P-4
 ところで、川崎重工12Rの出番がまだないので、ここらでぜひ撮っておきたい。この撮影の為にSHOEIさんからも協力を得て、オリジナルペイントを施したヘルメットを2個も用意したのだから。
 その川崎重工は、私の好きな蒸気機関車から新幹線、船舶に飛行機と乗り物の王道を作るメーカー。バイクだって、そうすてたもんじゃない。1999年、世界最速をうたい文句で世に出たこの12R初期型、その走り(特にスロットルコントロール)だけでなく、若干、いや少々(たくさんか?)作りがアマイところがあるが、「しょうがねえや、カワサキだからぁ」 で許されてしまう心の広さをユーザーに与える。そんなバイクメーカーはなかなか無い。まあ、我が愛車と比べ最新型の12Rは優秀らしい、ということをつけ加えて弁護するが、やっぱりスピードメーターは初期型“350km/h”なきゃあねえ。。。

「いいかぁ、3度目の正直だかんな、手をタンクに置いてリラックスだぞ!」 3度目の指導を古山にする石野。

しかし、その指導の甲斐も無くパトカーが行ったり来たりで撮影のジャマをする。
12Rは高速道路だけでなく、浜辺に止まっていても目をつけられるのか。

 ここ弓ヶ浜は、南伊豆のなかでもメジャーな海岸で、夏には大勢の海水浴客でにぎわうが、今は真冬。さてこれをどうやって初夏の雰囲気に仕立てるかが腕の見せ所である。しかし自然には抵抗できないところが一箇所、上の写真は午後1時なのにバイクの陽の影はおそろしく長〜い。困ったあげく、でもこれは朝陽だということにすれば問題なかろうということに。無理矢理ですがね。

気温8℃なのにアロハを着てこの表情。
こりゃあ誰が見ても初夏にしか思えないでしょう。してやったりの石野。

それにしても、パトカーだけでなく、白バイ(?)までもが行ったり来たり。そりゃ、この寒いのにアロハ着てニコニコしてる変なのがいるんだから、気になってしかたがないのだろう。

「なんやぁ、撮影のジャマやんかぁ、はようどかんかぁ〜い!」 と、けっして警官には聞こえないように小さな声で怒鳴る久山カメラマン。あんがい小心者であった。 

季節外れといえど海岸に観光客がちらほらいるが、カメラアングルに入らぬよう注意して撮影。


久山氏と、私のこのデジカメ写真のアングルは、まったく異なるが、このカットがカタログ1〜2ページとなる。

またしても古山モデルはカタログ掲載ボツになってしまった。バックが松の木ってゆうのもイマイチだが、やはりポーズがぎこちない。
[写真のウエア:S-265Dライディング・・・超高速タイプ]


 この冬の時期は3時ともなるとかなり陽が傾き、昼間の撮影には適さない。弓ヶ浜を引き上げ、今日最後に夕陽のシーンを写そうと西伊豆へと移動することに。
 さてここから先は、たいへん楽しいワインディングがつづくシーサイドライン。ずうっと車でいいやと思っていた私も、バイク乗りの血がさわぎ出しヘルメットを被る。それに石野が気づき 「きったねぇなぁ〜、この先の道がいちばんオイシイの知っててこれだもん!・・・」 「いやあちがうよ石野ちゃん、寒い中アロハなんか着て、風邪をひいちまったら申し訳ないからさあ、車に乗ってよ」 「いや、そんなんバレバレ、あ〜きったねえ・・・」。

 
石野ライターから強引に12Rをぶん取り、撮影用のライディングギアを借用して先頭を突っ走る筆者。(撮影:石野)
車なんかと一緒に走ってられない。すでにピントが合わなくなるまでペースを上げ、「じゃあ、お先に!」
戻る 次へ