2009年4月27日
青森以北の桜巡りは初めてである。なぜ行けなかったといえば、答えは簡単。やはり遠い。
もう何年も前から弘前(ひろさき)城跡の豪快な桜をこの目で見たかったが、やっと今回機会を得ることになった。地球温暖化かどうかは知らないが、満開時季がGW期間より前に早まっているからだ。ただでさえ花見は人々が集まるのに、GWに行く気はしない。
4月中旬以降、弘前のネット桜情報を毎日にらめっこ。4月17日、ついに開花宣言が出された。例年よりすごく早い。地元のネットでは23日頃が満開の予想。ではその頃に出発しようと準備していたら、東北に大きな低気圧が接近中。そんなこんなで結局4月27日の出発となったわけで 「もう散ってるだろうなあ、でも津軽海峡を渡れば函館五稜郭(ごりょうかく)の桜は満開のハズ・・・?」と考えつつ東北自動車道を我ら2台は北上。
ゼファー750とスク〜タ〜(フォルツァ250)。カメラや三脚等々をたっぷり積んでゆく場合、スク〜タ〜は便利。ただし、可哀そうなくらいず〜っと全開!
岩手県のサービスエリアでカレーを購入。ぶつぶつ言うカミさん。
「まだ1日目でおみやげ買わなくても・・・しかもカレー」
東北のご当地カレーコーナーってのがあって、つい食いたくなって買ってしまったのだから仕方がない。スクーターは荷物積めるし。
春先にETC機器を2台のバイクに装備した。ご多分に漏れず土日の1000円乗り放題の恩恵を得ようといった寸法である。いやっ、だった。
4月26日の日曜日になっても低気圧は通り過ぎてくれず、渋滞+雨天走行の1000円か、そうじゃない定価(?)か迷ったが、翌日も怪しい天気予報なので、しかたなく月曜日出発の定価(?)を選択。・・・いったいなんなんでしょうかねえ、土日祭日乗り放題1000円ちゅうのは。政府はついこないだまで省エネだのエコだのと言ってたのに、こんどは1000円乗り放題でガソリンをガンガン使え、って。こんなんで大丈夫かぁ、我がニッポンの国はぁ。(まだいちども1000円の恩恵を受けていないボヤキ)
朝出発して岩手県の鉛(なまり)温泉に向かう。そう、弘前に直行ではない。なぜなら、「青森までなんて、遠くてヤダ!」のカミさんの意思で、途中一泊。2時間程度の差しかないんだけどなあ、、、。
レインウェアを着てるのは、雨ではなく寒いから。
鉛(なまり)温泉到着。山深いといった風景ではない。
岩手県に入るとついに雨の注意報が。やなマークだ。
宿の前の急勾配急カーブ、すぐにジャリ。こういうのはカミさん転倒率80%。今回はセーフ。
花巻南インターから一般道に。気温8℃。寒い。
地ビール、といってもキリンだが、部屋に案内されると同時に飲む。バイクで走ったあと、なぜに旨いのか。
青森県弘前に直行しないからにはいい湯に浸かりたい、と前もってあれこれ探したのが鉛温泉藤三(ふじさん)旅館。温泉ツウならば誰でも知っているメジャー級の一軒宿だ。
私の温泉選びは“源泉掛け流し”が基本。源泉からの湯がドバドバと湯船に入り、そして垂れ流す。清潔だし、カラダに良さそうだし贅沢な風呂ってわけだ。もちろん鉛温泉もそう。
しかし“鉛”って、カラダに悪そうな名前つけてるのが不思議でならない。鉛の由来を宿に聞いたところ、
「この集落の地名だけども、その昔、ここらは“金”が採れ、その税を抑えるために“鉛”と偽った、と言い伝えられてるんだが、、、」
今も昔もインチキはあるものだが、温泉と鉛が無関係にあるのは幸いか。
さあて、ビールも飲んだことだし、夕飯前にここの自慢の風呂“白猿の湯”に入ろう。えっ?混浴?、いやぁ〜知らんだ。(ウソ)
廊下にある窓。この外側が混浴の白猿の湯。どこにでもマナーを知らないタワケ者がいるらしい。なお、女性専用の時間帯もある。
※湯船は撮影禁止です。当サイトの写真は、宿の許可を得て撮影してます。
600年ほど前、この宿主の遠祖が、一匹の白猿が木の根元から湧き出す泉で手足の傷を癒しているのを見て開湯したといわれる。
宿の地下1階といった場所にあり、湯船の深さは125cmと深い。当然ながら立って浸かる。源泉は中央部分の底の岩からド〜っと湧き出している豪快な風呂、いい湯だぁ!。
透き通った川のせせらぎを聞きながらの露天風呂、これもまた良し。
ここの湯はアルカリ性単純高温泉。どちらかといえば私は酸性より、なめらかな感触のアルカリ性の湯のほうが好きだ。とはいえ、酸性かアルカリ性かで温泉を選んでいるわけではない。酸性の温泉特有の殺菌効果のあるピリッとした湯(酸性が強い場合)も良いものだ。いずれにせよツーリング直後の温泉は、適度に疲れたカラダを癒してくれる。
白猿の湯で、まだカラダがポッカポカしているうちにメシだ。ETC1000円バーゲンを受けられなかったので節約しよう、なんて考えはこれっぽっちもなく、+2000円のAランク前沢牛しゃぶしゃぶコースと大奮発! してその味は?・・・同じ東北の山形県米沢牛との味を比較してお伝えしようとおもったのだが、なにせ2年前のことだったので、その味、すっかり忘れてしまった。なので味比べは不発。
山の温泉地なのに、カニやらエビやら刺身やらの海の幸が豊富。個人的には山菜等の山ならではの料理が食いたいと思ってしまうわけで、、、。
夕食後、女性専用タイムの白猿の湯にカミさんは行き、そして帰ってきて 「なにあれぇ〜、首まで浸かっちゃったぁ」。160cmの身長ではそうなるが、背の低いバアさまジイさまはどうなるんだろう、ガキは? と心配してみたりする。まあ、いい湯にはちがいない。私が皆さんにお薦めできる温泉だ。
宿を出る朝。カミさんは
R-06
、私はピッカピカに磨いておいた右の
R-01
(サンダルではない!)、1年半、約6000キロ使用。極上の温泉に浸かりに行くには、いい足元が必要である。これ、夫婦坂の基本。
鉛温泉の全景。宿の前は川幅広い清流。
藤三旅館:1泊2食付¥8980(平日プラン)〜、とリーズナブル。
宿のHP>>
宿を出て走りながら思った。短いながら今日も高速道路を走るが、千円ではない。しかし千円の日ではないから、あのような人気ある宿に直前予約でも泊まれるのだと。私はこれを“逆ETC効果”と呼んでいる。(くやしいからそう思い込んでいる)
ETCは便利だ。
直前でないと開かないスリルあり。
天気も良い。これで千円ならなあ。
大宮ナンバーのGPZ900とフォルツァとゼファー750。250のくせに、スクーターがいちばん大きく見える。(いや大きい)
ちなみに、ゼファーはノーマルマフラーに戻している。只今、モリワキ鉄チンマフラー耐熱塗装中。ゼファーの排気音はほとんどしないが、フォルツァに付けたSP忠男のマフラーは、いい音するんだぁ!(車体だけじゃない、音も大きい)
盛岡辺りのサービスエリアで休憩中、うしろにGPZ900氏が止まった。埼玉県大宮を朝6時過ぎに出て来たと言う。我らは昨日の8時過ぎに東京を出ている。現在10時過ぎだから、GPZ900氏は4時間でここ。我らは26時間でここ。目的は偶然にも“弘前の桜”と同じだが、走り方は大きく違う。それにしても500キロの距離を4時間ちょうど(途中休憩含む)とは頼もしい。
ぶっ飛んで走って見に行く桜と、まったり走って温泉浸かったあとで見る桜、同じ桜巡りにもいろいろあるものだ。
雪をかぶった岩手山が正面に。
気温8〜10℃。カミさん防寒仕様でまったりと走る。
まったりと言っても100〜130km/h。スクーターは全開である。
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