毎年恒例で弊社の夏休みは15連休と長い。そう言うと、遊んでいるばかりの会社なのか、と誤解されそうだが、そのぶん週休2日など無縁なのだから、年間の休日数は一般的であるに違いない。
 さて、そんな長い8月の夏休み、7月の時点では北海道?、頑張って日本一周?などと思うものの、いざ直前になるとカタログだの広告だのコラムなどの印刷物入稿とぶつかってしまい、俺ひとり、会社で仕事しているのもこの数年の夏休みの恒例。結果的に今年も長距離は行けず、カミさんの実家である信州で数日涼むことになる。

 さて、1ページ目の題目は“道”である。
 近ごろ、バイク乗りのマナーの悪さが目につく。ここでいっぱつ道徳でも、と思うが、それは特に都心部でのスクーターの話で、左からでも強引に抜くは、タバコは投げ捨てるは、爆音この上ないは、、、etc。 しかし、そんな若者がこのサイトを見てるわけがなく、時には交通違反や違法かもしれないバイク改良をして走っているこの俺が(でもね、かれこれ20年間ゴールド免許)、“道徳”を語るってのもちゃんちゃらおかしい。ということで、ここではピンポイントでご案内する、夏に快適な信州の“道”としよう。

夏といえば高校野球、これが始まらないと夏休み気分にはならない。さっそくテレビを点ける。あれっ?なんで早稲田実業なんだ?(2007年は代表ではない)、おっ、ハンカチ王子だ!

 昨年の高校野球はずいぶんと楽しませてもらった。早稲田実業 ハンカチ王子斎藤佑樹と駒大苫小牧 田中将大(現・楽天)との投げ合いは2試合ともフルに見ていた。素晴らしい試合だった。その後、ハンカチ王子はプロに行くか大学に進学するか話題になった。結局、進学を選んだが、それも彼の“道”であろう。
 さあ、今年の夏もできるだけ高校野球を見て過ごそう。





次女:ゼファー750、俺:GSF1200、カミさん:W650のニッポン製3台のバイク。

カミさんは麻(あさ)素材、次女はコットン素材のハーフメッシュジャケット。いずれも試作品。



 8月10日(金)に東京大田区の自宅を出る。明日11日(土)から帰省渋滞を向かえるとの情報なので、のんきに中央高速を走るも予想外の渋滞に巻き込まれる。
 それにしても今年の夏は暑い。まともに走っていても涼しく感じず、渋滞のチンタラすり抜けは頭がボ〜っとしてくる。
 山梨県に入るとスムーズに流れるが、やがて甲府盆地。ここの暑さは尋常ではない。100km/h+αで走るも、風は熱風。早く通過したいので+大αとなる。覆面レスラーに注意して。

 中央高速を降りて清里に向かう上り坂、徐々に下がる気温を肌で感じる。標高1000mくらいを走っているのだろうか、涼しい。やはり夏は高所を走るに限る。
 ・・・そう、ここからが酷暑の夏でも涼しく快適に走れる“道”のピンポイント案内である。




宣伝をしているようで申し訳ないが、あまりにもデキがいいので初公開。女性的な色合いだが、男っぽいのも近々試作予定。ちなみに、撮ってる筆者のグローブ・ブーツ・ジャケットも、み〜んな試作テスト品。


県道28号、清里手前のりっぱな橋。ここから見る八ヶ岳も美しい。

涼しく快適な清里周辺の道。 国道や県道をちょっと外れるとスカスカの道。






 清里は有名な観光地である。そういうところにバイクで立ち寄らないことにしているから、あっさり通過し、山梨県の県境を越えて長野県の野辺山高原へ。ここでソフトクリームを食うのが楽しみなのだ。
 ソフトクリームはあまり暑いところでは旨くない。クチの中がベトベト、すぐに融けて手もベトベト、のども渇く。暑いならばカキ氷のほうに軍配が上がるだろう。そういえば、近ごろカキ氷を食っていない。昔の好みは氷ミルクイチゴ、現在は氷ミルクあずき、歳のせいだろうか。

甲子園はさぞ暑かろう。10年ほど前だったろうか、長野県佐久市の高校が出場。その応援夜行列車に乗って大阪駅に着くも、朝なのに列車のドアから出た瞬間、熱帯。球場でカチワリ(ビニール袋に砕かれた氷が入っていて、融けたそれをストローで飲む)をいくつ買っただろうか。クソ暑いと、コーヒー、コーラ、アイスクリームより、単なる氷水が勝ち。


 野辺山から国道141号を20分ほど北に走ると国道299号との交差点。それを左折し、標高2127mと日本で2番目に高い国道の麦草峠へと向かう。(国道日本一は長野・群馬県にまたがる渋峠2172m)
 メルヘン街道と呼ばれる峠道、夏の涼みには最適だが、峠周辺は熊笹と林ばかりで眺望は望めない。なにが、どこがメルヘンなのかよく分からない道なのである。
 峠までは走らず、その手前、標高1800mほどのレストハウスで小休止する。ここは浅間山と佐久平が一望できる場所なのだ。

 このレストハウスで、またソフトクリームを買ってほうばっていると、隣りに止めたスーパースポーツバイク3台の兄さん達がツーリングマップル片手に電話を掛けまくり、困った顔をしている。話を聞いてみると、掲載されてる国民宿舎に泊まろうとするが、どこも満室。それぁそうだろう、お盆シーズンなんだから。
 「だもんで、どっかこの辺に泊まるとこないっスかねえ?」 言葉から、信州人かと思ったが、ナンバーを見たら静岡。俺は地元民じゃないが、この周辺は地図無しで走れるほど少々詳しい。
 「じゃあ、案内するから、女・子供の後ろに着いてきなさい!」



新品の“麻”ジャケにハチがつぶれているのを気にするカミさん。でもネットに入れて洗濯機に放り込めばいい。 写真科の学生でいつもカメラを構えているが、撮られるのはいやがる次女。試作ジャケを撮っているのだが。

女バイク乗り2台と、国道299号、レストハウスから着いてくるスーパースポーツ系3台。



 国道299号から脇道を入って数キロで小海リエックススキー場の宿泊地域に着く。ここにはリゾートホテルやペンションが点々とある、、、が、リゾート、ペンションてなガラじゃない兄さん達なのでパス。もう少し走れば松原湖周辺に多くの民宿があるので、そこまで案内する。
 それにしても兄さん達、一人くらい、一つくらい弊社ペアスロープ製品を愛用してくれていたなら、死ぬ思いでもっと上等な宿探しをしてあげたんだがなあ。ま、メジャーなメーカーではないし、名のったら「ペアスロープ?知らない!」な〜んて言われそうだから止めといた。





 今から10年ほど前の冬、家族で松原湖に来ている。その頃は湖全体が氷結してスケートができたのだ。その周りでは湖面の氷に穴を開けてワカサギ釣り。しかし、近年の地球温暖化で、この先、その姿も見られなくなるであろう。
 バイク乗りにとって、冬が暖かいのはありがたい。しかしその反面、夏が暑すぎる。寒さを防げるウエアはあるが、35度を超えるような猛暑でも快適なウエアなど存在しない。メッシュだろうがハダカで走ろうが、暑いものは暑いのである。

 
テレビを点けたらツルツル坊主の高校球児。男らしさはこの上ないが、さぞ暑かろう、毛が無くても、、、。




松原湖から国道141号まで、距離は短いけどヘアピン連続の下り。 次女を先頭にすると、カミさん置いて、どんどん先に行ってしまう。レンズ越しにヒヤヒヤもの。


メッシュじゃないけど、ほどよい通気の暑くもなく、寒くもない“麻”ジャケ・・・申し訳ない、また宣伝をしてしまった。 ※でもこの仕様で販売するかは未定。ところどころ革を使ってるし、麻はナイロンやコットンよりずっと高価だし。(麻素材は100%なのです)




 八ヶ岳周辺の道は、夏のバイク旅にはお薦めだ。ビーナスラインも涼しく、眺望よく、ワインディングも楽しいが、なんといってもメジャーな観光道路。しかもお盆シーズンではクルマが多く、今回はパス。
 まだまだ快適な隠れ道が信州にはたくさんあるけど、またの機会にご案内しましょう。

 夏の猛暑でも快適に走れるのは、標高 1000mが目安。真夏の平野じゃ壊れちまう、カラダもエンジンも・・・。



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