このページの写真:三橋・坂上修造・松永夫婦 2007年6月21日

 昨夜の宴会で、松下と次男が早朝に南伊豆ワインディングの朝練に行く、と約束していた。しかし朝5時、フトンの中でぼんやりと聞いた排気音は、ゼファーの集合管の音色だけだった。松下は爆睡していた。
 遅めの朝飯を食って、うだうだとしていたらすでに9時半、そしてだらだらと全員出発。とりあえず伊豆の南端、石廊崎(いろうざき)へと向かう。

改造屋の奥さん:「どうして極悪な走り方をするのですか、松下さん?」
 「いやぁ、伊豆の道が速く走れ、って」
改造屋の奥さん:「それで免許証、だいじょうぶなんですかぁ」
 「あっ、いやぁ〜〜・・・・・・」

 松崎の町から南の交通量は極端に少ない。しかも平日とあれば貸切状態のようなもので、飛ばしほうだい・・・といきたいところだが、ところどころで松下と遊ぶ程度にしておく。調子にのって飛ばし続けると、この辺りは猿の飛び出しに出合うから。
 そういえば、前ページの関西人M氏は、今年この伊豆山中のワインディングで犬にぶつかって転倒、バイクを大破全損させたそうだ。(あれっ?伊豆半島、ケッ・・・って言いながら走ってんじゃないの。だから転けたか。) 猿といえども、ぶつかれば転倒するだろう。そこそこ気をつけなければならない。
 時々爆走、ほとんど縦列走行のバイク組は天気快晴のなか、平和に移動中。

追い越すクルマも対向車もほとんどない、平日、南伊豆のワインディングロード。 やばい、いつのまにか次女が松下の真後ろについている。

まったりと、のどかに走る・・・それもたまにはいい。


 宿を出て1時間も走らないうちに伊豆南端の石廊崎周辺の展望パーキングに着く。クルマ組とはどのくらい差をつけたかなあ、なんて思っていると、5分とはかからず到着する。これだけ道が空いてれば、40分程度の道のりでは、たいした差は開かないのだろう。


伊豆南端の海は青く、そして荒々しい。


 写真撮ったり、なにか食ったり、いっぷくしたりと様々で、人数が多いと休憩時間も長い。そうこうしてるうちに昼も近くなり、せっかく伊豆に来たのだからヒモノでも食おうと、下田のヒモノ屋“万宝”(まんぽう)に向かう。3年ぶりだ。

いつのまにか次女が先頭になってしまうと、実に危険。スピードメーターも制限速度表示も無視する(見てる余裕がない)次女の速度はグングンと増す。すかさず長男が強引に追い越し、先頭で抑える。


下田市内を抜けて、ひもの“万宝”に着く。その駐車場前でカミさんと次女がちゅうちょして止まってるのは、“ジャリ”だから。立ち転けよりも、確率高いのである。こんど林道に連れていって鍛えるとしよう。(しかしオフ車のシート高は高く、片足すら着かない)

 伊豆の国道を走ると、ひもの屋はいたるところで目に付く。しかしここ万宝はちがう。通りすがりの観光客など商売にしないがごとく、国道から数百メートル離れた、細い路地沿いにある。ここの変わっているのは、ご飯等の持ち込み自由で、店内の冷蔵庫からヒモノを選び、炭火で焼いて食わせる。近海もののヒモノをオカズに、極上の昼飯にありつけるのである。しかも一人平均千円と掛からずに。
 バイク6台とクルマ2台の総勢12人(+ワンちゃん1匹)で万宝を訪れる。早々に主人に迎えられ、
「あらら、こんな大人数だと店んなかは座れないから、外でいいかねえ」
 外で食うのは初めてだが、これも良かろう。この時期、店内は暑そうだし。 
ニコニコと、そしてテキパキと炭火でヒモノを焼く、ご主人。

飲み物、おにぎり、お新香・・・あらかじめ下田駅隣りのコンビニで購入。あとはヒモノが焼き上がるのを待つばかり。


[解説]
さんまの幼魚:メザシ(いわし)だと思ったらサンマだった。駿河湾産5匹120円と安価で、すんごく旨いことを発見。この場は酒が呑めなくて残念。
イサキ:アブラがのった梅雨時が旬で申し分ない。
アブラカマス:九州産の極上もの。
カサゴ:見た目グロテスクだが味は淡白でクセがない。
金目鯛:1年でいちばん旨い時期のものを仕入れ急速冷凍するという。これ食ったら、ほかの金目はなんなんだ?
アジ:金目鯛を夢中で食ってて写真撮るのを忘れたが、近海ものはやはり旨い。

 通常は客がヒモノを選んで、それを焼いてもらうのだが、今回はご主人の“おまかせ”としてもらった。
 「ヒモノって旨いもんっスねえ・・・」改造屋家族がクチをそろえて言う。そらぁそうだろう。普段スーパーで売ってるのと、手間を掛けた近海ものの味は大きく違うのだ。
 ここのヒモノの旨さがわかると、我ら4家族全員、(自分達用の)お土産に、冷蔵庫から、あれやこれやと選ぶ。バイク組は小さな箱、クルマ組は大きな箱に。(本来の商いは店内で食わせるのではなく、お土産用なのである)
 おっと、ここ万宝の最大のウリものを忘れていた。“伊勢海老のヒモノ”である。しかし現在禁漁期間(5月中旬〜9月中旬)の為、ありつけないが、あったとしても高額だから、おいそれと食えるものではない。3年前に一度だけ食ったけど、刺身より、ボイルより「旨め〜」というのだけ覚えている。
焼いてもらうのも、お土産も、この冷蔵庫から選ぶ。ちなみに1260円の金目鯛、一人で食うにはデカすぎる。

「いいサカナが港に上がると、オヤジ、店のおカネをみんな仕入れに使っちゃうんですよ」 ホームページ用に新しいカメラやレンズも買えやしない、となげく若ダンナ。どっかの革ジャン屋のオヤジも、いい革があると会社のカネをとことん使ってしまう。似たもの同士か。・・・でもねえ、いい素材でなければ、満足のゆくものなんて作れないんだよねえ。。。

※席の事前予約はできません。
※店内は広くなく、7人以上は無理があるのでご了承を。
※おにぎり、飲み物等の持ち込みはOK。下田駅周辺のコンビニで買ってきましょう。
※土日祭日の昼時は混みます。その時間帯を避けるようにしましょう。
※野良猫がヒモノを狙って近寄ってきます。ぜったいエサをやなないように・・・。(わざとらしく可哀そうな鳴き方をするが、ダメ!)





 さて、たっぷりとヒモノを食ったあとは、万宝から100メートルほどの外浦海岸で食後休み。ここは人も少なく、ほんとに綺麗な海岸で、お気に入りの場所である。







空冷・キャブ・鉄フレーム・・・古そうだが21世紀製、我が家のカワサキ3台。今回、もう1台のカワサキ、12Rも引っ張り出そうとするも、エンジン不調で断念。非力なエストレアは、主に次女の通学用。
それにしても“カワサキ”は共通だが、革ジャン、コットンジャケット、メッシュジャケットと着てるものバラバラですな。


またもや撮影。遊びに来たのか、仕事なのか、、、?


 ここ外浦海岸で各自解散だ。ここから先の東伊豆の交通量は多く、いっしょに出発したところでバラバラになってしまう。バイク組6台はそろって帰るものの、松下夫婦は途中で見えなくなってしまった。みなさん、お疲れ、、、。

 さあ、いかがだったろうか、伊豆遊び。筆者は、ひもの万宝も山芳園の宿も何度か訪れており、このHPでも紹介しているので今回のルートには多少ためらった。しかし、参加家族にとっては初めてのことだし、まあ、冒険して穴場を探すより、苦労なく楽しめる。それにリピーターとしてこころよく迎えてくれるところがあるというのは、なによりありがたい。
 みなさんもどうです、伊豆。でも梅雨が明けた夏の時季はお薦めできない。暑いし、道が混んでるし。
 ではまたお会いしましょう。
 






[ 今回の“宿”と“ひもの”をご案内 ]

無色透明、源泉掛け流し、一軒宿の桜田温泉 山芳園。そのHPから宿泊料金を調べると、やや高額なことに顔をしかめる人も多かろう。ご主人いわく「高級民宿」。でも、料金と内容が伴っておれば、それでいいんですわ。それに多人数で泊まれば、伊豆のその他の旅館と、たいした料金差ではない。たまにはカラダに贅沢させましょか。
http://www.sanpouen.co.jp/
何年も前は穴場的存在だったが、最近、旅行番組や雑誌にちょこちょこ登場しており、ややメジャーになりつつある。これ以上広めたくはなかったが、やはりここのヒモノは旨いので仕方がない。筆者もしょっちゅう行ってるわけではないから、食いたくなったらHPの通販サイトで注文している。嗚呼、このページ作っていたら、また食いたくなった。
http://www.manpou.com/


※山芳園案内のホタル写真を見たい方は、ツーリングサイトのメニューの
2005年6月 “伊豆 ホタルの灯を求めて”
をご覧下さい。今回よりまともです。


<< ツーリングメニューに戻る