季節ものにはどれも“旬”がある。紅葉もしかり、その地域に限れば、1年のうちの1週間だけであろう。
 そして桜巡り同様、紅葉にも青空が無ければ美しさは半減する。よって、出発は天気次第、宿は当然前日の予約、そしてまた混雑の土日をぜったい避けるのは基本中の基本。

 ほんとうは東北の紅葉が見たかった。しかし10月下旬の旅予定となれば、秋田、青森、岩手あたりはすでに終わりかけている。ならば関東の北に照準を合わせるとしよう。

 ということで、上州 群馬県をメインに、まずは日光を目指してカミさんと2台のバイクを北に走らす。

2006年10月25日


東京 大田区の弊社から日光までは、休憩含めて2時間半というとこか。さすが平日である、渋滞はない。
まもなく“日光宇都宮道路”終点から“いろは坂”に向かう。


いろは坂上部の紅葉、まずまずかな。


 日光宇都宮道路から、いろは坂を登り始める頃には、そこそこの交通量がある。しかし二車線の一方通行は流れも良く走りやすい。さすが平日の特権だなあ〜、なんて、途中、写真を撮りながらノーテンキに走っていると、最後の2キロで突然の渋滞。なんなくすり抜けでクリアするが、ちょっと予想外だ。
 そういえば数日前になじみのバイク屋で、同じくサボってた郵便屋のアンちゃんが言ってたっけ、「去年の10月下旬、車でいろは坂に向かったんだけど、東京から坂の手前まで9時間かかっちゃって、もう登るのあきらめましたぁ!」 毎年のことだが、土日のいろは坂は東京の渋滞どころではない。バイクでも避けたほうが賢明だろう。
 たった2キロとはいえ、渋滞のおかげですり抜けに神経を使い、まわりの紅葉を見ていない。なんだか損した気分である。
すり抜けは、カミさんの不得意科目だが仕方がない。

登り線いろは坂大駐車場、、、? 平日でもこのとうり。土日の場合はず〜っとはるか下から。なお下り線も同様に加え、凶暴サルの襲撃あり。


 いろは坂を登り終えると中禅寺湖に出る。この辺りの山々の紅葉は、すでにピークを過ぎているようで鮮やかさはない。
 突然思い出すが、確かここに来たのは高校時代、悪友との原付3台で、ひたすら一般道を走ってキャンプ。(当時、バンバン75というバイク) なんとそれ以来の30数年ぶりだ。毎年1万キロ以上ツーリングに出ているのに、30年以上もいろは坂を走っていなかったのは不思議だ。現在でもそうだが、できる限りメジャーな観光地を避けていたのが原因だろう。
 しかし今回の目的も、日光東照宮でも、いろは坂でも中禅寺湖でも、誰が名づけたか、この道“ロマンチック街道”を走ることでもない。山を赤や黄色に染める、美しい紅葉を見るためだ。だからそれらは単なる通過地点に過ぎない。 ・・・いつの頃からだろうか、遊園地・観光地より、自然の姿形・色合いをこの目で見たくなってきたのは。
中禅寺湖に中年の女ひとり。

湖畔にぽつりと鮮やかな広葉樹あり。



 中禅寺湖から戦場ヶ原を抜け、金精峠に近づくころには、平日といえどもあれだけ多かった車どもが非常に少なくなっている。おそらく、単純ないろは坂紅葉目的の車は、またいろは坂を下って帰ったにちがいない。ここから先がおいしいとこなのに、旅のシロートが多いのには道が空いてて助かる。






 金精峠のトンネルを抜け、片品村に入り、日光から走ってきた国道120号線と別れ奥利根方面へと進路を変える。
 そこに我らを待っていたのは、色鮮やかな、、、。



ちょっとお詫びしなければならないでしょう。
2006年の弊社テーマが “和” ということで、この年は春からずっとニッポンのバイクで旅を続けた。
しかし、、、カメラ道具一式を積んでの旅となれば、いままで無理をしてきたわけだが、今回は特に荷物が多く、“和”のテーマに反して中途半端に古い、積載量のあるBMWを久々にチョイスしてしまった。申し訳ない。(ゼファーにたくさん荷物を積むと、カミさんはうまく乗れない)
・・・というより、あまりにも乗らないと、バッテリーあがるし、ガソリン腐るし、、、。


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