2008年9月8日

 朝起きてすぐ、僕はライダーハウスで知り合った人と一緒にセイコーマートにサトウのご飯を買いに行っていた。 え? 何でかって? それを話すには昨夜に遡らなければならない。
 昨夜の宴会中、おばちゃんが 「サンマの刺身は美味しいよぉー!」と言い出した。僕らはサンマの塩焼きなら食べるが刺身は食べたことがないという人ばかりだったので、それを聞いたおばちゃんが「じゃあ明日の朝ご馳走してあげるから、コンビニでご飯買って待ってなさいね!」と言ったのが始まり。
 コンビニでご飯を買ってライダーハウスに戻るとそこには、サンマに群がり、勢いよくご飯をかきこんでる男達の姿が(笑)これは何やら美味そうだ!ってことで早速食べ始める。


サンマの刺身&タタキ。“★10個”。一味醤油がピリリと効いた刺身と熱々のご飯を一緒に食べるとそれはもう極上の美味さ!タタキやイカも負けないくらい美味しかった。いやぁ、サンマの刺身がこんなに美味しいとは知らなかったなぁ・・・。多分、この北海道ツーリングで食べた1番ウマい料理。
なお、根室では毎年9月下旬にサンマ祭りを開催していてそこでは無料でサンマの塩焼きや刺身が食べ放題らしい。おばちゃんお勧めのお祭りです。



 お腹も一杯になったしそろそろ出発するかぁってことで外で荷造りをしていると何やら変わった1台のスーパーカブが目に付いた。よく見てみると、モーターサイクリストと大きなステッカーが貼ってあり一目で雑誌の関係者の人かな?と分かった。
 同じライダーハウスに泊まっているのだからせっかくだし話してみようと思うと足はすぐにカブの持ち主、モーターサイクリスト記者、戸恒(とつね)さんのところに向いていた。

 戸恒さんは現在、雑誌モーターサイクリストの企画のためスーパーカブで日本一周をしておりこの時はちょうど北海道根室市に立ち寄っていた。

 チェックアウトまでの短い時間ではあったが色々な話をさせてもらった。日本一周の話はもちろん、就職活動のこと、そして自分の生き方のこと。その中で一番印象に残っているのが「悩むよりも行動してみろ。行動して初めて次の道が開けてくる。」という言葉。
 バイクは自分の意思で目的地を決め行動して初めて、様々な食べ物、景色、人と出会うことが出来る。それは当然バイク以外にも言えることだろう。何事も行動しなくては始まらない。改めてそのことに気付かされ、決意を新たにさせられた時間でした。

 こうやって旅先で色々な人と関わって、様々な人の生き方に触れていく。それはなんて素晴らしいことなんだろう。自分が何でツーリングが好きなのか、その理由の1つが改めて分かったような気がした。  

 さぁーて、そろそろ出発だ。おばちゃんとの記念撮影を済ませ、戸恒さんにも別れを告げる。同じライダー同士、いつかまた会える日が来るだろう。その時を楽しみにしつつ僕らはライダーハウスを後にした。
このインディアンサマーカンパニーではたった1泊しかしてないが決して忘れないであろうとても良い思い出が出来た。また来年も絶対来るよ!おばちゃん!

 一路、進路を東へと向ける。目的地はそう、日本最東端の岬、納沙布(のさっぷ)岬だ。最東端って言葉に次々と吸い寄せられるライダー達。みんな考えることは一緒のようだ。






戸恒さんと。










 ここ納沙布岬からは北方領土を間近に臨むことが出来、周囲には北方領土返還を望むモニュメントが多数立っていた。せっかくなので北方領土のことをよく知るいい機会だろうということで、北方記念館にて署名をし、2階にある資料室でしばしの間お勉強。
 ・・・で思ったことは、日本固有の領土でもあるのにも関わらずこのままでよいのか!と。旧ソ連が第二次世界大戦終結のどさくさに紛れて北方四島もついでに占領したことが、火事場泥棒のそれとどう変わらないのであろう?複雑に外交要素が絡み合った今、北方領土問題も解決の兆しが見えていないがそれでもやはり、領土返還に対する世論を高め、日本の外交に期待したいものだ。誰よりも返還を願っているのは北方四島に住んでいた方を含め、その二世、三世の方々なのだから・・・。

 真面目な話はこの辺にして、そろそろお腹が減ったので再び根室市内へ昼食を食べに戻る。が・・・その前に見ておくべき場所があった。
 それはこの、朽ち果てたボロボロの建物。実はこの建物、築100年以上経っていてその昔、根室からこの建物を伝って通信線が海底ケーブルとして国後島まで伸びていたらしい。しかし、その後第二次世界大戦後の旧ソ連による北方四島占領のため海底ケーブルを切ることを余儀なくされ、今に至るという訳だ。当時を偲ばせるそして、後世に伝えていかなければならない遺構として地元の人に保存されている。・・・の割には建物内部には漁で使う道具が無造作に置かれていたが。。。
 海底のケーブルを見ることは出来ないがそれは昔、確かに国後島と繋がっていた証である。
 海の向こうに遥か国後島を臨む。胸に抱くその想いは・・・熱い!

 さて、いい加減飯にしよう。ってことで一同は根室市内の有名店「どりあん」へ。



署名ついでに北方領土記念フラッグをGet!











エスカロップスペシャル。“★9つ”。1250円。エスカロップとは根室市内のレストランオリジナル料理で、デミグラスソース+トンカツ+バターライスを組み合わせた料理のことだ。それぞれが絶妙にマッチしどんどん食べられる。お店の雰囲気も良く、色んな世代の人が来ていた。デートに使えそうな店だな、これは。


こちらはユウさんが注文していたオリエンタルライス。こっちも美味しそうだ!




そして〆のデザートにパフェを注文。男3人でパフェを貪っている姿はなんとも言い難いが甘いものが好きなので仕方ない。










 お腹を満たした後は次は目を満足させてあげようってことで、花咲岬に向かい奇石で有名な根室車石を見物。車石とは岩が放射状に広がり、あたかもタイヤみたいに丸い形を成している。大地の力ってのは岩をここまで変えてしまうのか・・・と一同驚き。



 途中ライダーハウスで仕入れた情報を元に、あるガソリンスタンドへと立ち寄った。実はこのスタンド、道内で数少ないオリジナルフラッグを配っているスタンドのうちの1つらしいのだ。そもそも、北海道では毎年ホクレン(北海道にあるGS)による特製フラッグを給油のたびに配っていたのだが今年から経費節減のため配られなくなったらしい。北海道ツーリングの象徴でもあるフラッグがなくなったことに意気消沈するが、道内のいくつかのホクレンでは限定のオリジナルフラッグを配っているという情報を耳にしてわざわざやってきた。

 最初、今日中に知床まで行こうと考えていたのだが予想以上に遠かったため、知床の手前50kmぐらいの標津(しべつ)にて今夜はキャンプをすることにした。
 その前に夕飯だが・・・ここらで三橋のオヤジさんからかねがね言われていたウニ丼を食べるべくマップルに載っていたお勧め海鮮料理屋「郷土料理 武田」へ。
 武田ってのがいいねぇ!と武田の家紋である武田菱を見て1人嬉しくなるキムラであったがそんなのに興味ないユウさんとマサヤはスルーしてどんどん中へ入っていった。。。

 美味そうな海鮮料理を頼むみんな。最初、金に糸目はつけないと言ったがやはりこれだけの料理はそう頻繁に食べられるものじゃないでしょう。ユウさんはホタテ鮭漬け丼、マサヤはカニ・ホタテ・イクラの三色丼、キムラはカニ・イクラ・ウニの三色丼をそれぞれ注文する。
 そのお味の方は・・・?
こちらがそのフラッグ。牛がプリントされていて、風にたなびく姿がやはり”北海道っぽく”てちょっと嬉しくなる。おまけに牛乳まで頂いた!牛乳好きでよかったー!







カニ・イクラ・ウニ三色丼。“★10個”。2600円。新鮮な海の幸を贅沢に使った一品!特にイクラがプリプリでたまらない。ウマイっ!



 思えば、今日は朝からウマいもんばっか食べてて食に関しては最高の日だったなぁ。
 大満足して一行はキャンプ場へ。今日も1日、無事に終えることが出来たのでした。




[ ウェブ担当者よりこのページの・・・あとがき]
 え〜、夫婦坂二輪旅紀行メニューのこの北海道編のご案内で、この若者達を 「貧乏学生ども」 と表現したのは取り消します。・・・こいつら、ちっとも貧乏じゃねえ!っつうの。。。
 確かにライダーハウスやキャンプで限りなく無料に近い宿泊をしているのは、学生らしい。でも毎日毎日のメシはいったいなんなんだ? 1000円以上の昼飯? デザートまで食ってやがる。極めつけは三色丼、2600円!「ウマイっ!」って、あったりまえだろが、バカたれがぁ。。。 俺なんか初めてウニ・イクラ丼なるものを食ったのは、三十を過ぎてからだぁ!コンチクショ〜!
 
 昼に380円の牛丼食って、このページのウエブデザインを制作していたら、なんだか取り乱してしまいました。大人気ない・・・
2008年10月4日 筆



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