[2011年4月8日]

伏見の十石舟と京阪電車

 朝起きてホテルの窓から空を眺めると、今にも雨が降りそうな天気。今日は一日、京都の桜巡り予定だがおおいに不安。
 朝食を済ませ、まずは伏見界隈の桜を撮ろうと走りまわる。橋の上から十石舟(じっこくぶね:昔は運搬舟、現在は観光舟)と桜と京阪電車のスリーショットを撮ったところで雨が降ってきた。しかたがない、どこかで雨宿りでもしよう。


減っちゃったなぁ〜・・・。



 やってきたのは同じ伏見のRSタイチ京都。昨晩いっしょに飲んだ橋本店長(2011年4月現在)んとこだ。
 開店前なのでお客さんはだ〜れもいない。ちょっと軒先で缶コーヒー一服タイム。そこでなにげなくリアタイヤを見ると、あれっ、けっこう減っている。自宅を出る前にも確認したが、あと2000キロは走れるだろうと思っていた。しかしすでにあれから1500キロを走破。まだ溝は残っているのだが、この先、まだまだ旅は続くのである・・・そうだ、ここでタイヤ交換だ!

 やがて出てきた橋本店長が、あれっ?とした顔で「なにしてんスかぁ?」と言うので、「タイヤ交換してくんなさい」と依頼する。旅先で交換するのは今までで初めてのことである。
 交換作業の待ち時間で、RSタイチ京都の店内を偵察する。なんと広々とした店なのか。

本日の作業一番乗り。もっとも、雨の平日、開店前なら当然だろう。

パーツ類も豊富にある。なお小さなガキ用遊びスペースには、なぜかペコちゃんクッション。
売場面積はペアスロープの15倍以上はあるだろう。うらやましい・・・。

おっと、見覚えのある製品群が。あいかわらずセンスの良い品々である。


 京都店にはペアスロープ製品(革ジャン除く)がある。そういや今年2011年3月、人類史上初めて京都に弊社製品をラインナップした。
 そしてまた、そいうやそうだんたのだ・・・この京都伏見に私が来た理由は、松下たちと酒を飲むためだけでも、京都の桜を見るためだけでもなく、明日からの4月9・10日は世界初の“夫婦坂出張イベント”開催。そのために東京から高知経由でやってきたのだ。(スマンです、ホンネは桜巡りのついでです)
 京都店の入り口ドアを抜け、その左側にペアスロープ専用コーナーがある。一般的に、メーカー専用コーナーがあるのは少ない。ではなぜ弊社コーナーがこの店舗の一等地にあるのかと申せば、このメーカー、ものすごく人気があるからにほかならない。とはいえ明日からのイベント、はたしてお客さんがおおぜい来てくれるか・・・ちょっと不安もある。


 おっ、店内で時間をつぶしていたら、タイヤ交換も終わるようだ。さ〜て、京の都の桜巡りを再開しようか。雨、降ってるけど。。。




東寺の五重塔と桜・・・と雨。

東寺:国道1号線沿いの南大門

 雨の中を京都伏見のタイチ京都店から、京都駅に向かって国道1号線を5キロほど北上すると東寺がある。およそ1200年前の創建という、由緒ある立派な寺である。



 国道からもチラリと桜は見える。まずはこの東寺に入ってみる。
 境内の有料駐車場に行くと係員のオジさんが「雨降ってるから、あの木の下が濡れなくていいやないかねえ・・・」と親切に駐輪場所を指差して教えてくれた。そのとおり、その場所にCBを停めた。木は、傘の役には立たたなかったけど。

 空はどんよりとしたライトグレーの雲が被い、雨は無情に降り続いている。そんなせいか、観光客は少ない。そしてやや遠くに咲く桜の花の鮮やかさは薄れている。しかも近づけば、メインのシダレ桜はまだ7分咲きである。
 これが快晴の青空だったら、そんな天候で満開のときに来れば・・・「たら」「れば」の連発で、ヘルメット・カッパ姿の野郎がひとり、五重塔へと向かう。
















 世間では、国宝級の写真が撮れる天才か?と言われているこの俺様ではあるが(自称です)、雨ではどうにもならない。カメラをちょっとでも上へ向ければ、レンズに雨粒が(左写真)。それを避けようと手ぬぐい片手に奮闘するも、そんな努力は報われない。
 ・・・もし青空だったら、五重塔と桜のツーショットはさぞかし魅力的だろうなあ、、、と、また「たら」が。




二条城の心意気。


 東寺を出て、京都市内中心部をさらに北上したところに“元離宮 二条城(にじょうじょう)”がある。駐輪場はその入場門のすぐ横。クルマはずっと奥のほうだからこれはありがたい。
 この二条城、江戸時代となった1600年代初頭に、あの徳川家康によって建てられた。城の名がつき、立派なお堀もあるのだが、ここに来るまで私は「城」だとは思わなかった。小高い岡の上にも石垣があり、そこに天守閣がど〜んとそびえ立つ、それが私の「城」認識だったから。ところが二条城はほとんどまっ平の平地にあるのだ。
 二条城で名高い建物に“二の丸御殿”がある。この建物、時代劇に登場することが多いので、見覚えのある人はおおぜいいるはず。あとでご覧に入れよう。「見た見た、この建物テレビで見たことある!」と、きっと思うでしょう。

雨のせいか、観光客はまばらである。




ほ〜ら、この建物見たことあるでしょ。


 この二条城に来た理由は、桜がもの凄い、ということではない。ではなぜ・・・。
 東京を出る前に、ネットであらかじめさまざまな地域の桜情報を調べていた。気づいたのは、3月の震災影響の自粛ムードで、桜祭りや夜のライトアップの中止が目についた。「遠く離れた地で自粛などしなくてもなあ」「こういった自粛を、はたして被災した方々が喜ぶのだろうか」と思った。そんなとき二条城のサイトを覗いたら、こんなふうに書いてあった。

 ・・・今年の二条城ライトアップは,3月11日に発生した地震による被害が甚大であることを踏まえ,「多くの犠牲となられた方への哀悼の意」と「被災地の一日も早い復興への願い」を込めて開催致します・・・ と。

 さすが二条城、心が広い。そうなんだよ、節電にはほとんど無関係な地域なのだから、せいいっぱい咲く桜をライトアップして人々を楽しませるのは、悪いことではない。しかも「ライトアップ事業の収益は復興支援にあて・・・城内の義援金箱にご協力を」とも書いてあり、ならば、夜じゃあないけど、この二条城にはぜひ義援金を入れに行きたかった、、、とまあ、ここに足を運んだのは、こんな理由であった。


















 なかなかいいじゃないの、二条城。それに、雨に濡れた桜も悪くはない。満開前ではあるが鮮やかだ。
 敬意を表してその城内の桜を必死に撮っていると、遠くから時おり聞こえる「ボォーーー」。それは京都梅小路機関車庫の蒸気機関車の汽笛である。気になって仕方がない。しかし今回は桜が主役なのだから、我慢しよう、「鉄」のほうは。

 なお、二条城は桜以外にも咲いている花があり、その美しさに思わずレンズを向ける。








 またこんな偶然もある。桜を撮ろうとカメラを構えていたら、そのアングルにいきなり入ってきた美しい婦人(だと思う)・・・。








 雨に濡れた淡〜いピンクの桜と、桜の柄をちょこっと添えた真っ赤な傘。どうよこの見事なコントラスト。思わずカメラのピントを桜から傘に変更してパシャッ。「お願いだからそのまま動かないで、おばちゃん!」と脳裏でつぶやくが、その願いむなしく、歩き出してしまった。だからワンシャッター1本勝負。でもこれ、今日のベストアングルかな・・・。








 「ボォーーー ボォッ」・・・それにしても気になるなあ、汽笛。いや、我慢だ。今回は桜なのだ!。。。





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