2009年5月24日

 話は前後してしまうが、2009年5月24日の夕方、我らが宿に着くとすぐに坂上カメラマンの撮影が開始された。ホタルを見に行く正当な格好をV MAXとともに撮っておこうというものだ。
 ササッと撮って早くビールが飲みたい、すぐにひとっ風呂浸かりたい、の思いもむなしく、1本、2本、そして3本のストロボを設置しだした。・・・時間掛かってるし、、、。

沈んでゆく太陽は後ろ側。逆光だから仕方がないのだけれど、ストロボ3本とは大掛かり(贅沢ともいう)。


 ストロボだけでなく、写真には写ってないが自分の車のヘッドライトまでカミさんに当てているのだ。こういった撮影はササッとは終わらない。「早くビールが飲みてぇ〜」
 では、ストロボの魔術師、坂上カメラマンの写真をどうぞ。。。



 さ〜てさて、軽〜くひとっ風呂浴びて、旨いメシとアルコールを体内に補給して午後7時半頃、ホタル巡りに出発。今夜のホタル案内役はダンナの長男だ。ダンナとは大きくちがい、クチ数が少ないのでホタルの現場では静かで都合がよろしい。
カラダはデカイが態度は小さい長男氏。この格好はヤラセ。ちなみに三男は料理担当でダンナと3人の息子は全て、なぜか東京農大出身。

 普段の仕事って何やってんの、と長男に聞く。
「フトン敷いたり掃除したり、クワガタや川エビ獲りに行ったりと、雑用かな・・・」 と寂しそうにポツリと話す。
 単にホタル案内人といっても、5月上旬からというもの、この宿に泊まるホタルを楽しみにして来たお客さんのために、夜、あちらこちらと走り歩き、地元知人からも情報を聞き出して日々努力しているのだ。ダンナ(親父)さんよっ! もっと給料上げてやんなよっ! と言ってあげたかった。でもダンナのことだ 「それならもっと泊まりにくるか、多少宿代上げさせてもらうよっ」 などと言うにきまってるからやめといた。
 まあ多少変わったダンナ(親父)だけれど、やはりこの長男、尊敬していることが少ない言葉の中からでも分かる。余計なことはひかえて、客に徹しよう。
 さあ、今年のホタルはどんなかなあ〜、と出発。

まずは[ホタル観賞の心得]:ホタルを見に行くなら注意することがある。そのいくつかをお伝えしよう。
◆懐中電灯の話:我が夫婦坂組が持参している弱々しい光を放つロウソクのチョウチンがいちばん良いが、どこにでも売っているようなものではない。ならばホタルを驚かさないように電池が切れ掛かったくらいの明るくない懐中電灯が良い。そしてホタルのいる場所ではすぐに消す。それがホタルへのマナー。
◆蚊:ホタルのいるところには蚊もいるだろう。しかし虫よけスプレーなどは、現地では厳禁。ホタルも虫であることを忘れてはならない。
◆ホタル:キレイだからといって持ち帰ってはいけないっつうのは、あったりまえのマナー。
◆写真:ホタルの乱舞はコンパクトデジカメではまず写らないと思っていたほうが良いだろう。ストロボ(フラッシュ)を使うなんてもってのほか。ホタルは驚くし、ホタルの光はゼッタイに写らない。


 いよいよ坂上カメラマンとの戦いの時がきた。バイク走行写真(乗車走行ひとりカメラは除く)や商品写真等は、どうころんでも勝ち目はないが、ホタルは別。そこそこのカメラ操作知識さえあれば、“運と勘”でなんとかなるのだ、たぶん。

 ホタルが乱舞している時間はせいぜい1時間、その間に2ヶ所をハシゴしようって寸法だ。宿から車で15分ほどの第1の場所に着くと、そこには50匹くらいだろうか、可憐に舞っている。美しい。ああ美しい。しかしカメラとの距離が30mほどと遠く、写真には適さない。見るだけにして第2の場所へ移動。

 ワサビ田の小道。そこに乱舞しているのは第1の場所より少ない20〜30匹のホタル。しかしその光景はすぐ近く。というより目の前、というより我らの服に止まってしまう超至近距離! では写真をご覧いただこうか。。。



PHOTO:三橋


カメラのレンズ前を通過するホタル。豪快な光りだ。



ロウソクの火を消したチョウチンによって来るホタル。その1匹、止まろうとしたが、滑って落ちてゆく姿もとらえた。




葉にとまり、オスを待つメスホタルの4連の光り。


EOS 5D Mark U レンズ:f/2.8L 24〜70mm:ISO感度1600 絞り4 各40〜70秒のバルブ撮影


 ど〜です、綺麗でしょう、可憐でしょう、美しいでしょう。これが源氏ボタルの放つ光り、私の撮った写真なのだ。“レンズの前を通過するホタル”なんぞは芸術的でしょっ? それを撮ってモニターで確かめた時は「やったぁ〜!」という気分であった。
 で、坂上カメラマンの写真はといえば、、、あのオッサン、失敗こいていた。というより、リモートスイッチ(長い時間シャッターを開けるのに必要な機器)を忘れてきたため、まともに撮れなかったようだ。それ忘れちゃあまずいだろう、プロがぁ!(本人、十分反省しているもよう)

 ということで、ホタル撮影はやはり運が半分、残りは勘と少しの技術、だから勝てたかな、今回は。。。


カミさんの'09型R-06Leと、すでに2万キロは履いている私の'05初期型ショートグフ。いまだバリバリの現役。

 翌日の朝、すっきりと晴ればれした私とすっきりしない表情の坂上カメラマンが言葉少なに朝飯を食う。ホタルの話は厳禁だ。
 さて、松崎町を出て下田に向かおう。そこには旨〜いもんが釣れるし、食えるのだ。・・・ではまた。

◆西伊豆松崎周辺の源氏ボタルの見ごろは5月中旬〜6月下旬とやや早め、その他の地域では7月でも見られる。ぜひオートバイで癒しの旅を。

◆協力:桜田温泉 山芳園 ・・・HP >>
 (宿泊以外の問い合わせは、どうかご遠慮ください)

◆おまけ:山芳園では、「夫婦坂のサイトを見た!」といって宿泊すれば、ご覧の山芳園飲泉ミネラルウォーターとダンナ栽培の干しシイタケをセットでプレデント。(筆者は1回ももらったことがないけど)

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