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 日本を代表するホタルは、ゲンジボタルとヘイケボタルだ。源氏と平家、なぜそのような名がついたのかを、明確に答えられる人はいないらしい。
 そしてその両ホタルの見分け方は、10〜20mmと大きいのがゲンジ、8〜10mmと小さいのがヘイケである。今までどちらがそうなのかを気にもとめなかったが、カミさんの実家である長野県佐久市でも、ちらほらは見ていた。ただし、小さな小川の草にとまって、弱い光を放っている数匹のホタル。それでもキレイだと思った。

 ここ伊豆の松崎にいるのはゲンジボタルだが、さて山芳園のオカミさんが言ってたように、たくさんいるのだろうか、“乱舞”など、ほんとうなのだろうか。2泊3日までして、「今日も昨日も残念でしたねぇ」 な〜んてことはないのだろうか。不安ばかりがよぎる。
・・・その光景を見るまでは、、、。








数十匹が飛んでいる、光っている。
これがホタルの乱舞だ。
この光景、鳥肌が立つほど幻想的である。




ホタルが光るのは、オスとメスとの出会いの信号。オスは光を放ちながら常に飛びまわり、メスは草むらの中でじっと待つ。オス(左の光跡)が近づくと、メス(右)の放つ光が強くなる。


光で合図されたオスは、葉に止まっているメスのもとに行き交尾する。この時、より強い光が放たれた気がした。
やがてオスは力尽きて死に、メスは産卵後に草むらの中でひっそりと死ぬ。どちらも成虫の命はせいぜい二週間である。



 なんという光景なのだろうか。美しいとも可憐といった表現ともちがう。 あらかじめホタルについて予習してきたがために、物悲しい幻想的光景とでも言おうか、はっきりと言葉で言い表せないのである。
 そして確かに写真には収めたものの、この目で見た光景と画像とは大きく異なる。静止した画像は光の軌跡。対して現実は周りにいるカジカガエルの伴奏とともに、ゆらゆらと、いや、ふわふわとでも言うか飛びまわっている。NHKの高感度カメラの映像も見たことあるが、光の色がちがいすぎるし、そのテレビ画像で鳥肌が立つわけがない。
 
 初めて見たホタルの乱舞を前にして興奮冷めやらず、二晩続けての撮影も、なんとか絵になった写真はほんの数枚。なんとも情けない限りだが、もし、こんな写真でも「ホタル、見たいなあ」って思ってくれたら幸いである。と同時にホタルツーリングを、ぜひ、ぜひお薦めする。
夫婦ホタル。しかしその運命は、、、。




ホタル観賞には明るすぎないロウソクの炎がいちばん。東京でチョウチン作ってきたかいがありました。














あとがき

伊豆 松崎町のホタルは場所によって5月下旬〜6月下旬。この期間に行けない人は、信州など他の地域なら7月。気温の低いところなら8月でも見ることができます。

なお、当HPでお世話になった、“BBROAD”“山芳園” さんには、お礼にホタル写真の画像を差し上げてます。どちらもホタルの場所をご存知なので、問い合わせの上、泊まっていただければ幸いです。(ホタルの問い合わせだけ、っていうのは失礼だからやめましょうね)

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