◆自画自賛レポート:松下ヨシナリ
■ 開催日:8月30日
■ 写真:坂上修造、田中祥夫
■ #135 Team Tras & PIAA
■ 車両:BMW HP2 Sport


 最近、特に夫婦坂のオヤっさんに怒られるのは、「オメーよぉ! 最近、ろくすっぽ旅もしねーで、レースばっかりやりやがって、ウチはサーキットなんて、あんまり関係ナイんだぞ!」な~んてね(笑)
 今年、松下は例年になく、沢山のレースに出場している。コレには理由があって、来年以降「マン島TTレース」にエントリー(出来るか判らないが)するにあたって、「エントリーライダーは、年間6戦以上の完走レースを報告しなくてはならない」なんて項目が有るんです。その基準をクリアーするために、「筑波選手権」にシリーズを通して参戦したり、いつも以上に積極的にレースに出場してるってワケ。

 そんな中で、8/30日に開催した、国内最大のアマチュア耐久レース「もてぎマスターズ7時間耐久」に、出場。なんと、優勝しちゃいました!!!

 しかも、マシンはまだ国内未発売のBMW【HP2スポルト】コイツは、空冷2気筒のフラットツインエンジン搭載のマシンとしては、究極とも言えるBMW入魂のスポーツ・ボクサー。
 まだ、跨るだけでも光栄な、この珠玉のマシンに、国内初登場の晴れの舞台にエントリーした、Team Tras & PIAAの第2ライダーとして頑張ってきましたよー!!




 ものすごく手前味噌な話になるかも知れないが、これが、どんなに凄い快挙か、ちょっとだけ説明するね。
 「もて耐」は、1998年に始まった、日本最大のアマチュア耐久レースで、今年で11年目を迎える。様々なルール改正を経て現在に至るわけだけど、今年は大改革をしたんだ。
 従来、このレースは「150cc以上のバイクなら何でもアリ」というオープンなレギュレーションで人気だったんだけど、リッタークラスのスーパースポーツと小排気量車との混走は危険極まりない。そこで、250ccまでのバイクで戦う【もて耐オープンクラス】と、排気量なんでもアリの【もて耐マスターズクラス】の2クラスを2日間で、それぞれが7時間を戦うってコトになったんです。つまり、俺たちはBMWでマスターズへ。夫婦坂の長兄ユウとダイスケ擁する大学生極貧チームは、スパーダ250でオープンをそれぞれ戦う事となったんです。



優秀なメカニックに高価な外車、そして企業スポンサー付の資金力たっぷりの、“マスターズクラス”松下裕福金満チーム。(編集部筆)



ネットオークションで競り落としたポンコツスパーダで参戦の、オープンクラス大学生ド貧乏チーム。(右の3名は当サイト学生二輪旅紀行メンバー)


 まぁオープンクラスのお話しは、ユウに任すとして、話をもどそう。
 
 もて耐11年の歴史の中で、優勝しているのは国産スーパースポーツのみ。外車が勝った事など一度もない。そんななか、昨年、2時間まで4気筒K1200Rでトップを走りながら、悔しいトラブルに泣いた。BMWチームは、最終兵器とも言えるDOHCヘッド搭載のフラット・ツイン HP2スポルトを投入してきた。コレにもディープな理由があるんだけど、詳しくは9月13日発売の【BMW BIKES】をお手に取っていただきたい。
 
 第1ライダーは昨年に引き続き、エースとして、チームの牽引役として大活躍のプロライダー&2輪ジャーナリスト戸田隆氏。
 第2ライダーは、今年もスタートライダーの大役を務めた脳天気男、俺、松下ヨシナリ。
 第3ライダーは、BMW公認インストラクターであり、2006年鈴鹿8耐をK1200R改でクラス優勝に導いた、国際ライダーの斎藤栄治選手。ちなみに俺と同じ歳!(笑)
 「コイツはイケるかも。」そんな“もしや”の期待が膨らむメンバーで、レースウイークを迎えた。
 
 ぶっちゃけますが、普段から緊張感のカケラもない俺ですが、今度ばかりは本気で緊張しました(汗)。だって、まだこのHP2スポルト、走行可能な個体は、日本に2台しかない(!)、部品もなければ情報もない状態。しかも、ビーター製24Lタンクと、ワイバーン製チタンマフラー意外は、ほぼノーマルのストック状態。
 もち、転倒イコール即、リタイヤを意味する。そんなマシンで、スタートのファーストライダーを努めたんだから、そりゃぁ〜手もプルプル震えるってもんです(実話)



スタート直後の#135松下。トップに見えるが3番手で1コーナーへ進入。


 そんな中、スタートは9番グリッドから、俺のロケット・スタートがドンピシャに決まり、1コーナーへは3番手で突入。24Lの大容量タンクと、8.4キロ(予選時計測)という素晴らしい燃費のお陰で、スタートライダーの俺が、約1時間後にトップに立つと、その後は俺たちのHP2スポルトの一人舞台!! 松下(START)→戸田→斎藤→松下→戸田(GOAL)という各スティントを常に1位で、7時間譲ることなく駆け抜け、外車としては初の優勝を飾りました!!!
 しかも、このマシン、空冷の2気筒でシリンダーのはみ出したフラット・ツインだからね!(笑)、更に言うと、シャフトドライブ+テレレバー&パラレバーの前後サスペンションってパッケージ。もうコレは“ウルトラ快挙”としか言いようがない。
 俺にとっては、この夏、最高の出来事であり、素敵な思い出となった。
 それにしても、あのクソ蒸し暑い中、1スティント80分以上のロングラン×2本はキツかった〜 俺の手は、マメだらけですよ(笑)


上から、斎藤栄、戸田隆、松下ヨシナリの激走!



 最後に、チーム監督のBMWモトラッド武藤氏、Trasの新田代表、マイスター岩間氏、Gトライブ會澤氏、精神的支柱の戸田兄貴、ライダー斎藤エーちゃんをはじめ、多くのチームスタッフの皆さんに、目一杯デカい声で、感謝を申し上げたい。
 「本当にありがとう!」
 こんな素敵なチームに加わる事ができて、俺は幸せでした。また、更なる高見を目指し、挑戦していきたいですね!!

■詳しくは、9月13日発売の【BMW BIKES】、9月24日発売の【RIDING SPORT】を見るべし!(出来れば買っていただけると有り難い)

■ Special Thanks : BMW Motorrad、Tras、PIAA、G-TRIBE、BRIDGESTONE、Beetr、R’s GEAR、HYOD、SOS、SHOEI、DAIINESE.



[HP編集部あとがき]
「オレ、たぶん勝っちゃうな!」、松下は7月の三宅島の旅の最中もレースの話で騒がしかった。8月上旬、我が家に泊まって飲んだ時は、なお騒がしい。そしてレース真っ最中にもケイタイ掛けてきて「やっぱこのまま勝っちゃうなぁ!」 レース後、「有言実行!オレ様ってすごいよなあ」・・・自分を北島コースケに見立て、絶好調な有頂天松下と化した。まあほんとに勝ったのだからたいしたヤローだ。自称“乗って、しゃべれるジャーナリスト”はダテじゃないわけである。(褒めるの、慣れてないんでこんなもんでいいかな)
ところで、松下の裕福チーム優勝の翌日、息子たち貧乏学生チームがスパーダ250でオープンクラスに参戦した。優勝することなんて、屁のツッパリにも(どっかで聞いたことあるような)思えないポンコツマシン、ヤツラは完走することに意義があるらしい。おそらく、優勝した松下、完走の学生ども、どちらも満足濃度はたいして変わらないのではなかろうか。レースってのは、そこが素晴らしいのだ。 [夫婦坂]

追伸、松下へ。
たまには、ほんの少しでいいから弊社製品の宣伝ページ、やってくれないかなあ。。。

[よろしかったら、貧乏学生の“もて耐”参戦記 も、どうぞ!]
※無断リンクの為、文句がきたら消去します。
(9月7日現在、ヤツラは北海道貧乏ツーリング中なのでしばらくバレない)
※協力:ペアスロープ(が所有のカメラとレンズを貸し出し)


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