2008年9月5日



 せっかくの北海道を1秒多くでも楽しむぞと勇んで起きたは朝6時。こんなに早く起きたのはいつぶりだろう? 一夜を共にした電車で旅をしている学生の人に別れを告げ、7時にはライダーハウスを出発する。彼はこれから電車で根室、僕らはバイクで帯広に向かう。移動手段は違えど同じ旅人同士。ここで出会ったのも何かの縁で一期一会とはよく言ったものだ。こういう出会いがあるのも北海道の醍醐味だろうなぁ。

 朝食は手っ取り早くセイコーマートで取ることに。セイコーマートとは北海道で多数の店舗を持つコンビニ。


番外編:ソフトカツゲン “★7つ”。105円。北海道のみで販売している乳酸菌飲料。ヤクルトともカルピスとも似ない独特の味だが一度飲んだらやめられない。コンビニ休憩の時には多分、2回に1回は買っていた。(笑)




 十勝牧場の隣を走っていると左手に一面のヒマワリ畑が見えてきた。その目も眩むような黄色さに吸い寄せられたところ、今度は道に沿って真っ直ぐに続く白樺並木が僕らを出迎えた。白樺の白と緑、ヒマワリの黄色がそれぞれ鮮やかに飾り合って1つの風景を織り成している。これは絶好の撮影ポイントだ!と思い思いの写真を撮るみんな。
 だけどここで思うことが1つ・・・。ここに1人でも女の子がいたら絵になるんだけどなぁ〜。沢山のヒマワリに囲まれたむさい男達を見て喜ぶ人がどこにいるだろうかっ!?我らMMCAはいつでも女性部員を募集してますよっ!
[ ※MMCA:明治大学モーターサイクル同好会の略称。勉強もしないで、バイクとバイトに明け暮れている貧乏学生達である。そんな連中に女性部員など集まるわけがないっ!(説明:サイト担当者)]








 ついでに十勝牧場の展望台にも寄ってみることにした。ダートを乗り越え突き進んだ先には視界一杯に牧草地がどこまでも続いていた。あの山は何だろう?あの山の先には何があるのだろう?好奇心は尽きることを知らない。気になるなら行けるところまで行ってみよう!まだまだ時間はあるし、道は何処までも続いているのだから・・・。

 途中、馬がいたがその想像以上のデカさにビビる。。。これで1馬力だと!?僕のバルカンは43馬力だがこの馬達を43頭並べたのと同じだと考えると・・・。う〜ん、バイクってすごい!

 この後、キムラきっての希望で帯広市内にある有名なお菓子屋さん「六花亭本舗」へ立ち寄る一行。予想を超えたその優雅な佇まいに怯む野郎達ではあったが、マップルに載ってるのだから仕方がない。そしてお目当てはこちら・・・




サクサクパイ。“★8個”。125円。サクサクのパイ生地とトロリとしたカスタードクリームが織り成すハーモニーは絶品の一言。賞味期限がわずか3時間!というのも頷ける。
コーヒーが無料で飲み放題な上、他にもマルセイユレーズンバターサンド等様々な有名なお菓子も取り揃えてあり至福の一時を過ごす。




 美味しいお菓子に満足した大学生一行はこの日のメインの1つであるナイタイ高原に向かった。
 なんとも力の抜けるような名前の高原だが、実際に展望台に立ってみるとそのすばらしい景色による感嘆のあまりため息が出る。眼下には東京ドーム358個分の広大な牧場が延々と広がり、その草原は奥の山脈まで続いていた。この素晴らしい景色を前に「すげぇ・・・」といった言葉が高原を吹き抜ける風と共に流れて行った。こんな単純な言葉しか出てこない。しかしそんな単純な言葉以外に説明はいらないかもしれない・・・。そうも思えた。

 しかし景色を眺めているだけではお腹は満たされないのが現実な訳で一同は糠平(ぬかひら)の鹿丼を食べるべく、ナイタイ高原を後にした。






鹿丼。“★7つ”。900円。固めの肉だが牛丼のようで中々美味。しかし、どこがシカっぽいのかいまいちよくわからなかった。ってことは牛丼を食べてるようなもん? とにかく美味しかったってことでよろしぃか(鹿)・・・? (あんまりくだらないと三橋のオヤジさんから突っ込まれてしまう!)




 ここ糠平まで来たのなら欠かさずに見ておきたいものがある。それは旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群ことタウシュベツ川橋梁だ。これは旧国鉄時代、川に架けられた橋の上に線路が引かれ利用されていたが士幌線廃線に伴い橋梁がそのまま取り壊されずに残っているものだ。大自然と人工物が見事に調和していて素晴らしい!だが・・・時の流れには抗えないようで橋をよく見るとボロボロだった。崩れないのか!?とちょっと心配になったが逆にこの方が風情があっていいのかもしれない。
 その橋は人里離れた森の中で今でも静かに時を刻み続けている・・・。

 ずっとこの景色を眺めていたいものだがそうも言っていられない。時刻は既に15時を回っている。北海道のマップルを見たことのある人なら知っているかと思われるが他のマップルとは縮尺が違うためいつもの30分で着く感覚で行くと余裕で1時間を超えたりする。到着早々は大分苦戦したもので最後の方でようやく慣れたが今度は本州のマップルを見ると違和感を覚えるようになってしまった(笑)。
 ってな訳で真っ暗になってようやく今夜の宿、本別町静山キャンプ場に到着。後で分かったことなのだがこのキャンプ場の近くに義経山(よしつねやま?)という山があり義経伝説が残っている土地の1つらしい。思えば北海道には弁慶岬もあったりと義経に関係する地名が多い。よし!今度は義経も絡めたツーリングにしよう!いつになるかは分からないが・・・。







今夜の晩御飯は近くのスーパーで材料を買い込んで作ったこちら!お手製ジンギスカン。“★9個”。
マサヤが持参したフライパンにスーパーのジンギスカンとキャベツ、うどんをぶち込んだだけの一品。ジンジスカンとうどんが合うのか?と思いきやこれが予想以上にうまい!これぞ男の料理。



 遠く空を見上げると満天の星空。うっすらと天の川も見えた。近くからは川のせせらぎが聞こえ、この開放感の中で食べるご飯と飲む酒が不味い訳がない!
 100円ちょっとの缶チューハイが極上の酒に早変わり。お金をかけなくても工夫次第で美味いもんはいくらでもある。というか北海道に来てから食べ物でハズレを引いたことないのがすごい!

 盛り上がったところで今夜はお酒を飲んでしまったので大人しく寝る6人。しかしこの時僕は、明日起こるであろう悲劇を知る由もなかった・・・。


キムラお気に入りの1枚。逆光に照らされた姿が青春っぽい。


[ ウェブ担当者よりこのページの・・・あとがき]
 「よし!今度は義経も絡めたツーリングにしよう!」 だと? 義経は軽はずみに言えるほど簡単じゃあないのだ。私は2005年から2006年にかけて義経に関わる二輪紀行を当サイトで送信している。兄、頼朝の伊豆から始まり、源平合戦の瀬戸内海、四国、本州の西端 山口県の壇ノ浦、そして最期を向かえたといわれる東北の岩手県平泉まで、ずいぶんと走り回った。それでもほんの一部だ。まあ、時間がたっぷりある学生なら、もっと細かく回れるだろうけど。でも実際、ガソリン代やら高速代やら、たらふくおカネも掛かるのだよっ。さあ、ど〜する?
 それはさておき、当サイトの二輪旅紀行では、読者に見破られないようにさりげなく、時には大げさに、弊社製品の宣伝を入れているのだが、この3日目までまったくないではないか!Tシャツとグローブを提供したのに!(たったそれだけ?と言われても、ウェア類をタダであげるほど甘くはない)。このサイト、どこのだと思っているのかなね、木村君! ちょっとは気を使って、お世辞の一つや二つ書いてもバチが当たるまい。
 ・・・と、いろんなプレッシャーを掛けるのも、これまた楽しい。
2008年9月27日筆



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