フェリーから豊島の西側を望む

 ニュースを見ていて「今度ここ行ってみたい・・・」なんて思うことはありません? ちょっと野次馬になって、ニセものジャーナリストになりきるっていうのもいいですね。もちろん取材は、機動力抜群のオートバイで行くべきでしょう。
 
あのゴミで有名な島、豊島(てしま)へ

 9月上旬のある日、岡山と高松の真ん中の瀬戸内海に浮かぶ豊島に行って来ました。人口1000人少々と、高齢者の多い静かな島ですが、一時「ゴミの島」としてたびたびニュースになった島です。

豊島には、フェリーで渡ります。岡山県玉野市の宇野港から、小豆島行きの船に乗って約40分。家浦港で降ります。詳細は小豆島フェリーまで。http://www.shodoshima-ferry.co.jp/

 豊島に着くと、まずは島の一周巡りから。島を回る道は約10km。「家浦」「唐櫃(からと)」「甲生(こう)」と呼ばれる3つの集落があり、それぞれの集落を道路が結んでいます。景色が良いのは、四国が見える南側。段々畑があったり、漁村の風景が広がるのは、岡山が見える北側になります。

漁業と、港湾土木業で栄えたのは昔の話。港で人を見かけることもなく、ひっそりと静まりかえっていました。
島の南側にはオリーブ園が広がり、海の向こうには四国の山々が見えます。典型的な瀬戸内の風景です。

島の北側の丘陵には棚田が広がり、瀬戸内の島では珍しく米作が盛んなのが特徴です。

 島を一周した限りでは、美しい島の景色ばかりで、ここがなんでゴミで有名なのか、わからないと思います。でも、島の西に続く道へ行くと、未舗装路の先に、おおよそ島の景色に似つかわしくない工場のような建物と、数十台の大型ダンプが見えてきます。

 そう、ここが島にゴミが捨てられた場所であり、今ゴミを取り除く作業が行われている場所なのです。

赤い帯の建物が、廃棄物を梱包する施設。手前の小屋が廃棄物から流れ出す汚水をきれいにする施設です。
廃棄物を運搬するためのダンプ。豊島の隣の直島に作られた無害化処理場まで、専用フェリーで運ばれます。

 ここには、とある業者によって、約7haの土地に50万トンを越える産業廃棄物が不法に捨てられたのでした。そして今、500億円を超える税金を投入して、ゴミを処理し、元の自然に戻す公共工事が行われているのです。


主なゴミは、自動車を破砕した後の屑。
白く見えるのはリード線で、ラジエター類の
ホースなども見えてきます。



話はまだ続く