2008年11月22日

 パドックさんにバイクを返し、津山駅に向かった。昨日乗ってきたディーゼル急行“つやま”岡山行きに乗らねばならない。ねばならない、といってもその後に他の岡山行きはあるのだが、ここはやはり2009年3月で終焉となる“つやま”に、今一度乗っておきたいから。。。



駅前の銅像。誰だかは知らない。



 津山駅で730円の急行券を買い足し、急行列車が発車する4番線ホームに向かう。その地下連絡通路を歩いていると、ひとつのポスターに目が止まった。東海道新幹線が開業した1964年当時から走っていた“0系”車両が、11月30日(2008年)で引退するとの告知。あの団子っ鼻の“夢の超特急”である。
 それほど新幹線ファンではないが、なんだか寂しい気分でそのポスターの写真を撮り、4番線のホームへと上がった。ここから発車する15時46分発岡山行き急行“つやま”も2009年3月13日で終焉となる。これで最後のJR昼行急行列車の乗り収めとなろう。


昔ながらの津山駅ホーム。1〜4番線まであるが、列車の行き来はきわめて少ない。

ホームにはセメントで“グリーン車乗車口”の案内が。当然、今は止まることはない。それどころかたった2両の優等列車事態が消えようとしている。

津山線、岡山方面の時刻表。1時間に最多2本。最終は夜の9時36分。車社会に追いやられた結果である。









 発車まぎわにパラパラと乗客があり、いつのまにか車内は半分ほどの乗客となった。見わたしても私の同業者はいないようだ(※ここでいう同業者はウェアメーカーではなく“鉄ちゃん”のこと、商売ではない)、急行つやまの独り占めってのはうれしい・・・と思う半面、寂しい。同業者はこの列車に注目してないのだろうか。今日は日曜日なのに。

 330馬力エンジンが唸りを上げて津山駅を発車した。バイクの加速と比べれば、それは比較にならないほど遅いけど力強い加速感だ。「プゥワァ〜〜〜ン」とタイフォン(警笛)が鳴る。蒸気機関車の汽笛の音色にはかなわないけれど、国鉄時代のいい音だぁ。
 運転席真後ろや最後部に行ったりとうろうろする。ひと目で“鉄”と分かるのだろうか、この列車でも車掌さんに声を掛けられ、撮影ポイントを案内される。あちらは仕事でこちらは趣味。けっして同業者ではないけれど、うれしいサービスである。 


 席に座って、この列車最後の車窓を楽しむことにした。すると、いるじゃないか田んぼのあぜ道に、丘の斜面に同業者たちが。あちらこちらでこの列車を撮っているのだ。まあ、彼らは“撮り鉄”で、私は“乗り鉄”中心だから、まったくの同業者というわけではないがうれしいものだ。きっと運転手も帽子を被り直しているにちがいない。
 午後4時を過ぎて陽が落ちる時だ。暗いよ、シャッター速度は遅いだろうな、ブレるだろうなぁ、と同業者に余計な心配をしたりもする。

バイクも鉄道もいつもいっしょの我が自慢のライディングブーツ。(車内にて)
[2009年3月中旬より津山の“パドック”さんでブーツ・グローブを例外的に発売します]


 急行つやま、岡山駅に到着。ドアが開き、ホームを歩く。何度も何度も振り返りながら、、、さよなら。。。

 岡山県津山旅情“バイクと鉄道”、これでおしまい。おいおいっ、鉄道ばっかしじゃねえか! と多くの方から聞こえてくるが、まあいいじゃないっスか、たまにはこんな旅のご案内も。
ではまた、、、三橋。









おまけ

近頃、新聞では鉄道に関する記事がたいへん多いのに気づかれた方も多かろう、バイクの記事はほとんどないのに。そう、鉄道は今や旬なのだ。
バイクも鉄道車両も機械にちがいない。しかし双方共になんだか血がかよっているような、そんな気がするのは、けっして私だけではないだろうなぁ。
急行つやまと同じく2009年3月13日、もっとメジャーな列車も終焉を向かえる。東京〜九州間の最後の寝台特急“富士・はやぶさ”だ。
発売ひと月前に指定券は全席10秒で完売したそうだ。最終日である13日夕方の東京駅、きっとたいへんな騒ぎになるであろう。
[2009年3月2日の新聞にて]


あの夢の超特急“0系”が引退してどうなったかといえば、製造元の川崎重工に里帰りして保存されると掲載されていた。見学は不可のようだが、きっとカワサキのバイクたちが見守っていることだろう。そう、新幹線とカワサキのオートバイは同じ仲間だ。
[2009年2月20日の新聞にて]

我の愛読書のひとつである“鉄道ジャーナル”2009年4月号の表紙は、なんと“急行つやま”である。記事もカラー6ページ掲載されている。最後の花道としてうれしい。でもさみしい。複雑な心境だ。



ご案内
パドック http://www.paddock-air.com/
JR西日本の旅情報 http://www.jr-odekake.net/
津山瓦版 http://www.e-tsuyama.com/
津山市観光協会 http://www.tvt.ne.jp/~tsukan/


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