◆写真:仲島秀男(hula Inc,)・石村英治(Photospace RS)・海野亮治・松下ヨシナリ・ユウ&ダイスケ
■主催:NPO法人 三宅島スポーツ振興会、三宅島
■支援:東京都
■後援:マン島TTレース
■開催日:11月16日〜11月18日
■特別協力:淺田ふみよ

 俺、松下は取材のため。夫婦坂の長兄ユウと、悪友ダイスケの2人は、三宅島モーターサイクルフェスティバル(以下、三宅島MCF)を“楽しむ”ために、東京竹芝桟橋から連絡船に乗り込んだ。
 上陸してからも、まぁ ノーテンキにはしゃぎまわるユウとダイスケ大学生コンビ。恐らくヤツらが「一般参加者」としては最年少だろう。
 俺はといえば、10月上旬のレース中に負った左足の怪我で、まだ松葉杖中。どーしても行きたかったので、拝借したバイクは3輪のジャイロキャノピー。コレなら足を怪我しててもOKでしょ!(笑)


 様々な偏った電波報道が流された様だけど、俺としては、現地で自分が“感じた”事のみを俺の主観で書かせていただく。
 イベントとしては、当初計画されていた「マン島TTの様な公道レース」は、未来への宿題とされた。主なイベントコンテンツは
● 30キロの島内外周路をパレードラン。
● その一分を閉鎖して、レーサーも走れる(ただし70km/h)ツーリスト・プロと言われるパレードラップ
● トライアルデモンストレーション
● 飛行場の滑走路を利用してMFJ公認の全日本ドラッグレース選手権。
● 島内1周のツーリングラリー

 更にその他、昨年マン島に散った前田淳選手のメモリアルギャラリーも特設され故人を偲んだ。メイン会場が接地された阿古地区では、パーティーや地元の獅子舞などなどが披露され、島民やボランティアを含めた参加者が大いに盛り上がったぞ。
 さらなるイベントの詳細や報告は、公式HPを参照して欲しい。

 俺はこのイベントを実体験するまで、ハッキリ言って心配だった。開催に至るまでの紆余曲折は皆さんも流説を伝え聞いてる事と思うが「ホントに大丈夫か?」ってのが本音だった。
 でも、三宅島MCFのオープニングパレードで沢山の参加者とバイクで島内を1周して、沿道から手を振ってくれる1600人もの方々に会い、心配は吹っ飛んだ! いきなり、三宅島の人たちと“一体”になれた気がしたんだ。 コレには、ゲストの岩城滉一さんや、辻本聡さん、井筒仁康さんも大感動で、しばし皆さんとの一体感を楽しんだ。
 東京都知事の石原慎太郎氏は終始ご機嫌で、相好は崩れっぱなし。彼は、3日間滞在中にほぼ全てのイベントを視察した。えらいッ!


飛行場での全日本ドラッグレース選手権。

 俺が取材した皆さんは、お年寄りからチビッ子まで、本当に喜んでくれ「島に活気が出たよ!」「こんなの初めて見るよ!」「ぜひ長く続けて欲しい」などの肯定的意見が多かった。ここは掛け値なしにホント。ただ「バイクじゃなくても良いのでは?」などの否定的意見も存在した事も、また今後の課題となるだろう。
 今回、日本が誇る4大メーカーの協力は残念ながら得る事はできなかったが、ただ、頭ごなしに「アブナイからダメ!」って言うのはどーなんだろうなぁ。俺は凄く悲しいな。

「官民一体」とまではゆかない。どちらかといえば、「官」(東京都)が積極的で、「民」(特に民間企業)は、、、? 通常、バイクイベントは「官」の協力を得るのに苦労するのだが。

 何故「危ないから、こうしたらどうだ」など「開催」を前提とした話し合いが出来なかったのか? 今後を期待せずには居られないし、もち、微力ながら俺も全面的に協力するつもり。
 ゲストのマン島TT現役レーサー、イアン・ロッガー選手は、「慌ててはいけない。少しづつ育てていく事が大事だよ」とコメントしていた。TTで7度も優勝している。レジェンドライダーの言葉は、優しくて重い。ほんと、その通りだよね。
 石原都知事は「来年も必ず開催する!」と力強く明言していたし、「お台場でのF1GP開催」にも話が及び、大いに会場が盛り上がった。
 物事には必ず2面性があると俺は常々考えている。俺達は、メディアに踊らされることなく、多角的にこのイベントを見ていかないとイケナイと思う。それが「オートバイ乗りの社会的地位向上」に直結すると俺は信じている。


俺のジャイロが珍しいらしく、パドックで乗り回すこの人はイギリスから来てくれたゲスト、イアン・ロッガー選手。マン島TTレースでは、あのフィル・リードに次ぐ7度の優勝を誇るホンモノだ。

今年のマン島TTレース、セニアクラスで4位になった時のイアンの勇姿。有名なジャンピングスポット「バラフブリッヂ」。
※本当に速いTTライダーは、あまり大きくジャンプしないのだ!



三宅島の人々も喜んでいただけただろう。その笑顔が物語る。


 と、まあそんな取材に東奔西走する俺を後目に、ユウとダイスケは三宅島MCFをエンジョイしまくっていたな(笑) 俺としても、とても強く思い出に残る旅になった。
 離島の時、力一杯手を振ってくれる三宅の皆さんに「また来年も来ます!!」そう誓った。東京都が全面的にバックアップするという、正にバイク乗りとしてはエポックメイキングなこの三宅島MCF。第1回の目撃者になれた事を幸せに思っている。
 皆さんにはこの素敵なイベントに、ぜひ来年以降、足を運び体験される事をお奨めする。
 ありがとう! 三宅島!!


珍しく真面目なレポートをする松下でした!(笑)






[HP編集部あとがき]
世界でいちばんバイクを作っている国なのに、優秀なバイクをたくさん作っている国なのに、悲しいことにこの国ニッポンにはモーターサイクルの文化がない。
特にバイクに興味があるわけでもない石原慎太郎都知事が、英国マン島を参考に、その文化のレールを敷いてくれた。が、しかし、、、「危険だから」と我が国のバイクメーカーは消極的。結果、その乗客はあまりにも少ない。
松下の言うように、「危険」なら、なぜ工夫をしようとしないのか。前向きな考えが、なぜできないのか。なにもギンギンに走るレースでなくとも良いではないか、、、と思う。
夫婦坂旅紀行に登場した米沢藩主 上杉鷹山(うえすぎようざん)の言葉を捧げたい。

 「なせば成る、なさねば成らぬ、何事も、
            ならぬは人の成さぬなりけり」

 ( とにかくやってみようではないか。努力しなければ何もできやしない。
  出来ないのは、努力しようとしないからである。)


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