このページの写真:三橋・坂上修造・松永明寛・松下ヨシナリ

 前のページを送信し、このページを作っている最中、知人からメールがきた。以下はその文である。
わたくしも関西人Mでもありますが、伊豆半島は
「ケッ!!へッ!!!」であります。

走っても走っても山。
「軽四輪以下でないと走れません」なんて書いてある道は紀伊半島以外有りません。
大体ね〜。熊野古道ですよ。熊野!
富士浅間神社とは歴史が違います。
雅の京では富士山なんか気にしてません。
枕草子にも富士山は出て来まへんヮ

仕事に煮詰まった“M”でした
気分転換でした。すみません。

 俺だって仕事が煮詰まってんでい!気分転換でこんなページを作ってんでい! と返信したかった。
 前ページの掲載で、なんとなく反論されるんではなかろうかと予想はしていたものの、即刻これだ。しかしあのM氏とは異なるM氏で、そういえばこの人のイニシャルも M だったなあ、と気づく。きっとどちらのM氏も思っているだろう 「ほんま関東人は関西人に挑戦したがる。これ、あきまへんなあ!」 ・・・いやちがう、ちがうのだ。
 ことの発端は「自分らはちっさな伊豆で遊んでんやろ?」から始まった。むこうから挑発してきた。そもそも“自分”というのは自分自身であり、なんで相手のことを“自分”って言うのか理解できないじゃないか!・・・いやいや、もうほんとにやめよう。様々なM氏とは酒の席のお約束のごとく、こんな他愛のない話で盛り上がっているだけだ。お互いに敵意があるわけではない。そういうこと。。。


 さて、話を伊豆の旅に戻そう。関東人vs関西人の話をしていたら、いくらページがあっても足りない。
 酒をたっぷり買い込んで今夜の宿、山芳園(さんぽうえん)に着いた。カメラマンの坂上夫婦も直後に到着。
 ここで12人(とワンちゃん1匹)が全員集合となり、今日のこれからの予定を説明。メインイベントは“ホタル”である。

こちらが改造屋であちらが、、、初対面が多い。

「おいらはどこで寝るのだろう?」・・・心配無用。山芳園にはペット同室ルームがあるのだ。

 6月20日に泊めてちょうだい、とこの宿の女将さんに電話したのはその3日前。
 「あらぁ〜、その日は休館日だわぁ・・・。ほかにお客さんいないからどうぞ〜」
 休館日だわぁ、にがく然とした3秒後のありがたいお言葉。これでこの宿の貸切決定である。
 貸切ということは、どの部屋も自由に選べる。露天風呂の女性専用タイムもこちらの都合で決められる。(ほどほどに)騒いでも気兼ねない・・・こんな恩恵に授かるのも普段のおこないが良いからにほかならない。と、勝手に解釈する。
 さて、以下が遊びの本番スケジュール。
1. とりあえず温泉に入る。
2. ちょっと新作ウェアの写真でも撮りに行く。
3. 豪勢な料理で宴会その1。
4. ホタルを見に(撮りに)行く。
5. また温泉に入る。
5. 宴会その2。
 
宿のバイク駐輪場。というより、ここのダンナの工作納屋。


飲む、泳ぐ、松下やりたいほうだい!
ツーリングあとの露天風呂でのビールは、格別な旨さなのだ。


 ゆっくりと温泉に浸かる間もなく外に出る。あらかじめ今日はワンボックスカーがあることに、そしてカメラマン、モデルになれる松下がいることに目をつけていて、2007年秋の新作ジャケットを積んできていた。そう、せっかくだからカタログ・HP用の写真を撮ろうではないか、と。100%遊びツーリングのつもりが、ついつい仕事になってしまう。

改造屋のワンボックスには5〜6着の新作ジャケットが。

ジャケットは出し惜しみでモノクロ。
それにしても秋の季節とはほど遠く、グリーンが眩しい。


 弊社の場合、通常は秋のイメージカットは前年の秋に撮影をおこなう。春から夏に撮ったのでは季節感がバラバラになるからだ。
 しかし、最新作の場合は例外で、製作の都合上、初夏の時期になってしまう。背景に季節を感じさせない手法は、室内や都会のビルをバックに撮るのが適しているが、“旅”を演出することはむずかしい。
 ささっと1時間ほどで撮り終え、宿に戻る。“ホタル”のために早めの夕食が待っているのだ。



 数々の料理とともに、宿のダンナがでっかい船盛を持ってくる。ダンナ自ら言う“高級民宿”山芳園の料理は、伊豆近海の幸。真鯛、金目鯛、カツオ、伊勢海老、アオリイカ、それらを地物のワサビを擦って頂く。あっちこっちとつまんでいるうちにアワビの踊り焼がいい具合に、、、食欲飲酒絶好調である。
 さてアルコールもほどほどに(といって野郎共かなりの量)、夫婦坂のロウソク“ちょうちん”を準備して、今夜のメインイベントである“ホタル”観賞&撮影に出発。宿のダンナとその息子さんがワンボックス2台で山奥に連れて行ってくれるのだ。
クルマの中で真っ暗な前方をテスト撮影。
ところが俺のカメラに悪夢が、、、。



Photo:坂上修造

 結論から話そう。5台の一眼カメラを備えた集団ではあるが、だれひとりまともに撮れていない。坂上カメラマンだけがなんとなく撮れてはいるが、プロだから採点が厳しい。
 それぞれの言い訳は、、、
■坂上カメラマン:「初めてだからさぁ、シャッター時間が分かんないよぉ。それに“ちょうちん”、明るすぎだよ〜」
■改造屋:「ちょうちんが真後ろにあったんで、ファインダーに光が・・・」
■松下:「俺さまのウデなら三脚はいらね〜」(持ってない。問題外)
■次女:唯一のフィルムカメラ。でも三脚を渡し忘れた。
■そして俺:電池がぁ〜、電池がもうないっ!最悪の失態。

夫婦坂ちょうちんと女風呂

 1分くらいシャッターを開けてる撮影に「三脚いらねぇ〜」の松下は言うに及ばず、5台の一眼カメラを持ってきてこの結果は情けない。しかし、一番のチョンボは電池残量を確認せずに出発した酔っ払いの俺であろう。・・・だから酒はほどほどにしておかなければならん。
 “撮るなら呑むな、呑んだら撮るな、ホタルの光”

※今年の松崎のゲンジホタルは、気温が高く、雨の少ない影響か、昨年までよりその数はあきらかに少ない。それでも目の前に飛ぶホタルの数は一ケタ数ではなく、見るだけなら十分楽しめる。

宿に戻って反省会開催中・・・


 また温泉に入って二次会がはじまり、しこったま酒を喰らう。なんだか今日は大忙しの1日であった。
 明日も伊豆を楽しもう。




 なお、まともなホタルをお見せできなかったので、まともな2007年秋の新作ジャケットをご覧に入れよう。(単なる宣伝のようにも思えるが・・・)
でもこれは、カタログに採用できないボツ写真。その理由はカメラマン坂上修造とモデル松下のWチョンボである。
  1. 秋のカタログなのに、バックのグリーンが鮮やかに明るすぎる。
    (ストロボを効率よく使えばなんとかなる)
  2. 拡大すると、サングラスに俺達が写っている。
  3. スカした顔をしろ、というのにバカ笑い。
  4. 手が妙な位置にある。
しかし、コットン帆布と牛革をポイント採用した2007年秋の新作、トラディショナルなショートコート・・・申し訳ないが、憎いほどカッコいい。


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