昨日の初日は、素晴らしい紅葉を見て、のんびり温泉に浸かって、で有意義な一日であった。土日・祭日しか休みをとれない方々には申し訳ないけど、やはり平日はいい。いろは坂は例外としても、そのほかの道は空いてるし、宿は直前でもOKだし(平日料金だし)、人ごみなどという所は無いに等しい。無理にとは言わないが(言ってるか)、強引にでも平日に休みをとって旅に出てみたらどうだろうか。

 朝、2台の空冷エンジンはセル一発で始動。そして今夜の宿、草津温泉までは、そのまま直行すれば100キロほどと近すぎるので、あちらこちらと思うがままに寄り道することにしよう。
2006年10月26日


 宿を出発して3分と走らないうちに紅葉休憩。そうなんですねえ、紅葉ツーリングはペースの遅いのが特徴。
 制限速度を守る、なんて真面目な走り方をする私ではないが(でもゴールド免許)、紅葉があれば別な話。ちょっと走って、オッ、と思ったら止まり、時にはUターン。でもUターンが特に苦手なカミさんのために、登り坂ではしないようにしている・・・転ける確率、たいへん高いから。
 まあ仕方がないのだが、ゼファーに付けているエンジンガードはそのためのもの。あれ、カッコ悪いよねえ、、、。 写真撮ってて、いつも思うのだが、ジャマだ。。。



奈良俣ダム下の紅葉:ちょっと赤が少ないのが惜しい。



 奥利根のあたりは、走っても走っても周りは紅葉の山々。道沿いの赤や黄色も美しい。
 今日はたっぷり時間がある。ツーリングマップルを見て、もみじ(紅葉)マークの付いているところに寄り道をする。しかし案外たいしたことはない。「紅葉も良い」などと地図に注意書きが載っている道も通るが、それも同様。 オイッ、この地図作った人っ、、、ほんとにこの時期走ったのか? なんてぼやいてみたりもする。(ちょっと時期をずらせば、良いのかもしれないが)
 やはり “百聞は一見にしかず”。聞いたり、情報を得たりするより、自分のこの目で見ることが真実である。
 こうして、まだ奥利根をうろついている。



宝川温泉に入る鉄橋より。


ここでちょっと、カメラの話

せっかくのツーリング。行った先々の風景を記録しておけば、後でまた楽しめる。たまには筆者の旅の友でもあるカメラを紹介しよう。また、シロートで申し訳ないが、まだ持ってない人には、これから撮りたい人には、そのウンチクを少々。
[キヤノン EOS 30D] 2006年4月からの旅は、この一眼デジタルカメラ。いままでEOS 1D Mark Uを使っていたが、ソレは重くてデカいので、30Dが主力機に。(820万画素) [キヤノン IXY 900IS] 2006年10月発売のコンパクトデジカメ。タバコの箱と同じ大きさ。30Dで撮るのがめんどくさい時に重宝する。小さいけど意外や高性能。(710万画素)

では、それぞれのカメラを、同じ場所で、オートモードと同じ条件で撮ってみる。さて、その違い、分かるでしょうか。。。

30D IXY 900IS

30Dに比べると、IXYの色彩は、なんだかオモチャッぽく感じられる。また、手ブレ補正機能が付いているものの、やはりチャキッとせず、ブレているようだ。

なお、30Dは24〜105mmズームレンズの24mm広角側(ただしカメラ特性から現実38.4mm)。IXY 900ISは28〜105mmの広角側で撮影。(共にラージ画像)
※“広角”とは広い範囲の画像。その反対が望遠。
※上記画像は、カメラのタテ・ヨコ比率の違いから、同じサイズにトリミング。

 まあ、ひとつの風景画像で、高性能レンズを装着した一眼カメラと、最新機能満載とはいえ、しょせんコンパクトカメラを比較するのは邪道なことだろう。価格だって30D(24〜105レンズ含む)はIXY900ISの約5倍。それで同じ写真が撮れたら、一眼カメラは必要ない。
 でも今回の旅、IXYは十分に活躍している。この3ページまでで、すでに21カットの写真がIXYなのだ。それに気づいていた人はプロ級ですなあ。(プロかも)
 なお、バイク走行中での追っかけ写真は、30D(一眼カメラ)でなければ撮れない芸当。瞬時にズームを操作し、カメラが瞬間的にピンを合わせシャッターを切る。その一連の動作、コンパクトカメラの性能では無理がある。フィルム代がないデジカメは、そのコストがかからず、コンパクトカメラでも数打ちゃ当たるかもしれないが、無駄が多いのでやめたほうがいいだろう。・・・というより自分で撮っておいてなんだが、危ないからお薦めはしない。
IXY 900ISはポケットに入れておき、撮りたい時にササッと出してカシャッ! 多種多様な機能もあり、なかなか便利なデジカメ。


一眼カメラはファインダーを覗く。バイク走行中写真も撮り方は同じで、両手を使わないとブレる。視界は悪いし、ハンドルから手が離れてるし・・・最悪な撮影条件。

カメラの話・・・おわり (いずれプロも交えたカメラ講座ページでも作りましょうか)



キヤノンの宣伝ばかりしてられない。本業の革ジャンも、、、。
私の革ジャンは北米産の最高峰、キップ牛革を使った1995年製のSTP-97K。かれこれ10年少々乱暴に着てるから、ところどころキズやスレもあるが、身体に馴染み、すこぶる動きやすい。革ジャンでバイクに乗ると、安心感というか、気分が引き締まるというか、、、違うんですよねえ、化学繊維製品とは。


 今朝、宿を出てから2時間近く経つが、まだ奥利根にいる。しかも走った距離は20キロほど。それだけ止まっては紅葉を眺めてた時間が多いってことだ。しかし、こんなペースでいると、いくら草津が遠くはないと言えど、たどり着かないので奥利根をあとにする。
 県道から国道291号に入り、水上に出て、また県道を走り、峠を越えて猿ケ京温泉。なぜか山は一面の緑で、その間にバイクを止めるような紅葉は無い。
 猿ケ京の湖畔のコンビニの外で缶コーヒー休憩していると、その隣りで“焼そば&カツライス”弁当を食ってる外国人。あれっ、昨夜の宿“龍洞”のリチャードさん!
 「東京の日野市に住んでるけど、嫁さんと子供を置いて単身赴任なのです、ハイ。」
 7年も日本にいるそうなので日本語は達者だが、“単身赴任”とは、人にはいろいろと事情はあるものだ。
 「オーストラリアも紅葉はあるけど、ニッポンのほうがずっと美しいですヨ」
 別れぎわに、外国人からニッポンの宣伝を聞くとは思わなかったが、なぜか嬉しい。


カミさんと背が高いリチャードさん。
カミさんと、、、なんだ、背の高さがまるで違うじゃねえか。(不満の図:リチャードさん撮る)




 猿ケ京の国道から県道を走り、またひとつ峠を越えて中之条町に入ると、かやぶき屋根の蕎麦屋があり、昼食とする。その蕎麦屋の後ろの山にある大きな奇怪な岩が気になってしょうがない。
石碑のような案内図を見ると、“男岩”! やはりと言うべきか、その姿カタチ、そのものですなあ。いやあご立派なことで。

その、ナニの岩のふもとの蕎麦屋で“ぼくち蕎麦”という限定メニューを注文。もの凄くコシがあり、ツルッとのどを通せず、よく噛んで食べる。早い話が、カ タ イ!
限定という言葉に弱い。この“ぼくち蕎麦”より、隣りのバアさん達が食ってた定番の蕎麦のほうが旨そうであった。


 素晴らしい紅葉の奥利根を離れてから草津までの行程には、いくら寄り道をしても写真を撮りたいような紅葉はない。時期的に早いのかどうかは分からないが、ほとんど緑、といったなかを走ってきた。
 草津温泉“益成屋”(えきなりや)に到着。ニッポンの旅館、といった趣きだ。
 そういえば昨夜カミサンが電話予約し終わった時、私が草津温泉の宿をリストアップしたのは電話番号だけで、宿代は?と聞いたら「一人、2万6千数百円!」・・・高いじゃないかぁ、しまったぁ、料金をメモしてなかったぁ。
 二輪旅で年間十数泊するが、おもに8千円〜1万8千円、2万円を超える宿は1〜2回程度だ。ま、安くても高くてもダメな宿はダメであり、それは泊まってみなくては分からないもの。とりあえず期待しようじゃないか。
 宿に入ると、我々以外に客は見当たらない。小さなフロントでは「今日は満室に近い」というが、つづけて「当旅館は6室だけです」・・・なるほど、こんなに大きな旅館で、たった6室なわけね。
草津では“湯畑”に行くのはお約束事。宿から50mと近いのでありがたい。


バイクは玄関の左右軒下に置かせてもらう。



これ、マクラかぁ? と思わせるザブトン。こんなのに座ったことないのであせる。


夕食前に夜食のまんじゅう買出し。



温泉街には(パ)チンコ屋もある。


木造三階建純和風旅館、おカミさんとカミさんとニッポンのゼファー。


部屋のカギ(左)とこの部屋専用の個室風呂の巨大なカギ。ちなみに石楠花は“しゃくなげ”と読む。二人とも読めなかった。

湯の色合いが美しい“湯畑”



温泉街散策後の夕食。どの料理も、なかなか良い食材を使っているようだ。


 益成屋旅館に入る前までは、ちょっと宿代高いかなあ〜、なんて思ったが、部屋、風呂、食事、そして宿の様々な心づかいには満足する。もちろん合格点、またいつか草津に来る機会があったら、ここに泊まろう。
※私がまた泊まろうかと思う宿は少ないのです。2000年からだけでも7年間に100泊ほどしているが、そう思う宿は6〜7軒だろうか。宿代も8千円から3万円までとバラバラ。今度そんな宿特集しても面白いかな。。。


男湯で申し訳ない・・・

それにしても、さすが草津の湯、
仕事の疲れも落としてくれるだろう。
いちどはおいでなさい。

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