2011年10月27日

鹿児島中央から新幹線で京都に到着。



まずは京の都をぶらついて。

 新幹線はエライ! というのは前のページでさんざん話したので次に進もう。
 京都五条の染物屋“いづつ”さんには午後4時に訪問するアポをとったので、昼飯でものんびり食って、京の街を散歩することに。
 そういや今年は京都に何度来ているのだろうか。仕事と遊びと両方で6回か、7回か8回? 最近ボケてるのではっきりしなくてスマンです。ま、それほどちょくちょく来ているので、ほとんど地図など不要で歩き回る。「おっ、あの舞妓さんはニセモノだなっ」な〜んてのも分かるようになってきたのだ。そんなの分かっても、べつにえらくないけど。
 メシはせっかくだから京都ならではの和風がよい、と風情たっぷりの町家風料理屋に入ったら、おっとどっこいフレンチレストラン。私はナイフとフォークが苦手な和風バイク&鉄道野郎である。



町家の街並み。面白いわけではないが。

町家を改造したフレンチレストラン。
おっ、目の前に見覚えのあるやつがいる。 見覚えのあるやつは、昼飯後も着いて来た。


 見覚えのあるヤツは“橋本 道継(はしもと みちつぐ)”という。2011年の前半までは、京都市内の某二輪用品大型店の店長だったが、なぜか退社したので、その後は我らの京都案内役を経て、現在は弊社(見習い)社員。たま〜に夫婦坂店舗で販売スタッフとして顔を見せている。
 橋本は京都在住であり、東京にはほとんど来ない。では弊社でどんな仕事をしているのか、今後どのような仕事をするのか? いったい何をたくらんでいるのか?・・・は言えない。
 いや、言いたいんですよ、ほんとはね。ノドまで出かかっているんだけど・・・今は言えない。まあ次の第五話から少しだけしゃべってしまおうとは考えてますがねえ、、、?。



染物屋の若旦那の山田さん。

 京都市内の真ん中を横切る国道1号線。その通り沿いに染物屋“いづつ”があると聞き、そこに向かう。しかしそれらしき染物屋はない。住所はピンポイントなのに・・・しかし上を見上げたら「あった」。
 山田氏にケイタイ掛けたら、すぐに出てきた。とはいえ顔は知らないが、なんとなく若旦那風だったので氏と分かった。
 「いづつの山田さん?」「ハイそうですぅ〜」「このガラス張りのビル全部、いづつさん?」「テナントで貸してますがそうでおますぅ〜」・・・ビルでやんの。私は明治25年創業の染物屋さんと聞いたから、歴史を感じる木造建物を連想していたのだ。
 若旦那と我ら(橋本なんちゃらもいる)はビルの事務所に入る。その応接室で山田さんは懸命に染物の説明をするが、理解できるのは私ですら2〜3割程度だから、ここでの話の内容は省略しよう。まあとにかく染物ってことで・・・。


染物を必死に説明する、いづつの若旦那、山田さんではあるが、、、。


 初対面ではあるが、山田さんには今晩いっしょにメシを食おうとあらかじめ伝えていた。そして地元の地の利を生かして、山田さんに居酒屋を予約しておいてもらった。さらに言えば、山田さんは私より20ほど年下の男の子(キャンディーズですよっ)だから、おごってあげる、と。
 「じゃ、メシにしましょうか、話はあとでじっくり聞くとして」・・・歩いていける近所だと思ったが、タクシーで居酒屋?に向かった。橋本はクルマで来ているので「じゃあまた!」。少々寂しそうな顔をして、ひとり帰っていった。



山田さんから山ちゃんへ。

 タクシーは木の看板が掛けられた格子戸の前で止まり、そこで我ら3人は降りた。居酒屋じゃねぇじゃん!。格子戸の入り口の雰囲気から、そこは日本料理屋だと分かる。

格子戸をくぐりぬけ(小柳ルミ子:わたしの城下町)るには勇気がいる。
足元の照明に誘われるように先へ進む。先頭は和服姿のカミさんだ。

 私は山田さんに「メシ」と言ったが、それは「飲み屋」を意味するのは世のオヤジの常識。しかし京都の若旦那はそうでないらしい。京都には何度も来ているが、このような料理屋に入ったこともなければ、入る勇気もなかった。そして私の場合、知らない飲み屋では、その入り口に“メニューと金額”が出てないと入らないのだ。
「山田さん、ここに予約を?」
「そうですぅ、ここはミシュランのふたつ星ですぅ」
 思わずサイフの中を確かめたくなった。このような上品な料理屋は初めてだし、ましてやミシュランの星があるなんてのは・・・そしてカミさんは和服を着てるからいいけど、俺ジーンズじゃないの。
 のれんをくぐって、これまた格子戸の玄関を開けると、和服のおねえさんの丁寧なご挨拶で迎えられる。やっぱヤバイな、私のサイフの中にいる「福沢諭吉」の人数では・・・。


※ワケあって撮影したが、通常は遠慮したほうが良いようで。


 我らはカウンターに案内された。そしてすぐさま生ビールを飲む。やや緊張ぎみに。
 そうだ「メシおごるよ」なんて言ったものから、山田さんはわざとこんな高級なとこを予約しやがったな? もしかしたら意地悪なヤツなのか? といった思いも、次々に出てくる美しく盛り付けされた料理の、その極上の旨さに忘れてゆく。カミさんは「涙がでるほど美味しいっ」と言うほどに。
 目の前では、そのしぐさで料理長と分かる人がアワビを切っている。すると隣りの山田さんが気安く声を掛け、紹介してくれる。
「ボクの姉のダンナさんですぅ、今日はおネエちゃんは来てまへんがぁ」
 なんだ、ここのオーナー兼料理長は、かなり近い親せきではないか。そうかそうだったのかぁ。(多少カネがたりなくても、なんとかなると安心する)


 なんだか気が楽になった私は、“にしかわ”さんの美味〜い料理を食いながら、隣の山田さんと景気よく飲み、京都のことや染物のウンチク、そして舞妓はんのことまで和やかに話がはずむ。
 アルコールってのは怖いものだ。この店のカウンターに座って1時間少々経っただろうか、今日初対面の「山田さん」だが、いつのまにか・・・「山ちゃん!」と呼んでいた。それ以来メシの席ではず〜〜〜っと「山ちゃん」である。そしてこの時から「山ちゃん」には、ある件でずいぶんと苦労を掛けさせているが、その「ある件」を今しゃべってしまうわけにはゆかないので、またいずれ(でも第五話で少しだけしゃべっちゃおうかな・・・)。

第四話 おしまい

[追伸] 関絹織物:関健二郎殿
 山田氏の名は「智久(ともひさ)」ってゆうんだぞっ・・・覚えてあげてちょうだい。


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