2010年3月30日 午後〜


 家山駅周辺の桜は満開なのに、なんだか汽車ばかり撮って桜巡りをしていないような気がする。せめて汽車と桜のツーショットくらい撮ってくれよっ!と言われそうだが、真っ黒な汽車と淡いピンクの桜をどちらも鮮明に撮るというのは、少々カメラ知識がある人ならお分かりだろうが、そう簡単なことではないのだ。
 とはいえ場所を移動してその両方をしっかりと撮るのです!・・・といっても上のタイトル写真でバレバレですがね、、、。



大井川沿いに咲く山桜:深いグリーンのなかで薄いピンク、濃いピンクが鮮やかだ。人工的な桜並木も豪快で美しいが、私は自然の中にポツリポツリと咲いている山桜のほうが、より美しく感じる。




 家山駅の片隅で待っていたGSFにまたがり、3キロほど北上。やがて大井川の川幅は狭くなり、目的の大井川鉄道 第1橋梁につく。周りの山の斜面に咲く山桜が実に美しい。
 さてこの第1橋梁、数あるSL撮影ポイントのなかでも、いちばん有名な場所と言ってよいだろう。上流を目指すSLに、煙が期待できるし(この煙が肝心なのです)、橋が後半にカーブしているのだ(それがどうした!と思わんでください)。であるから、さぞ同業者の撮り鉄がいっぱいいるだろうと思ったら、たったの数名であった。なぜかな〜?
 そうそう、ここには川根温泉ふれあいの湯というのがあって、露天風呂から橋を渡るSLを眺められるとして有名。だが温泉に浸かっているヒマなどない。もうすぐ今日2番目のSLが通過するのだ。


鉄橋上でSLがコーナリング、いや、手前でカーブしている鉄橋をSLが走る。よし、ここで撮ろうか、と思うも逆光(=SLは影)なので右の方へ移動。



時間の関係で逆光ぎみではあるが、まあなんとかなるだろう。やがて元・京阪電鉄の特急(ここでは普通)3000系がやってきた。練習がてらに失礼!




 ボォ〜〜〜、汽笛が聞こえる。向こう側から白い煙が上がっているのが見え、そして真っ黒な鉄のかたまりがゆっくりと橋を渡ってくる。シャッターチャンス!















 C11 227号機だ。“さくら”のヘッドマークを誇らしげに掲げ “急行 かわね路”が走り去っていった。この大井川鉄道では桜シーズンのこの列車には“さくら”のヘッドマークで走る。なおマークは3種類あり、今日のピンクとグリーンのツートンカラーは沿線の桜満開を意味する。
 そもそも、さくらヘッドマークのC11というのは、東京〜佐世保・長崎間の寝台特急“さくら”が、終点の早岐(はいき)〜佐世保間で走っていた姿。昭和40年代半ばの国鉄時代のことだ。
 C11に真っ黒な煙を期待していたが、家山駅で先行していったC10と同様、7両の客車に電気機関車付。ちょっと楽をしてるようで、煙は少ない。しかし気温が低いことが幸いして、真っ白な蒸気は大サービスであった。・・・いいな、やっぱり汽車は。


 “桜”と“バイク”と“さくらの蒸気機関車”、その3つをいっぺんに撮りたかったがここではちょっと無理なようだ。ツーリング紀行なのに移動の道具となってしまっているGSF、可哀想だから桜とのツーショットを撮ってあげ、また大井川上流へとスロットルオープン。山にこだまする集合管の音色は素晴らしいが、山の斜面に咲く美しい山桜は迷惑そう。




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