2012年5月7日

 栂尾(とがのを)での昼食後は、直線距離にして5キロ程度しか離れていない嵐山(あらしやま)の大覚寺に向かう。
 さて“女ひとり”の歌詞では嵐山(らんざん)と歌っている。しかしその地域の呼び名は嵐山(あらしやま)。なぜそうなのかは、ややこしそうなのでシカトしよう。



嵐山へヒラリヒラリ。


 栂尾から嵐山へは“嵐山高雄パープウェイ”という有料道路でショットカットできる。その距離10.7キロ、二輪料金800円!。


 「たった10キロで800円てのは、高っ・・・」と思いながら料金所を通過。しかし後に料金所の写真を確認したら、その横のカンバンに“二輪車通行禁止”とある。そしてその下には“年間通じて土曜日 日曜日 祝日”と。
 今日は平日なので通れるわけだが、知らずに平日以外に来たら、さぞや頭に、いやガックリするだろうなあ。

料金はともかくヒジョーに快適な道路である。


新緑のモミジもちらほら、のんびりと走る。

中間地点では京都市内が一望できる。ガスっててよく見えないが。


たま〜に対向車とすれちがう。

オ〜リャァ〜!スロットルワイドオープンでヘアピンに突っ込む。でもニケツだし、カメラかかえてるし、やや自重。


なぜKawasakiでメーターを隠すのか・・・?

安全運転してますよ、という証拠写真(メーターにピント)。しかし遅すぎて内側にコテンと倒れそう。



 たった10.7キロのワインディングだが、けっこう楽しい。対向車は3台だったかな、もちろん追い越すクルマも、そして(あたりまえだけど)追い越されるクルマもない。惜しむらくは片手運転のニケツだから、迫力ある走行写真は撮れない。本来は両手で一眼カメラをしっかりかまえるのだが、二人乗りだとバランスが悪く、バイクがどこ行くか分からんしね・・・ていうか、そろそろそんな危険な走行写真を撮るのはやめたほうがよい、と思う今日このごろ、いや5年ほど前から、そう思っているのである。

 で、嵐山の大覚寺に到着。大きな有料駐車場の係員さんに停める場所を聞けば「バイクはあそこだよ」と指で案内される。そこは公衆便所の横、、、無料じゃあしょうがないな。これで三千院・高山寺・大覚寺と全て駐車料金無し、はありがたい。






普通の寺だと思っていたが、、、大覚寺。





 正式名称は“旧嵯峨御所 大覚寺 門跡”(きゅうさがごしょ だいかくじ もんせき)という。門跡とは、天皇や皇族が住職に就かれた寺院であり、平安時代の嵯峨天皇が建立したとされる。(そういや、三千院も門跡だったな)
 な〜るほど、だから通常の寺とはだいぶ趣きが違うのだなと感じる。なんかその神聖な雰囲気があって、ヘルメット持って入っていいの?って。
 受付で拝観料を支払ったら、「ヘルメット、お預かりしましょうか?」と係員さんが言ってくれた。なんだか申し訳ないので遠慮したが、ほんとうは『ヘルメットは物騒なのでここに置いてってください』なのかもしれないと、あとで思った。
 “女ひとり”の3番の歌詞では、塩沢かすりを着た女性が訪れている。塩沢かすりは新潟県南魚沼市(旧塩沢町)の名産絹織物である。
 予断ではあるが、塩沢といえば2010年の秋に訪れた。だだし絹織物ではなく、“米”を求めて。まあどんな町かはこのツーリング紀行“越の国に光輝く 米”を、あとでご覧いただこうか。


 さて、ヘルメットを持った“女ひとり”と野郎が大覚寺に入る。とその前にいつものように係員さんに写真撮影の件を尋ねる。・・・「撮影禁止のところ以外は、室内でも大丈夫で、もちろん外はどうぞ」とのこと。なんか全部ダメなのかと思ったら、意外にも心が広い。さすが(旧)御所ですなあ。
 では少しだけご案内しましょうか。











いたる所に金色の装飾が。



綺麗に手入れされた中庭。




なぜか金色のセミ。



いきなりド派手な朱色。



境内にある“大沢の池”。庭園の池と呼ぶには、あまりにも大きい。




 今回の旅のタイトルは“新緑もみじ紀行”だが、大覚寺はもみじの名所ではない。しかし隠れたタイトル“女ひとり”では、優雅な着物を着た女性が、ほんとうに現れそうな寺院である。格式という点では、ほかの寺社とは別格なようだ。





そろそろ帰ろう、、、でもその前に。

左側は京福嵐山本線の終点:嵐山駅。この辺りの観光客はもの凄いのだがご覧のとおり。


嵐山の名所、天龍寺。
 嵐山は京都のメジャーな観光地である。昨年の秋の紅葉時にも来ているが、平日でもそうとう混みあっていた。そしてここに来る2〜3日前(GW中)だったか、京都伏見店に来られたツーリング途中のお客さんがこう言っていた。
「嵐山に向かったけど、1〜2キロ手前から大渋滞で、すり抜けすらできず断念しましたぁ」。桜に紅葉、GWのシーズン、いや通常の土日祝日もそうだが、すごい人とクルマで大渋滞なんだわな。
 ところがどうだろう、今日の静けさは。嵐山のメインストリートですら人もクルマもすっかすか。やっぱ平日の恩恵は大いにある。

 土日祝日に交通規制がある(ただし二輪は除く)メインストリートに“天龍寺”がある。昨年(2011年)の秋に来たが、ここの紅葉も一級品である。ならば新緑もと思うが、それよりも甘いものが食いたくなったわけで、そちらの方向に進む。


 人もクルマもほとんどいない奥まった路地の電柱の影にW650を停めて(違法駐車ではないと思うが極めてグレーゾーン)、嵐山では名の知れている(らしい)甘味処に入る。店内の中庭の見える雰囲気のよい席に座り、メニュー写真の旨そうなパフェを注文。

私は天龍寺パフェ・・・940円だったかな。
カミさんの桂川パフェ?抹茶セット・・・1200円くらい。

 数分で我らの高価なパフェがテーブルにのせられた。しかしである・・・悲しいかなメニューの写真より盛りがだいぶ少ない。まっ、よくあることだが、旨けりゃいいのだ、とクチに入れるのだが、、、。
 1200円なにがしのパフェセットを食ったカミさんも少々浮かぬ顔。やはり先月に行った宇治の中村藤吉平等院店“うじきんソフト 350円”にはかなわないようだ。あっちは立ち食いだけど。

 嵐山のメイン通りにはさまざまな店が立ち並んでいる。が、それらに入る時間はもうない。そうそうに帰らねばならないのだ。
 アルコールを補給しているわけでもないのにカミさんの運転で、桂川を渡る渡月橋(とげつきょう)を通過し、京都伏見店へと向かう。
 

渡月橋の交差点:桜・紅葉シーズンや土日祝日は、人とクルマの大渋滞地点。

平日ってのはありがたいですなあ・・・。

 有名な渡月橋の下に流れる桂川。その下流に京都伏見店があるわけで、約25分ほどで到着。
 さて急いで準備をして、京都18時26分発東京行き“N700系 のぞみ250号 7号車8番DE席”(ここまでの詳細は不要か?)で東京の自宅に戻る。今日はなんとまあ忙しい1日だったろうか。いやいや充実の1日と言えよう。




新幹線の車内で新緑の旅をふり返る。

 “女ひとり”の歌詞の1番、京都 大原 三千院〜では、結城紬(ゆうきつむぎ)の着物の女性がひとり旅・・・・・そういや、結城紬の旦那衆は今ごろなにしているだろうか、ペアスロープ特注“トンボ柄本場結城紬”、織り始めているだろうか。。。
 2番の、京都 栂尾(とがのを) 高山寺〜は大島紬(おおしまつむぎ)の女性がひとり・・・・・鹿児島の大島紬織り元の旦那衆は達者だろうか、酒を飲みすぎてはいないだろうか。。。

 今年の3月、京都伏見店は飲み屋じゃないし宿でもないのに、ドンチャン騒ぎで泊まってった大島・結城の旦那衆の顔が、新幹線の中で思い浮かんだ。





京都伏見店にて、大島・結城の織り元旦那衆。



旦那衆の自慢の絹織物をキーホルダーに。上は本場大島紬、下は本場結城紬。どちらも50〜200万円する反物の生地をチョイス。※京都伏見限定販売品¥2500。




 それにしても素晴らしいモミジだった。紅葉に“勝るとも劣らない”と、そうは思いませんかぁ?
 さあ皆さまも京都の新緑のモミジを見に行きましょうよ。まちがいなく癒されますよ。
 そして・・・・・京都伏見店もお忘れなく。。。















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