2024年4月12日 送信
上記の景色は徳川家康が江戸幕府を開いた江戸城、そのお掘「千鳥ヶ淵」。桜の名所としても有名で、私も何度かバイクで出向き、プチ花見をしている。豪快なんですよねえ、ここの桜は。。。
それはさておき、本来は2024年2月6日に浜松のヒョウドウプロダクツさんに行って、エアバッグベストのガス爆発(表現が過激か)を自ら検証し、なにか注文でもつける予定だった。しかし・・・前日の5日夜から東京に雪が降り、翌日朝にたった8cm積もっただけだが首都高速も東名高速も通行止めで出陣は断念。う〜ん、命拾いしたようですな、ヒョウドウさん!
そして2024年3月22〜24日、 ″東京モーターサイクルショー″にヒョウドウさんがブースを出してエアバッグベストを公開する、という情報をもらい、会場に向かうことに……
向かう、、、とはいえ私は3月23日(土)までペアスロープ京都伏見店(不定期営業)の勤務で、23日夕方6時過ぎにクルマで京都伏見店を出て、東京大田区の自宅到着は深夜。そのまますぐ寝ればよいものを、しかし風呂に入ってからやはり2〜3杯ほどのレモンサワーや焼酎お茶割りやハイボール等を飲み、、、なんてしてるから午前3時に就寝で、起きれば午前10時過ぎとなるわけで、なんだかんだと残務をこなし、本店からバイクで25分、東京モーターサイクルショー会場には24日の午後3時過ぎに到着。最終日は午後5時閉会なので少々あせるわけでして。
会場に入って通路を歩けば「あっ、こんにちは・・・」「お、ご無沙汰ですなあ、元気してる?・・・」「近いうちに一杯やりましょうね・・・」等々、何人もの二輪業界の顔見知りと出会うわけで、そのつど2〜3分立ち話をして、やっとHYODブースに着いたのが閉会1時間前。さて、敵の陣地ではどんな戦略を練っているのだろうか・・・(どうしても戦国時代風に表現してしまう)
きれいにディスプレイされたブース。
レーシングスーツの作りはさすが。
テキスタイルウェアはペアスロープのそれとは少々フィーリングが異なる。
なんだこの熊のキャラクターは・・・よく見ればHYODという文字もある遊び心か。
気合い入ってるなあ、、、HYODブース!
あっ、敵のヨロイ。じゃなくてエアバッグベスト発見。その隣りにはヒョウドウプロダクツ本社のマーケティング部「K」氏が来場の方々にエアバッグベストを熱く説明している。やがて彼の手が空き、声を掛ける。
「よっK君、久しぶり〜。・・・えっ、もう40代後半? すっかりオッサンじゃないかぁ!」
「それを言われたら三橋さんはもうジジイじゃないですかぁ・・・」
かれこれ20年近く前からの仕事仲間なのでこんな会話から始まる。
「それより、来られるの遅いですよっ。今日の午前11時からこのブースでエアバッグベストのスペシャルイベントをすることをメールでお知らせしたじゃないですかぁ」
そうであった。その時間にエアバッグを膨らますとかなんとか言ってたっけ。といっても京都伏見からクルマで走って東京の自宅に深夜着だから、寝坊も仕方がない。なので今からしっかりと説明してもらおう。
※発売は2024年6月の予定と聞く
膨らんだエアバッグベストの現物を初めて見る。これなら背中はもちろん、胸部も安心。しかも首もガードされている。交通事故での致命傷は「首」ということもよく聞かれることで、既存のプロテクションとは次元の異なる安全性が確保されている、、、ような気がする。と思う私ではあるが、まだ「転けなきゃいいじゃん!」派であることにはちがいないが。
でもまてよ、転倒や衝突したら、ほんとうに瞬時にエアバッグが膨張するのかな、K君よ……。
「HYOD自慢のレーシングスーツです!」。しかし膨張スペースのないスーツって不向きじゃないのかな?
敵もさるもの、2024年夏に発売予定の最新スーツには、膨張対応のサイドシャーリングやニットが縫い合わされている。
K氏の説明を要約すれば、、、
・「ストリート」「サーキット」「オフロード」の検知モードを選択。
・センサーが0.03秒で転倒リスクを検知。
・検知されれば、0.025秒でエアバッグが膨らむ。
・インフレーター(ガスボンベ)を交換すれば、エアバッグは5回まで使用可能。
(実際は凄く長い説明であった)
・・・とまあ要約の要約だがこんな具合。「ところでK君は自ら転倒テストをしたかい?」に対して、
「そんなことできませんよぉ。かれこれ5年ほど前からHYODレーシングスーツの契約ライダーがレースや練習走行で使って、もちろん転倒することもあるので、そのデータを基に改良を重ねてきたんですよ。その他にもデータ収集はあるんですよ、このカタログを読んでくださいな」
「なんだ、カタログあるんじゃん!」
「東京モーターサイクルショーのブース設営前日にできあがったんですよ! たいへんでしたよ!」
そしてカタログをペラペラとめくる。
「あっ、エアバッグベストは『
HYOD AIR-BOOST FORCE 01
(ヒョウドウ エアブースト フォース 01』ってのが正式名称なんだぁ、長いから『
エアブースト
』にするね」
まるで鬼の首を取ったように私に説明した後のニコニコのK君であったが、突然表情が変わる。そう、その場に入ってきたのが総大将の家康、ではなくヒョウドウプロダクツの社長であった。
「コラムには顔も名前もぜったい出さないでください!」と社長に言われていたので出してません。首から下もダメとは聞いてませんでしたから、これはセーフでしょう。
総大将の出陣。飛んで火にいる夏の虫とはこのことで、「現時点では、エアブーストにいちばん詳しいのはワタシです!」と豪語しているのだから、容赦なく質問しよう。
・・・サーキット使用でどんなフィードバックを?
・・・エアブーストをストリートまで広げるきっかけは?
・・・私のような「転けない精神」の者をどうやって理解させるのか?
現在あるHYOD社のプロテクションは東京モーターサイクルショーでも展示されていた。そしてその一部は弊社ペアスロープのオプションとして使わせていただいている。それはけっしてお付き合いで仕入れているわけではない。D3Oの衝撃吸収プロテクションは柔らかく効果的だと正直思ったから。そしてペアスロープウェアに取り付けても違和感がさほどないから。
さらに一つ質問を追加すれば、
・・・これほど敵ながらアッパレのプロテクションをラインナップしているのに、
膨大な手間を掛けて、なぜその上をゆくエアブーストを販売するのか???
さまざまなHYODプロテクションを前にして、さてさてヒョウドウプロダクツ社長に上記質問の明確な回答をしてもらおう…… とその時、「蛍の光♪」 が流れてきた。
あっ、5時だ、閉会の時間だ。回答はきっと数分では済まないだろう。ここは抜いた刀を鞘(さや)にしまって、撤収せねばなるまい。
ということで近々、こちらが浜松のヒョウドウプロダクツさんに向かって出陣し、話を伺おう。もう雪は降らないし、それに爆発(瞬間膨張)体験もさせてもらわなければ。
とはいえ私の「転けない戦略」の考えを変えられるかどうか……それは敵陣次第です。
第2話 おしまい
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本編とは関係ないが、″武田信玄 vs 上杉謙信 川中島の戦い ″の逸話像:長野市 川中島古戦場にて
そういえば、ヒョウドウプロダクツ社長は「武田信玄が好き、そして織田信長と徳川家康も」と語っていた。どれも最強と言われる武将達である。ならば筆者は「上杉謙信」か。しかし上杉は武田、織田、徳川の共通の敵である。さてどうしたものか、、、。
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