[2011年4月8日]
※このページはほぼ鉄道一色。興味のない方はカットして 第八話へどうぞ >>


 そう、簡単に我慢などできるわけがない。二条城で聞こえていた汽笛の音色に誘われて、進路は京都駅に程近い梅小路(うめこうじ)蒸気機関車館へと、ごく自然に向かっていた。
 梅小路蒸気機関車館は、1972年、日本国有鉄道によって蒸気機関車の動態保存を目的とした施設。ま、鉄ちゃん(鉄道ファン)にとっては、あったりまえすぎるほど超メジャーな存在なのである。しかし私がここに来るのは初めて。なぜ初めてかといえば・・・いつも京都にはカミさんと来ている。そのカミさんは、あろうことか鉄道にはまったく興味がない!。だから来れなかったのだ。
 では皆様には蒸気機関車の魅力を、なるべく専門用語を使わずにやさし〜くお伝えしよう。




 入り口は山陰本線の旧・二条城駅を移築復元されたもの。先ほど二条城に行って来たのだから、ここに来るのは当然のコース。
 CBを目の前にある有料駐車場(クルマと同一料金)に置き、入館料400円を払って中に入る。汽笛とともに、石炭を燃やした香りが漂っている。夢のような世界がすぐそこにあるのだ。



扇形機関車庫とターンテーブル

 機関車館には19両の蒸気機関車(以降「汽車」)が保存され、そのうち7両が動態保存(自力で動く!)である。なかには営業運転可能な汽車もある。日本広しと言えど(狭いか)、これだけの汽車を保有しているのはここだけなのだ。
 扇形機関庫内に入る。目前にずら〜っと並んだ真っ黒な鉄の塊、汽車・・・B型、C型、D型(あとで説明しよう)壮観である。それらに触れることもできる・・・なんと素晴らしいことか。
 昔、小学生の頃だったかな。東北本線の小山駅構内に現役稼動の扇形機関庫があって、そこに近づいたら、作業中の国鉄職員のオジさんが「ボウズたち、こっち入っていいぞ」と中に入れてくれた。今じゃ考えられないことだけど、間近で見せてくれた真っ黒い機関車・・・それ以降、コイツを好きになったのである。




各種メーターやバルブの多い機関車運転室



 たいへんお待たせしました。そろそろここにある汽車たちを紹介しましょうか。これを見たら、あなたもきっと鉄ちゃんになれる。
 では雨の中、出発進行〜〜〜!






機関車には車名がある。前面・側面・背面にナンバープレートがつき、そこに記されている。 “C 61 2”で解説しよう。
C ・・・動輪の数を表す。Bなら2動輪、Cは3動輪、Dは4動輪と。
61・・・10〜49はタンク機関車(炭水車なし)、50〜99はテンダー機関車(炭水車あり)
2 ・・・最後の数字は製造順の番号。

よって “C 61 2” は、3つの駆動輪を持ち、後ろに炭水車を連結したテンダー機関車で、その2号機ということ。これだけ知っていれば、鉄ちゃんに入門近し。※大正時代までは異なる表記あり。
では、2動輪のBグループから、蒸気機関車をご案内しよう。




1070形 1080号機・・・タンク機関車
・1901年(明治34年) 英国製
・全長 11.3m、重量 48t
・動輪直径 1,520m
・最高出力 434馬力
・営業最高速度 85km/h
1070形以外に、ここには ちっちゃなタンク機関車 B 20形(全長7m)があるが、うかつにも撮り忘れてしまった。






8620形 ・・・テンダー機関車
・1914年(大正3年) 汽車製造 製
・全長 16.7m、重量 75.9t
・動輪直径 1,600mm
・最高出力 759馬力
・営業最高速度 90km/h
・・・愛称はハチロク。
他の8620は2011年現在、JR九州の熊本〜人吉間で営業運転されている。その勇姿は当ツーリングページの2010年“九州 龍馬通り 第二章”でたっぷりとご覧を。


C 11 64号機・・・タンク機関車
・1935年(昭和10年) 川崎車両 製
・全長 12.6m、重量 65.8t
・動輪直 1,520mm
・最高出力 783馬力
・営業最高速度 85km/h
ローカル線の旅客・貨物牽引や、入れ替え用にと大活躍した。2011年現在、大井川鉄道・真岡鉄道、そして北海道で運行。当ツーリングページ 2009年“湯けむり桜めぐり”、2010年“大井川桜巡り”でその勇姿を。


C 51 239号機・・・テンダー機関車
・1927年(昭和2年) 汽車製造 製
・全長 19.9m、重量 113.8t
・動輪直径 1,750mm
・最高出力 1,175馬力
・営業最高速度 100km/h
大正時代に生まれた優等旅客列車用機関車。戦前の1930年代前半は、東海道線にて超特急“燕(つばめ)”を牽引。現在の“つばめ”は九州新幹線。


C 53 45号機・・・テンダー機関車
・1928年(昭和3年) 汽車製造 製
・全長 20.6m、重量 127.3t
・動輪直径 1,750mm
・最高出力 1,556馬力
・営業最高速度 100km/h
2気筒が一般的だが、この機関車は国産唯一の3気筒!。いったいどういった音で走るのか? 昭和20年代に全機廃車されているので、もちろん聞いたことはない。


C 56 160号機・・・テンダー機関車
・1939年(昭和14年) 川崎車両 製
・全長 14.3m、重量 64.6t
・動輪直径 1,400mm
・最高出力 592馬力
・営業最高速度 75km/h
営業走行できるC56、只今、扇形機関庫内で点検中の為、うしろ向き。小柄で軽快に小海線(小淵沢〜小諸)を走っていたその姿から“高原のポニー”と呼ばれていた。2011年現在、大井川鉄道でも運行中。


C 55 1号機・・・テンダー機関車
・1935年(昭和10年) 川崎車両 製
・全長 20.3m、重量 113t
・動輪直径 1,750mm
・最高出力 1,211馬力
・営業最高速度 100km/h
私の大好きな機関車である。その均整のとれたスタイルと、大きく美しいスポーク動輪、素晴らしいのひと言。昔、高校1年の夏休み、北海道旭川に会いに行ったが、その姿はなく、残念でならなかった。

動輪直径は175cm。私の身長より大きいのだ!

川崎車両・・・もう気づいてる人は「鉄道&バイク人」。そうですよ〜、我が家の愛車ゼファー・W650・エストレアを作った、その親会社の“川崎重工”。 川崎車両(現・川崎重工)は蒸気機関車から新幹線まで、あらゆる鉄道車両を作っているのだからエライ!。(ついでにバイクも・・・エライ!)


C 57 1号機・・・テンダー機関車
・1937年(昭和12年) 川崎車両 製
・全長 20.2m、重量 115.5t
・動輪直径 1,750mm
・最高出力 1,290馬力
・営業最高速度 100km/h
JR山口線(新山口〜津和野)で営業運行中のため、訪れた今回は留守。その美しい姿から「貴婦人」と呼ばれる。また、2011年現在、180号機はJR磐越西線でも運行中。(当ツーリングページ 2006年“米沢”にも登場している)


C 58 1号機・・・テンダー機関車
・1937年(昭和12年) 汽車製造 製
・全長 19.2m、重量 100.2t
・動輪直径 1,520mm
・最高出力 1,097馬力
・営業最高速度 85km/h
中型の客貨兼用機関車。なお、ここに静態保存されている姿は、皇室用“お召し列車牽引仕様”である。2011年現在、C58 363号機は秩父鉄道で運行中。


C 59 164号機・・・テンダー機関車
・1946年(昭和21年) 日立 製
・全長 21.5m、重量 134.6t
・動輪直径 1,750mm
・最高出力 1,702馬力
・営業最高速度 100km/h
C57の足回りと、あとに解説するD51貨物機のボイラーを基本設計とした大型の優等列車旅客用。戦後生まれの機関車だが、活躍年数は少なく、早めに廃車。だから私は現役の姿を見たことがない。



そして国内最大級の蒸気機関車
    
C 62 2号機・・・テンダー機関車
・1948年(昭和23年) 日立 製
・全長 21.6m、重量 133t
・動輪直径 1,750mm
・最高出力 2,163馬力
・営業最高速度 100km/h

♪この〜木 なんの木 気になる木〜♪ 写真は日立製である。その大きさ、パワー、速度ともに国内最大最速の蒸気機関車。
ここ梅小路には、1号機、2号機があり、除煙板(前部分左右の鉄板)にツバメマークを掲げる2号機は“スワローエンジェル”と呼ばれ、動態保存機である。
過去に私は、北海道函館本線で復活走行していた3号機“ニセコ号”に二度乗っている。その走り、音、煙、豪快そのもの。再度復活を強く望む。・・・おっと、大好きなC62を語ると長くなるので、もうこのへんで、、、。





9600形 ・・・テンダー機関車
・1914年(大正3年) 
 川崎造船所(現・川崎重工) 製
・全長 16.6m、重量 94.8t
・動輪直径 1,250mm
・最高出力 980馬力
・営業最高速度 65km/h
・・・愛称はキューロク。
大正生まれの貨物機。古い機関車だが、丈夫で性能も良く、国鉄で最後まで現役で働いていたのがキューロクである。


D 50 140号機 ・・・テンダー機関車
・1926年(大正15年) 日立 製
・全長 20m、重量 127.5t
・動輪直径 1,400mm
・最高出力 1,510馬力
・営業最高速度 75km/h
先に語った「東北本線 小山駅構内」で初めて間近で見たのがD50。地味な存在だが、汽車好きのキッカケとなった機関車。


D 51 200号機 ・・・テンダー機関車
・1938年(昭和13年) 国鉄浜松 製
・全長 19.7m、重量 125.1t
・動輪直径 1,400mm
・最高出力 1,573馬力
・営業最高速度 85km/h
・・・愛称は皆さまご存知のデゴイチ。
完成度の高い、日本を代表する機関車。前を向いてほしいが、点検の為か、扇形機関庫で後ろ向き。2011年現在、498号機はJR東日本管内で運行中。ぜひ試乗を。


D 52 468号機 ・・・テンダー機関車
・1946年(昭和21年) 三菱 製
・全長 21.1m、重量 136.8t
・動輪直径 1,400mm
・最高出力 1,949馬力
・営業最高速度 85km/h
国内最大クラスの大型貨物機。太平洋戦争中の1943〜1946年に製造された。この頃は戦艦大和といいD52といい、ニッポンはデカイもの好きだったのか・・・。


以上、もの凄く簡略化した機関車解説、おしまい。





・・・と思ったら外にもこんな機関車が。
D51 1号機、その愛称は「ナメクジ」。そう、あのナメクジである。以上でおわり。



・・・と思ったら、もう1機。子供たちを乗せて営業中の旅客機C61である。






C 61 2号機・・・テンダー機関車
・1948年(昭和23年) 三菱 製
・全長 20.3m、重量 125.6t
・動輪直径 1,750mm
・最高出力 1,777馬力
・営業最高速度 100km/h
二条城で桜を眺めていたとき、汽笛のいい音色を響かせていたのがコイツだ。その石炭の煙の香りも、なんとよいことか。
なおこの 2号機の兄弟機である20号機は、JR東日本が群馬県の公園から引っ張り出し復活させ、2011年夏に運行させる。ぜひとも乗りに行かねばなるまい。




子供たちを乗せた小さな客車はあまりにも軽く、パワーは必要なし。だから煙突からの黒い煙は出ない。バイクならアイドリング走行といったとこか。その代わり、蒸気の大サービス。





 皆さん、いかがでしたかぁ? やっぱ鉄道はいいですなあ。ここまで見た人は、もうりっぱな鉄ちゃん新入生ですなあ。あとはバイク旅と、どう関連づけるか・・・これが難題だけど。

 さて帰ろうか。あまりにも入館料400円が安いと感じたので、お礼にと館内の売店で鉄ちゃんグッズを買い、大満足で梅小路蒸気機関車館をあとにする。

梅小路機関車館で咲いていたサクラ。毎日汽笛を聞いているのだろう。




アルコールの時間。

 小雨が降り続く中、伏見に戻り、連泊するビジネスホテルにCBを置いて、昨晩飲んだキザクラ カッパカントリーへとまた足を運ぶ。
 正面玄関で待っていたのは・・・おっ、ちょっとだけ懐かしいリーガルさんとこのお二人さん!
 そう、明日の4月9日はRSタイチ京都さんの店内で、リーガルさんたちと弊社スタッフによる“出張イベント”があるのだ。そのために弊社ブーツ製作の担当である藤井・花田氏がわざわざ東京本社から来たのである。そしてこれから、明日のイベントの打ち合わせをするのである。
 仕事を円滑に進める為の重要な打ち合わせ・・・なのになぜアルコールが必要かって? アルコールを補給して考えると、なんだか物事がうまくゆくような、そんな気がするんで、、、とりあえず飲むのだ。 


キザクラ地ビール飲み比べセット・・・まずはこれから。


 途中、弊社スタッフとも合流し、短時間でガバッと飲み、キザクラを出る。まだ雨はやまない。
 ホテルに戻り、明日の天候を気にしながら私は早めに寝床につく。が、弊社スタッフとリーガルさんたちは、まだ飲むようだ。

 それにしても今日一日、たいへん役に立ってくれたのが弊社自慢のレインスーツ “RE-05”である。雨の桜巡りに機関車巡り、もちろんバイク雨天走行も。
 いかかでしょう、一着。これを購入すると、あなたは幸せになれ、私は嬉しくなりますので、ぜひどうぞ。。。





で、明日はついに仕事。
弊社世界初のイベントだが、お客さん、来ていただけるのだろうか。
ちょっとだけ不安。。。



<< お品書きへ 第八話へ >>