岡山県 吹屋

岡山って、これぞっていうツーリングスポットが無いのですね。もちろん蒜山とか牛窓とか、有名どころもあるのですが、すでに行き尽くしたというか、あえて何度も行くことも無いですね。それでもね、まだまだ僕らの知らない「岡山」があるはずですので、それを探索すべく、あえてB級観光地に絞ったツーリングを企画してみたわけです。


2019年 春のツーリング 目的地 井倉洞 吹屋 (2019.5.5)





 屋島工房ツーリングは、今回が34回目の開催となりました。

 冒頭でも述べましたとおり、僕ら香川県人からすると岡山って、ツーリングのために通過はすることがあっても、あえて目的地とすることは、ほとんど無いのですね。

 それはひとえに、絶景が望める「蒜山とか牛窓」に行き尽くしたことと、同じ瀬戸内の気候帯に属するところなので、基本香川と同じで、そんなに感動する景色も岡山には無いのでしょうと。
 だから、あえて岡山を通って日本海や広島・兵庫の方に行ったりするのでした。

 でもね、そういえばここ最近、岡山って「ノーマーク」だったなぁ・・・ってことに気が付きまして、「ネタ切れ」気味の僕らも岡山を再確認することにしたのです。
 観光ガイドブックをピックアップしていると、「井倉洞」とか「吹屋」とか、なんだかB級感あふれる観光地が出てくるわけです。なんとなくそそられるところがありまして、ツーリングの目的地として急浮上したのです。

 ツーリング仲間の常連さんに聞いてみると、「もちろん名前は知っている・・・、でも洞窟なんて行ったこと無い」。という方ばかり。それはそれで初物だったら「面白かろう!」ということで、今回は岡山を旅することになったのです。


 朝7時に屋島工房を出発して、途中のSAやインターで仲間を増やしながら、岡山に向かいます。

 当然瀬戸中央自動車道を通って北に向かうのですが、瀬戸大橋も橋ができてから約30年。サビが浮いてくたびれてきていますね。

 当日は快晴。今年のゴールデンウイークは10連休だったのですが、流石に最終日付近では、みなさんお疲れだったのでしょう。交通量も少なめでした。

岡山道総社PAで待ち合わせをいたしました。僕を入れて総勢8名のツーリングとなりました。先頭を走っていても最後尾がわかりやすい、程よい人数です。

途中賀陽インターから高梁川沿いを北に向かいます。岡山の山中は比較的なだらかな道が多く、整備も進んでいるので走りやすいのが特徴です。

 岡山道の賀陽インターを降りてから一時間程度走ると、井倉洞に到着します。

 井倉洞は、石灰岩の岩盤を長い年月をかけて地下水が侵食し、できあがった洞窟です。その長さやスケールは、結構巨大でして、入り口から入って出てくるまで約1時間コース。B級観光地って僕らが言うのも失礼なぐらい。
 でもね・・・GWにもかかわらず、付近は静かな感じで、混雑もなくすんなり洞窟探検を楽しめたのでした。

 実は、2018年夏の水害で、井倉洞は大変な被害を受けたみたいでして、入り口付近にあった昔ながらの土産物屋さんや食堂などが軒並み流されたそうです。
 今ではすっかり被害の跡は片付いていますが、ちょっと閑散とした感じがあるのは、この前の年の水害のせいもあるのかもしれませんね。


水害の後に整備された遊歩道から、滝が見えてきます。
まぁ、僕らツーリングライダーが行って、井倉洞にお金を落とすのも有意義かもしれません。

こちらが井倉洞の小さな入り口です。中はヒンヤリ冷たいので、ツーリングの上着を着ていても大丈夫ですね。

途中こんな岩の割れ目を通ります。何度もありますので、キレイな格好は不要でしょう。

なんて表題を付けられているのかは不明ですが、皿状になった岩を触りながら通り抜けます。

おどろおどろしいライティングですが、石柱の巨大さに驚かされます。よそ見禁物ですね。

約1時間ほどの地中体験。狭いところから出て、背筋を伸ばして歩けることにホッとしています。

井倉洞見物を終えると、時間は午前11時ころ。
みなさん朝も早かったのでしょう、少し早いですが昼食をとることにしました。



 井倉洞から、少し山を駆け上がったところに、草間台地というところがあり、昔から水が貴重だった台地では、稲作の代わりに、小麦や野菜やたばこ、そしてそばの栽培が盛んでした。

 各家々では、来客時のおもてなしにお米が準備できないので、代わりにそばを打って振る舞ったそうです。 今では水道が整備されましたが、その風習は今でも引き継がれており、そば栽培が行われているだけではなく、そば打ちをされるご家庭も珍しくありません。

  このように、草間台ではそばを食べる事が、人々の日常の食生活に根付いたものなのです(そば道場 田舎家HPより)。


そんな歴史と、地元の人から愛されてきたそば屋さん・・・。
井倉洞の近くにあるなら行くしか無いでしょう。

開店時間間際でしたので、すんなりと蕎麦にありつけました。僕らが入ってから続々とお客様が・・・。

ケンチン蕎麦が名物ですので、それを頂きました。もともとは千切りの野菜を炒める料理のこと。素朴な味わいで美味しかったです。

蕎麦を味わうなら、やっぱりザルも食べなきゃいかんでしょう。そば粉の産地ですね、ほんのりと香りが高く、のどごしも良かったです。


さあ、お腹もいっぱいになったことで、次の目的地に急ぎましょう。



井倉洞から30分ほど、山中のアップダウンをハイスピードで駆け巡ると吹屋の町に着きます。

吹屋は、近くに銅の鉱山がありまして、それを酸化させた酸化銅(ベンガラ)、
の一大産出地となりました。ベンガラは、神社仏閣の建物や生活用品にまで使われる
赤い塗料として、日本国中で重宝されてきました。

そのベンガラの潤いで、この山中に巨大な邸宅が軒を連ねる町並みができたわけです。

今では、石州瓦(赤茶色の瓦)とベンガラで塗られた壁を大事にした昔の町並みを
キレイに復活させていて、ツーリングの目的地としても楽しめる場所ですね。



アンティークの雑貨屋さんやお土産屋さんがいっぱいあります。
われわれオッサン一行は、どちらかというと団子の方が興味有りですね。

もちろん美味しく頂きました。

吹屋近くには、ベンガラを産出した鉱山がありまして、一般開放しております。ヘルメットも貸してくれて、本日二回目の地底探検となりました。

笹畝鉱山と言うらしいです。詳しい案内はこちらをご覧ください。井倉洞は自然が作り上げた洞窟なのに対して、こちらは人が掘った穴ですね。

蝋人形がところどころにおりまして、昔の過酷な鉱山での労働を再現しております。大変でしょうね・・・。

坑道から出てきて、ホッとした御一行様。ヘルメット姿が皆さんお似合いでございます。

そういえば、今回は行かなかったですが、吹屋といえば映画「八ツ墓村」の
ロケ地としても有名ですね。

なんとなく、寂しい感じがするのは、そんな先入観があるのかもしれませんね。
僕らアラフィフ世代にとっては、とってもビビらされた映画でしたものね。

表現するのは難しいですけど、そんなちょっと「おどろおどろしい」空気感が
漂っているような気がするのですが、僕だけでしょうか?



吹屋から、山道を南に南下して、井原の町を目指します。

今回は、実は初めて携帯ナビをインカムに流して使っていました。
正直通ったことの無い道ばかりでしたので、先導に自信が無かったからです。

それにしても岡山山中は、ちっとも案内看板が無いので、
ナビが無かったらちょっと困りますよね。
似たような山道と田園景色が延々と続きますし。

ひとまず、迷子にならなくて良かった・・・。

井原の町では、その昔井笠鉄道という軽便鉄道がありまして、その駅舎を使った記念館が残されていました。

さて、今回のツーリングはこの井笠鉄道記念館が最終目的地。
いつもなら、夜が更けるまで走り回るのですが、
皆さん連休疲れもあることでしょう。程よく日の高いうちに解散とし、
家路につくことにしました。



下津井瀬戸大橋です。高松方面組は、往きと同じく瀬戸大橋を通って家に帰りました。

まあ、今回のツーリング「B級観光地」と侮ることなかれ、
大の大人がすっかり楽しめるツーリングスポットであること間違い無しです。
ぜひ、ネタ切れに困っている近隣のツーリング主催者さん、
井倉洞や吹屋・・・ぜひオススメしておきます。



 さて、春のツーリングは、無事すべての行程を終えることができました。

 2019年7月の夏ツーリングは、春と同じく岡山方面を予定していたのですが梅雨明けが遅れ、雨模様が確実なため中止となりました。天候ばかりは仕方ないですね。次の機会に期待しましょう。




 屋島工房ツーリングは、今後も年四回のペースで続けていきます。

 行く先は、基本その時々の店主の思いつき・・・。メンバーの「行きたい」ってアイデアも頂きながら、ルートを考えています。毎回毎回、新しいメンバーの方が加わって、楽しいツーリングになっています。ご希望の方は遠慮なくご参加ください。ツーリングの予定については、時々屋島工房のHPをチェックして下さいね。


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