P-3
 伊豆半島っていう所は、ちょっと走るだけで、風光明媚な撮影ポイントを見つけられる。地図を眺め、この辺かなと着いた所は、なかなかの良い条件で、久山カメラマンも気合いが入っている(ような気がする)。

「あっちから望遠で撮るからな、そやさかいに、ごっつうおもろいでえ・・・」とか言ってる(気がする) 「そいでもってな、この石のとこでバイクを止めるんやでえ、先行ったらあかんでえ」 「古山君!身体がカタイって、言っとるやんかぁ。お、おい!下を向くんやないでえ!ほな撮るでえ」

古山の奮闘努力もむなしく、
ファインダーを覗きながらボソッと久山氏、
「ボツやな・・・」

「お〜い石野、モデル代われや・・・」
きびしいおっさんである。

 ここで撮影の最中、近くのペンションのオバちゃんがやって来て 「ここは海亀が来るんだから、バイク乗り回しちゃだめだよ〜」って叱られてしまう。伊豆の砂浜は産卵場なのだ。当然私もそのことは下調べをしており、海亀は5〜8月に産卵し、7〜10月に卵から生まれ海に入る。1月は産卵期に無関係ではあるがそのことに触れず、「すいません。走り回らないで、写真を撮るだけで引き上げますぅ。」といったら許してくれた。でも、もし我々の作戦通り、カタログの写真を“春夏”だと疑わなければ、きっと抗議がくるだろう。まあ、時期を問わずして砂浜にバイクで入るべきではない。
 さてこの場の撮影も終わりムルティを3人がかりで砂浜を押すがビクともしない。しょうがなくエンジンの動力を借り、やっとの思いで脱出するが、「だいたい砂浜にリッターバイクの設定ってムリあんじゃないかい?」「そやな、石野の言うとおりやな、非日常的やな」・・・
って、撮ってから言うんじゃない!。


[ウエア:S-245Dライディングジャック]









[ウエア:DMF-13ショートコート]

カタログ P-4


そしてまた、次の撮影ポイントを探し求める。
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