いつもならカミさんといっしょだが、「寒いからヤダ」という軟弱な回答で今回はめずらしく一人旅。だからスペシャルハイペースのカワサキ12Rでドッカ〜ンと会津に向かおう。

 4月25日の朝、出発しようとしたら、雨。昼に出ようと思ったら雷雨、、、で午後1時過ぎ、やむなく小雨の中を発進。
 さすが暴れん坊初期型12R、未完成ド迫力のパワーにものを言わせて、東北道を北上し、雨雲を追い越せば福島県で快晴。しかし磐越道に入るとミゾレまじりの雨で気温は4℃。防寒グローブは無いので手がかじかみ、スロットルを閉じることができず、あっと言う間に会津若松到着。
 ジャスト3時間、距離300kmなので平均速度は100km/hちょうどで制限速度内。(渋滞の首都高、休憩2回を含むから、走ってる速度はとても言えない。)

 さてもう4時を過ぎている。明るいうちに鶴ヶ城の桜でも見物しよう。


これぞ豪快なる満開。この世のものとは思えない美しさだ。


堀に沿って、ずらっと満開。




城巡りはニンジャで来るのが常識。12Rはニンジャではない!っていう人もいるが、まあカワサキのどれもが本物じゃないっつうの。
 会津若松市中心部のやや南に位置する鶴ヶ城に着くが、まずは様子見で一周する。そのどこもが満開の状態で、バイクを止めては写真を撮るの繰り返し。車で来たら無理なことで、バイクならではの特権だ。
 もう初めから言ってしまおう。・・・これほどまでに美しく、豪快に咲いている桜を見るのは初めてだ。20日前に長州 萩城の満開を見たが、まるでレベルがちがう。バイクで言えばゼファーと12Rほどのパワー差である。
 さて堀の中に入ってみる。さすが600年の歴史を誇り、松平二十三万石の城だけのことはある。その重みと風格は、これも萩城の比ではない。ただし萩城の名誉の為に付け加えると、萩の城主 毛利家は1600年の関が原の戦いで徳川軍に破れた西軍。よって城を自由に作れない事情ってもんがあったのですわ。
 萩城と比較して鶴ヶ城の素晴らしさばかりを述べると、長州のみなさんから叱られそうだ。この辺でやめといて城内の天守閣へと向かおう。 


城内は中学生のランニング場であり、ダンゴをかぶりつきながらの女子高生の散歩道でもある。(東京ならハンバーガーだが、ここ会津はダンゴが基本らしい) そして、次から次へと来る女子高生は、城内がライトアップする花見に向かう。なお、オッさんやオバさんはきわめて少なく喜ばしい。



4月25日現在、城内は午後6:30にライトアップされる。





[ 今回は全てキャノン 30D 28〜135mmズーム使用 ]






 ライトアップされた鶴ヶ城と満開の桜、もう、それはそれは美しい。平日とあってか、観光客は少なく圧倒的に地元の人々、それもなぜか女子高生が多い。そしてだれもが感嘆の声「うわぁ〜」とか「すっごぉ〜」。私とてあせった。自宅を出る前はこんなにきれいだとは思わず、いつもならフルセット用意しているレンズ、特に広角レンズを持ってきていない。しかも予備カメラに予備レンズ。後悔。。。(12Rなので積めない理由はあるが)

 天守閣のまわりでは恒例の宴会。半数は女子高生グループ、そして残りはいつのまにか来ているオッさんグループ。さあ女子高生達の唄が始まる。浜崎あゆみだ(たぶん)。爽やかだ。唄い終わるとこんどは隣りのオッさん達の番だ。なぜか礼儀正しく、隣同士のグループでバッティングしないのだが、、、
 「ひとつでたほいの〜〜ひとり娘と〜♪」 春歌である。すでに赤みをおびたオッさんは城の壁に跳ね返るほどの大声で唄う。 「ふたつでたほいの〜〜姉のほうからせにゃならぬ〜♪」 もういいっつうのに、女子高生から笑いを取ると調子こいて10番まで唄いやがる。
 豪快に咲く桜の下で、なんかほのぼのとした花見風景であった。あきらかに東京のとはちがう。これが会津流なのだろうか、気持ちよく鶴ヶ城をあとにする。
 



 城の桜というのは、なぜこうも品格があり、美しいのだろうか。おそらくはその背景、堀の重厚な石垣やそびえ立つ天守閣、そして歴史を感じさせるからだろう。だたし、ほとんどの他の城と同じように、鶴ヶ城の天守閣も昭和の時代に再建されたレプリカである。それでもそれが有ると無いのとでは大違いだ。明治政府が各城を保存させなかったのは実に惜しいが。
20日前に訪れた長州(山口県)萩城址。


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