道に突入。


府中湖PAを降りてから、山道をただひたすら2時間少々を走ると、
四国の国道最高地点1453mに到着。ここからは、剣山が一望できます。

剣山の見ノ越という、登山リフトがある所で一服することに。難所続きの国道438号、国道439号の一息つけるオアシスですね。

土産物屋もありまして、登山ウエアを着た老若男女がいます。下界と比べると、気温も10℃ほど低く過ごしやすいですね。

さて、この後も地図上の直線距離こそ短いですが、
クネクネ道は延々と続きますので、先を急ぐことに。
目的地は、剣山から南へ行った秘境の温泉宿。


見ノ越からは、急斜面を降りていきます。
一応舗装ですが、時々岩がゴロゴロ。
反対側は断崖絶壁。リラックスなんて到底無理な道です。


 国道438号を徳島方面に走り、剣山の東を南北に抜ける国道193号を南へ行きます。
 そう、この道は剣山スーパー林道につながる道。時々フル装備のオフ車グループと出会います。

 国道とはいえ、ずうっと舗装された林道! のような道が続きます。低速のブラインドコーナーの連続。結構気温も高くなっているし、ワインディングもライダーは体力を使うもの。おまけにヘルメットの中も蒸れてきて、思考能力も半減しそうな感じでした。


なんだかんだで、頑張って走って剣山の尾根越えの雲早トンネルにつきました。


バイクの向こうは、山々がつながる絶景が見えたのですが、
写真では雰囲気が伝わらず残念m(__)m。

雲早トンネルから、ほど近いところに山の中の宿「四季美谷温泉」があります。「天空の温泉宿」という別名が付いています。

もちろんここで頂くのは、ジビエ料理の鹿肉ステーキ。ひとクセありそうな感じでしたが、意外や意外あっさりと美味しかったです。

Mさんは、そんなジビエ料理に目もくれず、天ぷらそばをチョイスしておりました。どこへ行っても我が道を行く・・・って感じです。


当初の予定では、三朝温泉に入って汗を流すという計画でしたので、
こちらの温泉にも入り、クネクネ道で消耗した体を休めたのでした。


帰りは、来た道を帰る選択肢もあったのですが、
クネクネ道に嫌気が差してきたので、より道の良い徳島の阿南を抜ける方面へ
行くことにしました(今回は全て行き当たりばったりです)。

途中道の駅で、物騒な「はんごろし」という文字を発見。何だ! と近づいてみると、おはぎ???

どうやらこれは、徳島県那賀町の名物らしく、もち米を半分潰したおはぎのことを言うらしいです。ちなみに全部潰すと「ぜんごろし」? かも。


四季美谷温泉から、阿南へ抜ける国道195号は、行きと違って快適でした。
距離こそあるのですが、すんなりと阿南へ降りることができました。

 阿南からは、徳島を経由して、夕方までに高松へ戻りました。
下界は、ムシムシと暑くなってまして、やっぱり山は涼しかったことを再確認しました。


 今回は、初めて予告からの目的地を変えたツーリングとなりました。

 絶対に外せない「目的」があるツーリングならまだしも、「快適な一日を過ごしたい・・・」、そういう目的のウチのツーリングでは、できれば何をやっても楽しくない雨は避けたいものです。
 ですから、今後も全員の同意を得たなら、目的地を変えることがあるかもしれません。

 たった3台のツーリングでしたが、勝手知ったる仲間で走るのは楽しいもの。程よい疲れのある、夏の一日になりました。



 さて、春と夏のツーリング、無事に終わりました。

 行き先も、二度目・三度目という場所が増えてきています。なるべく多くの方とツーリングへ行きたいため、基本日帰りツーリングにどうしてもなりますね。おのずと行ける場所は限られてきます。
 同じ目的地でも、趣向を変えて楽しめるよう、次のツーリングでも考えていきたいと思います。



 屋島工房ツーリングは、今後も年四回のペースで続けていきます。

 行く先は、基本その時々の店主の思いつき・・・。メンバーの「行きたい」ってアイデアも頂きながら、ルートを考えています。毎回毎回、新しいメンバーの方が加わって、楽しいツーリングになっています。ご希望の方は遠慮なくご参加ください。ツーリングの予定については、時々屋島工房のHPをチェックして下さいね。


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