柔軟性と耐久性、そして粘り強さからの引き裂き強度にも優れ、水に濡れても傷まず、吸汗性が良く汗をかいてもべたつきにくい…と羅列すると良いことばかりの、グローブに最適な素材。その使用感は、一度使うと虜になってしまうほどで、3シーズン、メッシュ、防寒のグローブを全て鹿で揃えてしまうお客様も少なくない。
しかしながら、鹿は革が小さい上、行動的な動物でケガが多く革にもその傷が残るため、傷を避けてパーツを裁断するには多くのロスを伴う。まして流通量が極端に少ないことから、牛に比べ生産効率が圧倒的に不利。結果として高価になってしまう。ただし、優秀な耐久性により、牛革モデルとの差額程度は十分に回収が可能でもある。弱点はあれど、それを補って余りある利点を持っている実に悩ましい素材なのだ。 |